本誌美容エディターが選ぶ、マイ・スタンダードー
SPURビューティ担当4名が選ぶ、名品たち。さまざまなテーマに合わせて、昼夜コスメティック探しに奔走。 発表会や撮影でさまざまなプロダクトに接したなかから、コアな視点でセレクトした。その思いの丈を熱く語る。
Maison Francis Kurkdjian Paris
ア ラ ローズ オードパルファム
「もともと薔薇の香りは少し苦手だったのですが、このフレグランスは別格。初めてかいだ瞬間から、クリーンで透明感あふれる嫌みのないローズノートに心を奪われました。さりげなさと存在感の境目を捉えた調香は、さすがクルジャン。男顔なうえにシャープな服装が多い私に、この香りがそっとフェミニニティを添えてバランスをとってくれるような。見えないアクセサリーとも呼べる存在です」(編集A)。 レモンやベルガモット、ラストのシダーが薔薇の調べにシャープな知性を醸して。(70㎖)¥26,000/ブルーベル・ジャパン
Les Merveilleuses LADURÉE
ミニ プレスト チークカラー 05
「熱き血潮を思わせる鮮やかな赤は、チークにこだわりのあるブランドならではの発色。赤いチークというと幼い印象になるかと思いがちですが、つけてみると実に自然。薄い皮膚から毛細血管がうっすらと透けているような、繊細な彩りにぐっときます。黄みにくすみがちな私の肌も、これをつけると白く冴えわたって見える気が。寝不足の朝には特にかかせませんね」(編集M)。モバイル力に優れた小さなチークは、粉浮きを防ぐフィットパウダー入り。パウダリーローズの香り。¥2,500/レ・メルヴェイユーズ ラデュレ
GIVENCHY
ルージュ・アンテルディ・テンプテーション 16
「『黒!?』と驚くことなかれ。唇のpHに反応して色が変わるルージュは、本来の血色を少しだけ強めたような仕上がりが絶妙。レッドリップよりむしろやわらかな印象になるので、メイク感は出したくないけれど唇に彩りが欲しい日にぴったりです。ほのかなツヤが出て顔全体のくすみが目立たなくなり、セダクティブな表情に。鏡を見なくてもさっと塗り直しができる手軽さもありがたいです」(編集A)。ほかのルージュに重ねてニュアンスチェンジすることも。¥4,000/LVMHフレグランスブランズ(パルファム ジバンシイ)
BURBERRY
バーバリーキス シアー 293
「ダークな色みにシアーな質感のギャップがたまらなく魅力的。夏のTシャツにつけてもトゥーマッチにならず、冬のローゲージニットにつけても軽すぎない。どんなファッションにもしっくりくる293は、洋服を知り尽くしたファッションメゾンならではのカラーだな、と。季節やトレンドが変わってもこれだけは常にポーチに入れておきたい、タイムレスなレッドルージュに認定です」(編集M)。7 種類ものリップアイテムを展開するバーバリー。シアータイプはなめらかな唇を印象づける光沢感が魅力。¥3,600/バーバリー(化粧品)
RMK
Wカラーマスカラ 01
「ピンクならではの可愛げがあって、でも決して子どもっぽくは見えずにモードなアクセントになる。そんなカラーマスカラは、後にも先にもこの一本だけ。ひと塗りでまつ毛の根元から毛先までムラなくつくので、逆側のブラックは密度を出したい日に最適です。プレイフルなまなざしによってスタイルの可能性はさらに広がると、教えられた一本」(編集I)。ピンクの側は小回りの利くミニブラシで、目尻や下まつ毛も塗りやすい。ブラックの側はボリュームアップ効果に優れたカーブブラシを採用。¥4,000/RMK Division
ADDICTION
オイルクレンジング アディクション
「たとえるなら"一日の終わりの肌への最高のご褒美"。ジュニパーベリーとゼラニウムローズの香りに包まれると、メイクアップとともに一日の疲れがほどけてゆくのがわかります。油膜感なしに頑固なマスカラやアイラインも落とせるのに、後肌の心地よいことといったら! 開発に3年を費やしたというのにも納得できる洗い上がりです。『メイクアップには最後まで責任を持ちたい』。そんなAYAKOさんのスピリットを体現する逸品」(編集G)。7 種の植物オイルを配合した、W洗顔不要タイプ。(150㎖)¥3,500/ADDICTION BEAUTY
