梅雨ワインは茜色 #深夜のこっそり話 #1420

梅雨の季節となりました。心身ともに一年で一番苦手なこの季節を少しでも楽しく過ごそうと、ワインも“衣替え”。今季の4番バッターとして活躍中なのが、栃木県・足利にある「ココ・ファーム・ワイナリー」の「甲州F.O.S.」です。日本の代表的な白ワインの葡萄の甲州種を使った、オレンジワインです。

2019 甲州F.O.S. ¥3,000

F.O.S.とは、Fermented on Skinsの略で、その名の通り、果皮・種ごと発酵して作られたもの。急がず焦らず。“葡萄ファースト”で化学肥料や除草剤は一切使わず、野生の酵母を使い、手作業で丁寧に作られています。葡萄本来の自然の持ち味を生かすことをモットーとする、ココ・ファームらしいワイン愛あふれる1本です。

梅雨の時季って考え事が増えませんか。ちょうど、一年の折り返し地点ということもあり、今年前半の振り返りやこれからについてなど……といいつつ、実態は来たる大好きな夏にむけてのバカンス計画が(本来なら)ほとんどを占めているのですが、昨年に続き今年も遠出が叶いません……。

そんな、鬱々とした気をはらってくれたのが、こちらのワインでした。広がりのある複雑なアロマが鈍化した感性を呼び覚まします。オレンジワインらしい渋味と果実の風味が同居した味わいは、思考回路をポジティブに整えてくれる不思議さがあり、飲む度に多幸感をもたらしてくれます。

きりりと冷えた辛口の白ワインで、じめっとした梅雨と真っ向から向き合うのもひとつの手ですが、梅雨の時季のしんなりとしたムードをあえて受けいれて、今だからこそできるあれやこれやの逡巡を楽しむのも一考かもしれません。

なお、「月を待つ」「こころぜ」「風のルージュ」「バラ色の人生」「第一楽章」と、ココ・ファームのワイン名はそのどれもがユニークなのですが、「甲州F.O.S.」の深い色味を、オレンジと言わず「茜色」と表しているのも素敵ですよね。

レーズンサンド 1箱 10個入り ¥1,200

ちなみに、ワイナリーオリジナルのお菓子類も秀逸で、ついついワインと一緒にオーダーしてしまいます。この日のおともは、レーズンサンド。たっぷりの大粒レーズン入りクリームを、バター香るクッキーではさんだもの。甘さ控えめでワインの味をじゃましません。

ワインケーキ(プレーン、抹茶)1箱 各¥1,800

もうひとつは、ワインをたっぷり使ったワインケーキ。アルコール2%と、しっかりワインの風味を感じられます。口にいれるとじゅわっと広がる、ワインしみしみのパウンド生地がたまらなくジューシー。実はワインケーキが大・大好物なのですが、マイベスト3本のゆびに入る逸品です!

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エディターYOSHIMURA

食べること、カラダを動かすこと、旅することが大好物のアクティブ派。その反動か、ワードローブは甘め嗜好。花柄アイテム&ワンピースがクローゼットを占拠しています。

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