今年イチの名作かもしれません。Netflix配信の『ウンジュンとサンヨン』です。10代で知り合ったリュ・ウンジュン(キム・ゴウン)とチョン・サンヨン(パク・ジヒョン)の40代までの道のりを描いた作品。これが予想を反するヒューマン作品でして、本当に「▶︎次のエピソード」に進むボタンに抗えないんです。ここまでのめり込み、一気観せざるを得ない作品は久しぶり。「寝不足だけど幸せ」の精神で活動する韓ドラ班としては、こんなに心震えて涙が止まらないドラマに出合えたことに感謝しかありません。そんな名作のあらすじや見どころについて、熱く語らせてください。
※ネタバレが蔓延るため、以下要注意です。

【泣けるNetflixの韓国ドラマ】号泣のタイトルイメージ

【泣けるNetflixの韓国ドラマ】号泣案件。久々に徹夜するほど面白い韓ドラに出合った話 #深夜のこっそり話 #2309

今年イチの名作かもしれません。Netflix配信の『ウンジュンとサンヨン』です。10代で知り合ったリュ・ウンジュン(キム・ゴウン)とチョン・サンヨン(パク・ジヒョン)の40代までの道のりを描いた作品。これが予想を反するヒューマン作品でして、本当に「▶︎次のエピソード」に進むボタンに抗えないんです。ここまでのめり込み、一気観せざるを得ない作品は久しぶり。「寝不足だけど幸せ」の精神で活動する韓ドラ班としては、こんなに心震えて涙が止まらないドラマに出合えたことに感謝しかありません。そんな名作のあらすじや見どころについて、熱く語らせてください。
※ネタバレが蔓延るため、以下要注意です。

最終話は滝のような涙が流れる、ヒューマンドラマのあらすじ

2025年最新韓国ドラマ Netflix配信『ウンジュンとサンヨン』の場面写真 ト・ヨンソ

ウンジュンの小中学生時代を演じたト・ヨンソ。なんと『Sweet Home -俺と世界の絶望-』で注目を浴びたキム・シアの妹とあり、本作以降ますます話題になること間違いなし。Netflixシリーズ『ウンジュンとサンヨン』独占配信中

物語は、43歳になったサンヨンが絶縁状態のウンジュンにとあるお願いをするところから。重い病を患うサンヨンは、スイスまで一緒に来てほしいと頼みます。そう、人生を自らの手で終わらせるための手段として、安楽死を選ぶのですが、到底賛成できないウンジュン。そもそも約10年振りに連絡をしてきて、そんなことを頼める立場でもないと呆れ返り、拒絶反応を見せるウンジュンを前に、「この2人になにがあったの?」と気になって仕方ない(というか気になるように見せる演出が上手い!) ここから時は1992年に遡り、出会いは小学4年生の頃。

憧れと嫉妬。その感情をストレートに表現した10代

2025年最新韓国ドラマ Netflix配信『ウンジュンとサンヨン』の場面写真 パク・ソギョン

サンヨンの小中学生時代を演じたパク・ソギョン。『天気がよければ会いにゆきます』『結婚作詞 離婚作曲』『気象庁の人々: 社内恋愛は予測不能?!』など、あらゆるヒット作に引っ張りだこ。Netflixシリーズ『ウンジュンとサンヨン』独占配信中

働き詰めで家計を支える優しい母と弟と暮らすウンジュン。貧しいながらも温かい家庭ですくすく育ち、大きな不満もないけれど、父親がいないことや半地下での生活にも引け目を感じていたんですね。そんな時に転校して来たのが、裕福な家柄のサンヨン。容姿端麗、頭脳明晰、母は学校の先生。さらに住まいはウンジュンが憧れていた、広くて大きな窓のあるリビングと、浴室が2つある家。2人は紆余曲折ありながらも友達になるんですが、それに伴いサンヨンの心の傷がどんどん深くなっていくという。一見ウンジュンのほうがサンヨンに劣等感を抱いていそうですが実は逆で、強く、根深い。「決してこの子には勝てない、敵わない」。この感情を単なる“憧れ”だけにとどめられないのが人間のサガなのでしょうか。

