「骨格をこのうえなく美しく見せる“七種の神器”。
立体感アディクトの私には欠かせません」
「その人の個性を活かしつつ、きれいを引き出すために。 メイクアップでは骨格感を際立たせる光と影のさじ加減を、何より大切にしています。 それを自然に息づかせる美しい肌づくりも、同じくらい重要。 この7つは使い方次第で、顔のつくりを土台から変えてくれるかのようです」
耕 万理子さん(メイクアップアーティスト)
外資系化粧品ブランドにてシニア アーティストとして活躍した後、2013年に独立。 多くの顧客と対話してきた経験を活かし、モードとリアルを絶妙に融合したメイクアップを得意とする。
WELEDA
カレンドラ ベビーフェイシャルクリーム
「撮影時のスキンケアは絶対にこれ。赤ちゃんにも使えるやさしい処方で、敏感肌の人でも肌荒れの心配がない。そしてバスタイム直後のようにもっちり潤った肌になる。マッサージしながらなじませると、ゴワついた肌もどんどんほぐれてゆくのがわかります。『自分でも買う』とメモしてゆくモデルも多いですよ。保湿と今の肌づくりに不可欠なツヤめきの両方がかなって、化粧水後のスキンケアはこれ1 本で十分」。肌に保護膜をつくり、ベストな水分量をキープ。(50㎖)¥2,400/ヴェレダ・ジャパン
PLAYLIST
スキンテクスチャーヴェール ルミナイジング
「ジェル状ハイライトとは目からウロコ。水のヴェールをかけたような光沢に惚れ込みました。近くで見ても本当に自然で、この肌との一体感はほかの形状ではありえません。メイクの上からのせればみずみずしくデュウイーに、先に仕込んでパウダーをかければさりげないツヤ肌に。"化粧上地" という触れ込みのアイテムですが、仕上がりのイメージに合わせて使い分けています」。こちらは繊細なパール入り。定番のクリアタイプも。(26g)¥4,500(編集部調べ)〈限定品〉/資生堂インターナショナル
MARY QUANT
フェイスファイナル 02
「どんな年齢のモデルに使っても粉浮きしない、驚異のフェイスパウダー。ファンデーションでお直しするとどうしても厚塗り感が出てしまいますが、これなら何度重ねても大丈夫。皮脂が出やすい部分に軽くはたいておけば、くずれ予防にも効果的です。変にキラキラしないシアーな仕上がりも、肌の透明感を増してくれるよう。しかもそれが長時間持続するから、すごい」。肌の凹凸をソフトフォーカスして、軽やかにカバー。¥3,500・コンパクト ¥1,800/マリークヮント コスメチックス
DECORTÉ
AQ ライトフォーカス SP002
「肌にのせるもので唯一、"盛り"ではなく"抜け"の効果が得られるのがハイライト。特に目頭にのせるそれは女性らしい隙や余裕を演出してくれるので、エッジィなメイクの日にこそ欠かせません。こちらは柔らかなブラシで目頭に『く』の字にのせると、驚くほど表情があか抜ける。肉眼ではほとんどわからないのに、白目をクリアに見せて肌全体をトーンアップしてくれます。のせた瞬間、皆笑顔になるのが印象的です」。偏光パールが瞬く、肌なじみを計算し尽くしたコーラルベージュ。
¥3,500/コスメデコルテ
M・A・C
プロ ロングウェア ペイント ポット(グラウンドワーク)
「生まれながらのように彫り深い目もとをかなえるクリームシャドウ。どんなアイメイクをするにも九割方使いますね。グレイッシュなピンクブラウンとでも呼びたい、あたたかでくすみのない影色が絶妙。まなざしをきつく見せることなく、骨格をクッと掘り起こしてくれるかのようです。ポイントはブラシに取ったら手の甲で量を調整し、つけすぎないこと。単色ではもちろん、ベースにすれば重ねるどんな色も自然になじんでつけこなしやすく」。ヨレにくさとメイクもちにも定評あり。¥3,000/M・A・C
Yves Saint Laurent
クチュールコントゥーリング 2
「シェーディングに苦手意識を持つ人も多いですが、これなら誰が使っても失敗せず、キュッと締まった小顔に見えるはず。左のロージィなベージュがどことなく体温を感じさせて、とにかくナチュラルです。柔らかく細長いチークブラシに取り、耳の横から口角の方向へのばし、頰の中央に差しかかったらフェードアウトさせて。さらに右のペールローズで肌との境目をなじませれば、未知のメリハリが」。マットとクリーミ ィ、ふたつの質感を重ねることでリアルな立体感を演出。¥7,000/イヴ・サンローラン・ボーテ
CLARINS
ダブル フィックスマスカラ
「本来はマスカラの落ちを防ぐトップコートですが、私はマスカラ下地として使用。もともとまつ毛が下がりぎみの人でも、これをつけておくとメイクしたてのカール感が1㎜たりともくずれない。ビューラーをかけ直さなくてよいので、まつ毛が折れたり抜けたりする心配もなくなりました。まつ毛がしゃんとしていると顔そのものまで美しく立体的に見えるのだと、実感させられる逸品」。オレンジフラワーワックスが、毛のしなやかさを保ちつつ汗や皮脂からガード。¥3,400/クラランス
●About issue●
美容プロの「一生添い遂げたい」きれいの名品総ざらいー美容家、メイクアップアーティスト、ビューティエディター。 数えきれないほどのコスメティックを目にし、常に美を発信する彼女たちこそ、トレンドや目新しさに左右されない真実の名品を知っているはず。 だからこそ聞きたい、それそれが本音で選ぶ、永遠のビューティ・スタンダード。「本当は誰にも教えたくない」――。ふいにこぼれた呟きが、その真価を物語る。
SOURCE:SPUR 2017年1月号「SPUR BEAUTY STANDARDS」 photography:Masahiro Sanbe styling:Miwako Tanaka edit:Yukiko Ogawa
着たい服はどこにある?
トレンドも買い物のチャンネルも無限にある今。ファッション好きの「着たい服はどこにある?」という疑問に、SPURが全力で答えます。うっとりする可愛さと力強さをあわせ持つスタイル「POWER ROMANCE」。大人の女性にこそ必要な「包容力のある服」。ファッションプロの口コミにより、知られざるヴィンテージ店やオンラインショップを網羅した「欲しい服は、ここにある」。大ボリュームでお届けする「“まんぷく”春靴ジャーナル」。さらにファッショナブルにお届けするのが「中島健人は甘くない」。一方、甘い誘惑を仕掛けるなら「口説けるチョコレート」は必読。はじまりから終わりまで、華やぐ気持ちで満たされるSPUR3月号です!