1971年、イノセント・ラブの香り #深夜のこっそり話 #1602

香りと記憶は強く繋がっていると思っています。旅先のホテルの人工的だけど心地よいリュクスな香りとか、むか〜し好きだった人が愛用していたこってりした香りの香水とか、その香りがしただけで一瞬でタイムスリップしませんか?

いつも香水を選ぶときはそういった記憶をたどって近しいものを選ぶことが多いのですが、今回は逆に空想のストーリーから選んでみました。2021年に誕生したフレグランスブランド、THOUSAND COLOURS(サウザンドカラーズ)の香水です。1000年の視点を持って生まれた東京発のフレグランスブランドとして、現在を起点に過去と未来の出来事に目を向けた、個性的なストーリーを持つ香水やディフューザーが揃います。

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M1971 INNOCENT LOVE 25ml ¥9,350

私が選んだのは「M1971 INNOCENT LOVE」という名の青いボトルの香水。M1971とあるように、全ての製品名にM、E、Aいずれかのアルファベットと4桁の数字が入っています。それぞれのアルファベットが意味するのは、M(メタモルフォーゼ)=希望溢れる偉人たちの感性と記憶を経験する香り、E(エクスペリエンス)=記憶の中枢へ、時空を超えて希望溢れる場所を経験する香り、A(アクティベート)=心身から希望溢れるコンディションに導く香り、というカテゴライズ。

後ろに続くのは年号で、その時代に起こった現実の出来事や空想の人物のストーリーを香りに込めているのだとか。「M1971 INNOCENT LOVE」は、1971年に活躍した前衛芸術家をイメージしたもの。トップノートはホワイトネロリやベルガモット、タンジェリンといった柑橘系の精油が爽やかに香り、ミドルノートではジャスミン、ラベンダー、サンバックがふわりと湧き出る。ラストノートはムスクとアンバーが、体を包み込むように優しく香ります。

1971年、イノセント・ラブの香り #深の画像_2

サステイナビリティにも力を入れていて、使用しているボトルは新たに型取ったものではなく、既存の型を利用しています。リサイクルガラスを30%以上使用し、緩衝材はプラスチックではなく紙を使っているのも嬉しい。

この香りは、愛と平和をうたい、時には寡黙に、時には過激へ世界にメッセージを発信し続けた女性がモチーフなのかなと、つけながら妄想。最初の繊細さに油断していると、後からぐわっと引き込まれるような、そんな魔性の魅力があります。実際に香りがイメージする偉人になれるかはさておき、クリエイティブで自由、そして純粋な心で世界を楽しむマインドになれる一本でした。

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エディターSATO

ネイルを塗っている時間が好きです。ポーチ、名刺入れ、スマホケースなど、ついピンクの小物を選びがち。臆病&やんちゃな黒猫2匹が相棒です。

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