サンヨンはいくら頑張っても母を喜ばせることができず、兄ばかりを優遇する態度にもどかしさを感じていたんですね。しかもなぜか母は生徒であるウンジュンには優しく、母娘のような関係性を築いている。無口な兄も、ウンジュンの前ではよく笑いよく喋る。そんな誰からも好かれるウンジュンが憧れの対象でありながらも、同時に嫉妬心が芽生えていき、この想いをまさか数十年先も抱いているとは露知らず。

2025年最新韓国ドラマ Netflix配信『ウンジュンとサンヨン』の場面写真 ト・ヨンソ、キム・ジェウォン

本作のキーとなるのは、カメラと、サンヨンの兄チョン・サンハク(キム・ジェウォン)の存在。Netflixシリーズ『ウンジュンとサンヨン』独占配信中

10年振りに大学で再会。友情に大きな亀裂が入る20代

2025年最新韓国ドラマ Netflix配信『ウンジュンとサンヨン』の場面写真 キム・ゴウン

Netflixシリーズ『ウンジュンとサンヨン』独占配信中

(ネタバレが過ぎるので省きますが)突如引っ越したサンヨンと連絡が取れなくなり10年。ウンジュンは希望の大学に入学し、写真サークルの先輩キム・サンハク(キム・ゴヌ)と交際中なのだけれど、その経緯もまた心が痛く……。そんななか2年生になった頃、思いがけずにサンヨンと大学で再会を果たすという。1学年下として入学したサンヨン。なぜ音信不通だったのか、これまでどう過ごしていたのか、その謎は少しずつ解けていくのだけれど、この辺りからもう涙腺が緩んで仕方ありません。

2025年最新韓国ドラマ Netflix配信『ウンジュンとサンヨン』の場面写真 パク・ジヒョン

『ユミの細胞たち』以来の再共演となるゴウンとジヒョン。2人のケミが圧巻で、物語がグッと“リアル”になっていく。Netflixシリーズ『ウンジュンとサンヨン』独占配信中

裕福な暮らしから一転。小さな風呂トイレなしボロアパートに住み、幾つものバイトを掛け持ちするサンヨン。少しでも力になりたいと望むウンジュンは家庭教師の仕事を紹介したり、シェアハウスを提案したりと一生懸命。ともに暮らすようになり、以前のように仲睦まじい関係を保てると思ったけれど、現実はそう簡単ではなく。また少しずつ2人の距離に溝ができていくんですが、この過程が本当に繊細で、再共演のゴウンとジヒョンの演技力はもちろん、脚本がとにかく秀逸で心に刺さるんです。

「ただ好きなだけならよかった。憎かった」。この台詞が、ウンジュンとサンヨンの関係性の軸になっていると思います。最も好きで憧れ、嫉妬し、憎んでしまう。複雑な感情をコントロールする術があればいいのに。

もし先輩が“サンハク”という名前でなかったら。同じ人を好きにならなかったら。サンヨンがプライドを捨てて弱さを見せていたら。ウンジュンがあの電話に出ていたら。結果は変わっていたかもしれない。そして一縷の信頼関係まで崩れ去るような出来事が、2人を絶縁状態に導くという残酷な展開に。

2025年最新韓国ドラマ Netflix配信『ウンジュンとサンヨン』の場面写真 キム・ゴウン キム・ゴヌ

雰囲気が変わりすぎて気づけなかったのですが、あの強烈な復讐劇で大ヒットを飛ばした『ザ・グローリー 〜輝かしき復讐〜』の悪役を演じていたキム・ゴヌ! 今回のサンハク先輩の役がハマりすぎていたので、次作にも期待!! Netflixシリーズ『ウンジュンとサンヨン』独占配信中

30代、仕事の現場で再会。もはや修復不可能な関係に

2025年最新韓国ドラマ Netflix配信『ウンジュンとサンヨン』の場面写真 パク・ジヒョン

Netflixシリーズ『ウンジュンとサンヨン』独占配信中

これが8話までの流れ。9話以降は30代のウンジュンとサンヨンが描かれます。映画会社のプロデューサーとして働くウンジュンの前に、共同プロデューサーの立場でジョインしたサンヨン。またしても10年振りの再会です。一連のアクシデントに激怒したウンジュンは退職届を突きつけるものの、妥協点を見つけながらともに映画『グッドマン』を制作することに。ここでさらに、撮影監督となったかつての恋人キム・サンハク先輩とも再会し、一緒に仕事をするという苦しい展開。どうしてもウンジュンを目で追ってしまうサンハク先輩。少しずつ先輩への信頼を取り戻していくウンジュン。そんな2人を認めて応援することができないサンヨン。

