2020.06.07

老舗フルーツパーラーのまるごとフルーツゼリー #深夜のこっそり話 #1281

サザエさんのオープニングの最後、覚えてますか? リンゴとみかんがパカッと割れて、その中からみんなが出てきて陽気にリズムを刻むんです。幼い頃からあのシーンが好きで、自分も入ってみたいなと思ってました。先日、久しぶりにサザエさんをみる機会がありまして、昔と変わらないオープニングに懐かしさを覚えると同時に、やっぱりこの歳になってもあの果物の中には入ってみたいぞ、と我が身を揺らせていたところです。

さて、サザエさんの果物ダンス(?)に触発されて、無性に食べたくなりお取り寄せしたのが、京都の老舗「フルーツパーラー クリケット」のゼリーです。果皮を器に、くり抜いた果汁をゼラチンで固めて流し込む”まるごと果実”なスイーツ。今の時期は旬の柑橘類を使ったものをいろんな店で見かけますが、クリケットのレモンゼリーを上回る逸品にはまだ出合えていないと断言できます。ウソだと思うならぜひ食べてみて欲しい!

ひと口目は何もつけずにそのままで。顔をすぼめるような酸味こそありませんが、だからといって人工的な甘みもいっさいなし。果実本来の爽やかさだけが生かされ、プルンプルンの食感となって口の中に広がります。松田聖子さん風に言えば、どこまでも「フレッシュ! フレッシュ! フレーッシュ!」。ひと口食べたら夏の扉が開いたと感じるはずです。別添えの生クリームをのせるとまろやかさがグンとアップ。しかしここでも甘ったるさはありません。そして終盤に差しかかった頃、秘密兵器である「果実のフタ」を活用します。これをゼリーの中にギュッと絞ると、忘れかけていた切れ味のいい酸味にハッとさせられ、食べ切るときには爽快な余韻が残るのです。この三段階で楽しめる味の変化もクリケットならでは。

レモン以外にグレープフルーツやオレンジ、季節限定の甘夏もあるので、初めての人は食べ比べてみてください。それぞれ大きさも量も違うのに値段は同じなの? という疑問は残りますが、それでも個人的にはやっぱりレモンが一番! サマーギフトにもオススメですよ。

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エディターHAYASHI

生粋の丸顔。あだ名は餅。長いイヤリングと丈の長いスカートが好き。長いものに巻かれるタイプなのかもしれません。

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