【韓国映画】最強のふたりが教えてくれる人生の歩み方 【ネタバレあり】 #ラブインザビッグシティ #深夜のこっそり話 #2212

MIBシリーズや『グリーンブック』、『テルマ&ルイーズ』など、バディものは無条件に大好きでして、今回も情報が解禁された時からとても楽しみにしていた映画『ラブ・イン・ザ・ビッグシティ』。週末まで待てずどうにか仕事終わりに劇場に駆け込んで公開初日に鑑賞しました。「誰かが私の噂をしている、仲良いと思っていたあの子が悪口を言いふらしていた……」と悩んでいたあの頃は今思うとばからしいけれど、一方でそんな時間も愛おしく思わせてくれる、あの頃の全てを共有した大好きなあの子に会いたくなる、そんな映画です。

“普通”からかけ離れた最強のふたりに勇気づけられる爽快バディ映画

『ラブ・イン・ザ・ビッグシティ』 フライヤー
6月13日(金)より全国ロードショー 配給:日活/KDDI ⓒ 2024 PLUS M ENTERTAINMENT AND SHOWBOX CORP. ALL RIGHTS RESERVED.

大学では”イカれ女”というあだ名で知られている自由奔放で恋多き女ジェヒと、セクシュアリティに関する秘密を誰にも明かせず日々を過ごすフンスが、ひょんなことをきっかけに同居を始め、かけがえのない13年間を紡いでいく物語。

こちらは、ポスターやフライヤーに用いられているワンショットなのですが、「男女とベッド」の通念を覆す、まさにこの作品、2人の関係性を象徴する個人的にとても大好きな場面です。このベッドに彼らの青春が全て詰まっていると言っても過言ではないかと。

『ラブ・イン・ザ・ビッグシティ』 ジェヒの家でプデチゲを食べる場面
ⓒ 2024 PLUS M ENTERTAINMENT AND SHOWBOX CORP. ALL RIGHTS RESERVED.

物語は展開がスピーディーで、最強の2人が織りなす爽快なバディ模様がおかしく、難しいことを考えずとにかく笑えます。特に二十代前半、毎晩お酒を飲み明かし、翌日の試験には首に嘔吐袋を引っ提げて真っ青な顔で鉛筆を走らせる場面など、「今」しか考えてない2人には呆れますが、ついクスッと笑ってしまう、そんな場面がたくさん。

この写真は、前夜のクラブ遊びでボロボロになった体に、プデチゲで酔い醒ましをする場面。お酒に懲りてもう飲まない、と2人で誓うもテーブルの上には焼酎の瓶が一本。もう! 本当にあんたたちは! 

生きやすさとは「自分らしさを無下にしない」ということ

『ラブ・イン・ザ・ビッグシティ』 緊迫した表情のジェヒ
手前に写っているある物体は、実は作品の中で重要な意味を持つもの。ぜひ本編で確かめてください! ⓒ 2024 PLUS M ENTERTAINMENT AND SHOWBOX CORP. ALL RIGHTS RESERVED.

物語を通して性的マイノリティ、男女の格差問題などの大都市に蔓延る社会問題にガッツリ切り込み、明るく軽快な2人だけの世界観を通して観客側に重く難しく受け止めさせ過ぎない演出も新鮮でこの映画ならではでした。しかし一方で、まだ世間から受け入れられていない、一般的な「普通」とはかけ離れた自分達に直面し、目を背けられない現実が映し出される場面などでは、酷いリアルも描かれていて、楽観視のみだけではいけないという、作品の強いメッセージも伝わってきます。

『ラブ・イン・ザ・ビッグシティ』 夜の公園で談笑中の2人
ⓒ 2024 PLUS M ENTERTAINMENT AND SHOWBOX CORP. ALL RIGHTS RESERVED.

私がこの作品をたくさんの方に見て欲しいのは、何かで壁に直面し、生きづらさを感じている人たちが背負ってる荷物を半分持ってくれるような、酔い醒ましのプデチゲのような、温かく優しいメッセージが詰まっているから。2人の少し強引だけど、互いを思いやり紡がれるセリフから「生きやすさは自分らしさを無下にしないこと」というメッセージにハッとさせられました。

また、ある重要な場面に登場するmiss Aの『Bad Girl, Good Girl』はまさにこの作品のハイライト。ハンカチ必須です。

プデチゲを食べてGood Girlな人生を

『ラブ・イン・ザ・ビッグシティ』 原作とパンフレット
原作本とパンフレットでどっぷり余韻を楽しみます

鑑賞後、劇場のあちこちで、二十代のあの頃の全てを互いに知り尽くした大好きなあの子に思いを馳せたり、あの時にこんな相棒がいたらどんなに救われたか、と嘆く方々が大量発生(笑)。わたしも、フンスやジェヒに笑い飛ばされそうな悩みを抱えていたあの頃、夜中にそっと横でカップ麺を作ってくれたあの子のことを思い出し、会いたくなりました。

そして、あまりにも余韻から抜け出したくなさすぎて、パンフレットと原作本を購入。パンフレットには、名言がたくさん詰まったダイアログ集があったり、本は、映画とは少し内容が異なっている部分があるためまた違った世界線の2人を楽しめたりと、後1ヶ月はこの2冊とともに余韻に浸りたいと思いますが、その前にもう一回観に行きそうです(笑)。さあ! 帰ってプデチゲでも食べて、Good Girlになりますか! 

今回紹介した作品はこちら!

作品名:ラブ・イン・ザ・ビッグシティ
監督:イ・オニ
主演:キム・ゴウン、ノ・サンヒョン
原作:パク・サンヨン著 『대도시의 사랑법』

エディターKAIプロフィール画像
エディターKAI

主にソーシャル担当。トレンディドラマのベタな展開が好きで、定期的にトキメキを補充。甘酒と韓国ゾンビの虜です。

記事一覧を見る