年末に向けて仕事もますます忙しくなってくるこの頃。皆さんは家事と仕事、子育てなど上手く両立されていますか? 私は家庭ができてまだ日が浅いのですが、今このテーマがもっとも気になっています。友人の話を聞くと、家事全般を奥さんが担当している家族もあれば、旦那さんが子供の送り迎えや料理をするといったところも。本当にいろいろな形があるなと思うのと同時に、私はどんな家庭にしたいかな......と考えたりします。仕事は続けていきたいけれど、自分らしい毎日を送るにはプライベートな時間とどうバランスを取っていくかが大切なのかなと思うように。そんなとき、ネットでこの本を見つけました。
『パリの朝食はいつもカフェオレとバゲット―フランス人はなぜ仕事と子育ての両立が上手なのか? ―』。こちらは、家族でフランスに6年半住んでいた国末さんという女性が、現地での生活を通して発見した、フランス流の人生の楽しみ方がたくさん詰まった一冊です。
特に私が共感したのは「平日の夜の夕食はシンプル」というお話。仕事をして帰ってきて食事をゼロから用意するのは大変に感じている方もいらっしゃると思います(正直なところ、私は面倒だなと思っています)。それを無理せず、買ってきたお惣菜を中心にハムやチーズ、サラダなどで食事を済ませることがフランスでは多いようで、なんとストレスフリーなんだろう!と驚きました。お昼をしっかり食べるお国柄というのもあるようですが、この「みんなでの食事も、いつも頑張らなくてもいいじゃない」というような姿勢が、力が入っていなくて好きです。子供の遠足に持たせるお弁当も、パンとチーズとハムなど簡単に用意できる(簡単すぎるくらいですが)サンドウィッチを持たせるとか。考えすぎるから面倒になることを、できる範囲でこなすということも時には大事なんだなぁと思いました。自分で勝手に「頑張らないと」と気負いし過ぎることも多いのかもしれません。
また、夫が積極的に家事に取り組んでくれることが多いらしく、掃除や洗濯、買い物や料理と幅広くこなしてくれるようです。我が家も比較的、協力体制ではありますが、お互いに働いている上で、この姿勢はやっぱり大切だと思います。本文に登場する男性の言葉で「家事は家族の健康と幸せをもたらす仕事」と書かれていますが、確かにこんな風に考えられたら全部ポジティブにこなせるかも! と目から鱗。家事の一つ一つにたっぷりの愛が込められているなんて、とっても素敵ですよね。
そのほかにも、「夜のティータイムでリラックス&気分転換する」「カフェで簡単にリフレッシュ」「何もしないのが最高」など、オフの時間も無理がなく、でも大切な人と大切に過ごすという、シンプルな日常が紹介されています。この「誰と過ごすか」ということを一番に考えたライフスタイルも、きっと人生の充実感を大きくしてくれるんでしょうね。
一人一人の考えやスタイルがあると思いますし、あくまで個人的な感想ですが、私はこの本を読んで気持ちが軽くなりました。フランス人の上手な手抜きと家族への愛が、何もかもきちんとやらなきゃと思ってパンパンに膨らみきった私の頭に針で穴を開けてガス抜きしてくれたような、そんな感覚です。子育てや仕事など忙しい毎日を送られているみなさんに、ぜひ手にとってみていただきたい一冊です。(エディターWAKASUGI)