2025年最新韓国ドラマ Netflix配信『ウンジュンとサンヨン』の場面写真 キム・ゴウン

Netflixシリーズ『ウンジュンとサンヨン』独占配信中

衝突し合いながらもなんとか映画制作を続けるなか、2人の関係性を修復不可能なところまでもっていく出来事が。サンヨンの選択、言動、すべてが理解できないウンジュンと、「あなたが平気なのは嫌。壊れてほしい、私みたいに」と感情の矛先が彼女に向いてしまうサンヨン。「あなたをそれだけ孤独にしたのは、あなた自身だよ」「プライドの高さが周りを捨てていく。結局誰からも見放される」と言葉を残して決別。もう二度と会うことはないと思っていた10年後。映画プロデューサーから作家に転身したウンジュンの元に、再びサンヨンが現れるという。

43歳で最後の再会。「自ら選択すること」の重みが心にのしかかる

2025年最新韓国ドラマ Netflix配信『ウンジュンとサンヨン』の場面写真 パク・ジヒョン

Netflixシリーズ『ウンジュンとサンヨン』独占配信中

「あなたを好きなことも、憎いことも、つらかった」。サンヨンのこの言葉がすべてで、言語化できない感情に加えて、サンヨンに降りかかる現実があまりにも重すぎる。自分にはウンジュンしかいなくて、唯一まだ謝ることができる存在で。最後の瞬間をともにしたい人に、ようやく素直になれたのは病気が発覚してからなんて、あまりにも悲しすぎやしないか……と視聴者としては肩入れしてしまう気持ちもあるけれど、ウンジュンの立場で考えてみたら、あまりにも身勝手なサンヨンをどう思うだろうか。許せるだろうか。一緒にスイスに行けるだろうか。この作品を観て、改めて人間の感情の複雑さや、脆さを痛感した気がします。

「嫌いなのは心に残らないからいいけど、憎いのは残るからつらい」など、ソン・ヘジン作家(『空から降る一億の星』など)の紡ぐ言葉の節々に気づきがあって、頭から離れない。

ウンジュンを蹴落として手に入れた地位と名誉。百想芸術大賞を受賞するような映画会社の社長で、高級エリアにビルを所有するようになっても、結局サンヨンにはなにも残っていないんですよね。ウンジュンただひとりを残して。

2025年最新韓国ドラマ Netflix配信『ウンジュンとサンヨン』の場面写真 キム・ゴウン

制作発表会で涙したキム・ゴウン。実は撮影時期に親しい友人を2人失ったという彼女。ウンジュンを演じながら、どんな想いで本作の撮影をしたのか。色々考えながらまた涙が……。Netflixシリーズ『ウンジュンとサンヨン』独占配信中

この作品のなにがすごいって、人間の感情や欲望の美しさと汚さを両軸でしっかり描いているところや、ジェンダー問題、生の尊厳といった社会問題に真っ向から向き合っている点。いかなる手を尽くしても抗えない結末を知っていて、「自分が自分であるうちに」人生を終わらせたいと願うことは、冒涜に値するんだろうか。

果たしてウンジュンとサンヨンはどのような選択をするのか。昔のように友達になれるのか。その終着点はドラマでご確認ください。間の使い方、役者の表情、OST、演出が素晴らしく、到底言葉では語り尽くせない魅力の宝庫なので、ぜひ本編で感じてみてほしい。全15話ノンストップ必至です。加えて涙腺が崩壊しますので、タオルの準備をお忘れなく(すでに鑑賞2周目中ですが、今年中にあと1周はしたい)。

今回紹介したドラマはこちら!
Netflix 韓国ドラマ2025年最新『ウンジュンとサンヨン』 場面写真

作品名:『ウンジュンとサンヨン』
配信先:Netflix
話数:全15話
出演者:キム・ゴウン、パク・ジヒョン、キム・ゴヌ他
Netflixシリーズ『ウンジュンとサンヨン』独占配信中

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エディターKISHI

ハマり癖のある、いわゆるミーハー。愛犬と過ごす時間と、韓国ドラマ鑑賞が生きがい。主にファッションとセレブを担当していますが、美容ネタも大好物。

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