今年も例年を上回る猛暑になるようで、あのうだるような暑さを思い出し早くも辟易しています。フェスに花火に海にプールと夏はイベントが目白押しなのに、人より暑さに弱いせいでどれも今一つ楽しめずに来ました。ですが、そんな私にも数少ない夏の楽しみがあります。それがフランスの紅茶専門店マリアージュフレールから夏の間販売される、フレンチサマーティー。夜寝ている間に水出ししておくと、翌朝には至高のアイスティーが出来上がります。
今年もフレンチサマーティーの季節がやってきました
マリアージュフレールと聞くと、あのクラシックな黒の紅茶缶を想像する方が多いのではないでしょうか。1854年に創業し、500種類以上の品ぞろえのあるフランスで最も歴史の長い紅茶専門店です。夏の期間だけ販売されるフレンチサマーティーのシリーズは、2024年は全24種類。缶ではなく薬瓶のようなデザインの重厚なガラス瓶にたっぷりの茶葉がおさめられており、紅茶、緑茶、青茶にルイボスなど、ベースの茶葉にマリアージュフレールならではのフレーバーが施された、香り高くみずみずしいラインナップです。
手間なし、失敗なし、美味しい!
おおざっぱな性格ゆえ、温かい紅茶を自分で淹れる時、ついうっかり何かに気を取られた隙に時間を置き過ぎて渋くなってしまったり、理想の味わいに仕上がらなかったりとがっかりした経験があります。ですがこのフレンチサマーティーはそんな心配も無用。作り方は蓋一杯分の茶葉に水1ℓと非常にシンプル。量りがなくても大丈夫。瓶の蓋いっぱいに茶葉を入れると、それがおよそ8~10g(茶葉の種類により変わります)になるよう設計されているのです。これで量るのが面倒という問題もクリア。さらに専用のティーバッグが10枚セットで付属されているので、ボトルさえあればもう、明日の朝には味わい深いアイスティーが楽しめます。もちろん、お好みで茶葉を多めにしてもOK。
ちょっと嬉しいポイントが、このティーバッグがプラスチック系の素材ではなく紙製であること。市販のティーバッグより少しリッチな分厚さと手触りのよさに品格を感じます。瓶の蓋に茶葉をすくって、付属のティーバッグに入れ、ボトルに水1ℓと一緒に入れ冷蔵庫で一晩。これだけのステップで朝には美味しいアイスティーの出来上がりです。
明日の自分のためのいたわりの儀式
仕事を終え、家事も片づけ、蒸し暑さにやられて疲れきって寝る前に、明日の朝の自分のためにお気に入りの茶葉を選んでアイスティーを仕込むという行為は、セルフラブというといささか大袈裟かもしれませんが、自分をいたわる儀式のように感じます。疲れた心を癒して、明日も少しでも機嫌よく過ごせるようおまじないをかけるような、自分のための特別なルーティン。翌朝目覚めて冷蔵庫からボトルを取り出すと、昨晩のおまじないがさっそく効いているかのようにいい気分になります。お気に入りの一軍グラスから今日の気分で一つ選び、注いだアイスティーを口元に運ぶと、鼻を突き抜けるみずみずしくて爽やかな茶葉の香りに気づきます。一口含むと、水出しとは思えないほどの奥行きと深い味わいに、思わず喉を鳴らして飲んでしまう。じっとりした蒸し暑さを忘れることはできなくても、一日の始まりにとても前向きな気持ちが完成します。
コロナ前頃から愛飲していて、当時に比べると価格も上がってきてつらいのですが、苦手な夏の数少ない楽しみであるフレンチサマーティー。何度かの夏を経て、全種類を集めるのが目標です。