2021.10.18

もったいない!のその先へ。「アルマーニ / リストランテ」の、フードロス食材が主役のイタリアン #深夜のこっそり話 #1465

味覚の秋の到来です。緊急事態宣言が解除され(とはいえ、油断大敵ですが)、久しぶりに外でゆったり食事を楽しみたい!と息巻いています。ステイホーム期間を経て、よりサステイナブルなライフスタイルへの関心が高まり、食材の使い切りやホールフーズを意識したレシピにはまるなど「食」に関してもその例にもれず。今回は、そんな今の自分にどんぴしゃりだった「アルマーニ / リストランテ」のフードロス食品を使用したコースメニューを紹介させてください。

こちらは、「目にも舌にも社会にも嬉しいコース料理」として今年の春に登場し話題になったプロジェクト。2シーズン目となる今回は、ダブルメインとなり、コースにお魚料理とお肉料理が組み込まれさらにパワーアップした内容に! 食いしん坊の私にとって心躍るアップデートです。

前回に引き続き、食材は「FOOD LOSS BANK」が協力しています。カタチが不揃いだったり規格外だったりすることで市場に出回らない野菜のほか、コロナ禍の影響による飲食店の時短営業などで出荷先を失うなど、品質には問題がないのに廃棄される予定だった食材を仕入れ使用しています。私も大好きな、岐阜県産の「桃太郎」のトマト、熊本産の「あか牛」などのほか、グルマンに人気の食材も日本各地の産地より幅広くラインナップされています。

コースは全部で7皿。各料理ともフードロス食材が「主役」として使われ、それぞれの食材が持つ個性の最大値が、シェフの創意工夫により引き出されています。

7皿のコースメニュー ¥10,000(税込・サ別)大根のフラン/カプレーゼ 2021(写真上)/スパゲット 赤ピーマンとグリーンソース/金目鯛 枝豆 ライムの香りのコンソメ/あか牛外もも肉 なすのテクスチャー/酒粕とメロン/煎茶とシトラス/カフェ プティフール

まずは、トマトをたっぷり使った前菜、「カプレーゼ 2021」。 トマトの自然な甘みと口の中でふわっと消えていくトマトウォーターのエスプーマ、ブッラータのジェラートのコンビネーションが新鮮な味わいです。使っているトマトは、岐阜県寺田農園の桃太郎、フルティカ、ピッコラルージュといった、トマト界のスター(アイドル?)たち。単品でも十分おいしいのですが、グループとなることで酸味、甘み、旨みがコーラスとなり重層的においしさを奏でます。トップに帽子のボンボンのように置かれた、ブッラータのジェラートも、なんとも可愛い。

イタリア料理に欠かせないのがトマト。エグゼクティブシェフであるカルミネ・アマランテ氏によると、イタリアではトマトを量り売りで買うのが日常。カタチや大きさはバラバラだそうで、日本では見た目で“ロス”になることに疑問を感じていたとか。私も、野菜がいびつなカタチでも何なら土をかぶっていたり傷があったりしても、「大地から直送!」とうれしくなってしまうたち。ましてや調理するとなると、大事になってくるのは見てくれよりその味ですよね。

お次は、「スパゲット 赤ピーマンとグリーンソース」

岐阜県のアルプス農場で作られた旨みたっぷりのピーマンをスロージューサーで絞ったジュースにスパゲット(スパゲッティ)を絡めたもの。赤ピーマンならではの鮮やかな色が食欲をそそります。トッピングされているのは、三重県産の真鰯を使ったマリネ。コロナ禍により行き先がなくなったということでロスになりそうだった新鮮な真鰯。味わいが深くジューシーです。

メインのお肉料理は、「あか牛外もも肉 なすのテクスチャー」。高級肉として名高い熊本県産の「あか牛」。不揃いや見た目で“ロス”となるお野菜と違い、お肉のロスとなる原因って……? 聞くと、「部位ロス」と呼ばれる、肩肉、外もも肉がそれにあたるそう。調理に技術が必要なため生で残ったりする部位でもあり、また夏季のバーベキューや冬季の鍋など特定のシーズンにお肉の需要が高まると、ももやロースに人気が集まってしまうので、売れ残ってしまうのだそう。これらを長時間かけて煮込み、なすでロール。レストランならではの手間のかけ方で丁寧に煮込まれたお肉のとろける食感がたまりません!

いずれも、フードロスとなる食材がもったいないからというより、シンプルに「おいしいから」、「眼福、口福だから」という理由で何度も通いたくなる充実の内容。以前より、日本の食材を使ったイタリアンを得意とする「アルマーニ / リストランテ」だからこそ叶う、“おいしいサプライズ”の数々。シェフの創意工夫に何度も拍手しながら、食べ終わるとおいしさと食の恵みに対する感謝の気持ちでいっぱいに。新鮮な食材は栄養もたっぷりですので、胃袋だけでなく、心も体も満たされます。コース料理は、ランチ・ディナーともに提供しているのもうれしいですね。期間は10月末まで。気になる人は急いで!

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エディターYOSHIMURA

食べること、カラダを動かすこと、旅することが大好物のアクティブ派。その反動か、ワードローブは甘め嗜好。花柄アイテム&ワンピースがクローゼットを占拠しています。

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