「お夜つ」の時間 ── 思いやりの詰まったバターサンド #深夜のこっそり話 #1071

慌ただしい育児の合間に、こっそり楽しむ「お夜つ」の時間。今宵の甘やかな相棒をご紹介します。

バターサンドと聞いてまず思い浮かぶのは六花亭ですが、同じ北海道ゆかりの菓子でも、こちらはぐっとモダンな装い。2017年に東京駅構内に初出店して以来、一躍人気を博している「プレスバターサンド」です。

お菓子にしては珍しいインダストリアルな印象のボックスに、そっけないほどシンプルなパッケージ。ところが封を切った瞬間に漂ってくるのは、バターの懐かしくほっとする香りです。写真で見る限りは無表情でクールな印象の人だったけど、飲み会で顔を合わせて話をすると満面の笑みでほころばせてくれた。そんな感じの安心感です。

45ミリ角の二枚のクッキーは、専用のプレス機でガッチリと「はさみ焼き」されています。これが一見かたそうなのに、手で簡単に割れるくらいにもろい。口の中にほうりこむと、サクッとした歯ごたえがありながらホロッと崩れる、絶妙の食感が待っています。さっきの笑顔が素敵な人、けっこうマッチョなのに、酔ったいきおいで触れると意外にも柔らかくてドキッとした……みたいな。

クッキーの中は、北海道産のフレッシュバターを使ったクリームとキャラメルの二層仕立て。ねっちりし過ぎず、さっぱりとまでもいかない。ちょうどいいなめらかさが後を引いて、まさにベストなバランスです。あの笑顔が素敵でマッチョな男性と行きずりで一夜を共にしてしまったのだけど、とにかく最高だった……みたいな。スミマセン、深夜なのでつい妄想が暴走してしまいました。

話しを戻すと、クッキーはボックス型なので、食べるときにフィリングが飛び出してくる心配がありません。また、表面に刻まれた十字カーソルのような線に沿えば、手できれいに割れるような設計も。細部までこだわりを感じる一品です。プレスバターサンドの二枚のクッキーには、風味豊かなバターの味わいだけでなく、食べる人のことを一番に考えた思いやりも一緒に閉じ込められているようです。

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エディターHAYASHI

生粋の丸顔。あだ名は餅。長いイヤリングと丈の長いスカートが好き。長いものに巻かれるタイプなのかもしれません。

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