立体ならアレクサンダー・カルダー、絵画ならジュアン・ミロのように、鮮やかな色使いと抽象的なモチーフの組み合わせ(ざっくり!)が好きな私。ところが去年、バルセロナを訪れた際は時間が足りなくて、ミロ本人が構想・設立したミロ美術館には立ち寄ることができずに悲しい思いをしたばかり。
実は3月1日から、日本での最大規模の回顧展『ミロ展』が上野の東京都美術館で開催中。ということで、去年から楽しみにしていたのです!
※記事で紹介した写真は許可を得て撮影しています
ジュアン・ミロの若き日から晩年までを網羅する大回顧展
3年前にも日本との縁をテーマにした展覧会が催されましたが、今回はミロの最初期の作品(10代の頃の作品まで!)から晩年の大型作品までを網羅しており、ジュアン・ミロという芸術家の人生に触れられる貴重な機会。
展示風景より。展示室入り口に大きく貼り出されたミロのポートレート
展示風景より。「焼けた森の中の人物たちによる構成」はなんと、1932年にも日本で展示された作品!
私は特に、ミロがシュルレアリスムに触れてからの作風に惹かれていたのですが、プリミティブでポエティックという、なんだか相反するようにも思える独特の画風の背景もちょっぴり垣間見えた気がして、かなり長居をしてしまいました。
展示風景より。代表作の《星座》シリーズのうち、「カタツムリの燐光の跡に導かれた夜の人物たち」をはじめ3枚が展示されています
約100点もの作品から伝わってくる、20世紀に芸術の世界を生きたひとりのスペイン人としての感受性、そして生み出される筆致に間近で触れる贅沢な時間でした。
展示風景より。個人的には、ミロの作品はポスターというメディアとの相性も抜群だと思うのです。こちらはユネスコの人権ポスター
この後もミロの魅力をたっぷり語り始めたいところですが、本展についてはSPURで別の記事も予定されているので、展示内容のご紹介はそちらにお任せし、私は別の目的地に向かいます。
ミロ展、もうひとつのお目当てはミュージアムショップ!
道の駅と美術館のミュージアムショップは、私にとっての2大爆買いスポット。というわけで、今回も気持ち的にはおこづかいを握りしめて、いざやってきました。展覧会にグッズコーナーが併設されている場合、何を買おう、とソワソワするから最初にラインナップをざざっと見たい気もしつつ、鑑賞の記念となるとやっぱり最後に足を運ぶべきか、といつも悶々としがちです。
さて、ミロ展はといいますとまず驚いたのが、ディスプレイがきれい! そしてそれぞれのアイテムのプロダクトデザインもしっかりしていました。もちろん、この場所に足を運ぶ人はアーティストや作品に興味がある前提とはいえ、「プロダクトとして買いたくなる」というのも大事だと思うのですよね。その点でも気持ちよくショッピングのできる空間でした。ラインナップをざざっとご紹介します。
まずはずらりと並んだポストカードエリアにびっくり。ミロの作風の変遷を追えるダイジェストのような感じです。各¥165
ポストカードより大きくて、でも手軽に飾れるミニプリント。各¥600
マグネットは2種類ありました。Scale 1/24とあるほうは縦横比にもこだわりがあり、¥980。Originalは¥660です
展覧会グッズとしては定番のステーショナリー系だけでなく、Tシャツやトートバッグなどの布製品や小物も充実。あまり意識していませんでしたが、ミロの作品はグラフィカルなのでさまざまなアイテムと相性がいいのかもしれません。
私自身はあまり身につけるものを買わないのですが、Tシャツはデザインも豊富。左の2型は¥4,200、中央と右は¥5,400
コースターは布製です。写真を見返して初めて気づきましたが、上部にディスプレイされているバンダナ、欲しい〜(涙)
作品の一部にクローズアップした手ぬぐいやマグ
作品そのもののモチーフはちょっと、という方でも手に取りやすい、シンプルなデザインのアイテムもラインナップ。また、ミロと縁のあるFC バルセロナのグッズ、スペインのお菓子、調味料やお酒などをセレクトしたコーナーもあり、ショッピングだけでも楽しいかも!
ビビッドな色のキャンディやボールペン、先ほど紹介したのとは別デザインのマグもあります
サッカー好きにはうれしいFC バルセロナコーナー。ミロはクラブ設立75周年のポスターを手がけたそう
スペインのお菓子や調味料がセレクトされた一角もユニーク。まるでカルディのよう!
1960年代から1990年ごろまでに欧米で制作されたポスターや版画
いちばん気になったのは、出口近くにあった「買える」ヴィンテージポスターのコーナー。今回は早々に売り切れてしまいそうですが、いつか欲しい……!
ヴィンテージポスターのみならず、展開アイテムは数量限定のため、お早めに~。
『ミロ展 Joan Miró』図録¥3,600
まずは展覧会図録。約100点の出品作がフルカラー掲載されています。表紙には3バージョンあって、ブルー版には「明けの明星」があしらわれています。
ポストカード各¥165
感動をコンパクトに持ち帰るには、ポストカードが欠かせません。今回は図録もあるので、控えめに3種類をセレクト。ですがもっと買えばよかった、とすでに後悔しています。
マグネット「パストラル」¥660
自分の中でおみやげの定番となっているマグネット。モチーフは、ミロがシュルレアリスム運動に参加する直前、作風を模索していた頃に描かれた「パストラル」という作品です。
手ぬぐい「グワッシュ=ドローイング」¥1,500
手ぬぐいを使う習慣はないのですが、ゆるい表情がたまらなくてつい手に取ってしまいました(全体の図案はグッズコーナー写真のディスプレイ参照)。注染手ぬぐいというものらしいです。
マグ¥2,800
手に取る前から、すでにマグカップをたくさん持っていることには気づいていましたが、気分で使い分ければいいじゃん!と自分に言い聞かせて購入。だってミロですから。モチーフは「明けの明星」。
ミロカラーキャンディ¥648
見ているだけで元気が出そうなキャンディ。こういうの、可愛くて買うのですがもったいなくて食べられないので、息子にあげる予定。寒色系は舌に色がつきそうな予感です。
ボールペン¥380
何本あっても便利なボールペンも、買いがちなアイテム。ミロの「太陽の前の人物」をイメージした配色のことですが、BICのボールペンなので自分でも作れそう!?(笑) でも側面に展覧会名がプリントされているのでオリジナルです!!
もともと家にあったポストカード(ロンドンのテート美術館で買ったもの?)と、バルセロナの空港で買った小物入れ(急に不安になりましたが、ほんとにミロなんだろうか!?)も、新入りたちの加入を喜んでいることと思います!
3月6日をはじめ、3月には関連イベントも盛りだくさん!
なお、本展の音声ガイドナビゲーターは岩田剛典さんが務めています。岩田さん、今年の3月6日に36歳になるのだそうで、あまりのベストキャスティングに驚いたと同時に、なぜかジェラシーも覚えました(笑)。語呂続きですが、3月6日限定で岩田さんによる音声ガイドを360円で借りられるそうですよ。私もガイドお供に鑑賞したのですが、とても聴きやすかったのでおすすめです。
他にも、特別企画や関連イベントが予定されているので、ぜひイベントページをチェックしてみてください。3月16日までの期間はスペインの文化を体感できるイベントが開催中とのこと。東京都美術館が位置する上野公園も気持ちが良かったので、春のお出かけにいかがでしょうか?