自宅の裏庭に、今年もいろんな花が咲き始めました。というと、いかにもガーデニングを楽しみながら丁寧な暮らしをしている風ですが、恥ずかしながらろくに手入れもしていない、ワイルドでちっぽけな裏庭です。咲き始めたのはバラでもゼラニウムでもなく、名もなき野生植物。いや、名前はあるはずだけど、単に私が無知なだけ。どこから飛んできたのか、オレンジやピンク、黄色の可憐な花々が、新緑に彩りを添えている。水やりもしていないのに、元気に咲き誇っています。
“名もなき”とはまた違う話になりますが、ファッションの世界では洋服に対して「アノニマス」という言葉を使うことがあります。ひとめでブランド名がわからない、あるいはシーズンやトレンドを象徴しない、まさに匿名性の高いデザインを“アノニマスな服”と呼んだりしますが、その最たるもののひとつが白シャツです。
昔は、白シャツなんてどれも同じで退屈だと思っていましたが、年齢を重ねるにつれてその魅力や奥深さが分かるようになってきました。パリッとしたシャツに袖を通すときにまとう、あの清らかで凛とした空気が好きです。ジャケットでは味わえない純白の心地よい緊張感が、着る人のさりげない所作にもにじみ出るような気がします。
生粋の丸顔。あだ名は餅。長いイヤリングと丈の長いスカートが好き。長いものに巻かれるタイプなのかもしれません。