HERMÈS
ギャロップ ドゥ エルメス ピュア パフューム ナチュラルスプレー
「ミニマリズムからファッションが移行し、時代が女性らしい方向に進んでいる今。それを体現する強くて媚びないネオフェミニズムを語るうえで、ローズとレザーの組み合わせは理想的。ひとつの香りをつくるのにじっくり歳月をかけたというのも、エルメスならではの時間の概念と美学を感じます。調香師であるクリスティーヌ・ナジェルの、単独発表ではエルメスで一作目となる名香」(編集G)。エルメスのレザー素材のなかでも特に稀少なヴォー・ドブリスにインスピレーションを得て。(50㎖)¥33,900/エルメスジャポン
BVLGARI
オ・パフメ オーテブラン リレッシングタオル
「個袋の中身はほのかに香るウェットティッシュ。数年前にファッションエディターの方に教えていただいて以来、自分用としてもギフトにも欠かせなくなりました。長時間のフライトでリフレッシュしたいときや、旅先のホテルで使って残り香を楽しんだり。普通のウェットティッシュだと匂いが鼻につくことがあるのですが、これなら使うたびにリラックスした幸せな気持ちに」(編集A)。白茶とあたたかみのあるウッディ、フローラルのハーモニーは、甘くやわらかな調べ。12g×15本 ¥6,100〈店舗限定品〉 /ブルガリ パルファン事業部
MENARD
エンベリエ リフレッシュマッサージ
「メイクオフのあともいっさい乾燥を感じさせずにむしろ潤う、"スキンケアクレンジング"の言葉を体現する効果実感。稀少な霊芝を2種類も配合しただけある、圧倒的な保湿力に脱帽です。マッサージクリームとして使っても、絶妙な厚みで肌を思いのままにほぐしやすい。季節の変わり目には皮がめくれるほど乾燥することもあるのですが、これを使い始めてからその頻度も減って調子がいい」(編集M)。古くから健康によいと伝えられてきたキノコ、霊芝に類いまれな美肌効果を見いだし、そのエキスを配合。(160g)¥20,000/メナード
CHANEL
レ キャトル オンブル 268
「グローバル クリエイティブメークアップ&カラーデザイナーに就任したルチア ピカ本人がまとっている姿がなんとも素敵で。手に入れて以来、こればかり使っています。ノンパールに徹したモードな佇まい。若づくりしていない、シャネルならではの赤。そして赤以外の色にも血色を感じさせるアンダートーンが入っているのが決め手。エッジィにも、ラグジュアリーにも。誰でも上品で色っぽい表情になれます」(編集G)。赤をテーマにしたルチアのファーストコレクションのシグネチャーアイテム。¥6,900/シャネル
PAUL & JOE
ウォータープルーフ アイブロウ ライナー
「0.97㎜の芯の細さはシャープペンシル並み。植毛するかのごとく眉毛を一本単位で描き足せるのが、眉尻の薄い私には本当にありがたい。汗や皮脂、こすれにめっぽう強く、繊細なのに落ちないという点でも信頼感抜群です。ポーチにこれを入れ忘れたら取りに帰るほど、ないと不安な気持ちになりますね」(編集I)。肌なじみのよいオイルと密着感に優れたオイルをベストバランスで配合。スルスルとなめらかに描けるのに、ひとたび乾けばピタリと密着して描き立ての眉がくずれない。全3色 ¥2,500/PAUL & JOE BEAUTE
FLOWFUSHI
モテマスカラ リペア Cm-R(コームタイプ)
「まつ毛そのものが濃くなったような繊細な仕上がりを求めるなら、このマスカラの右に出るものはなし。毛の一本一本をセパレートして『つけてます感』なく美しく整え、表情そのものまでグッと洗練されます。エイジングケア成分配合という攻めの姿勢も見逃せないポイント。マスカラを忘れた先輩に貸したら次の日さっそく購入していて、その実力を改めて痛感」(編集I)。日本の伝統工芸である貝塚市のくし職人と共同開発した"意匠コーム"。まつ毛をシャープに研ぎ澄まし、漆のようにツヤめかせて。¥1,800/フローフシ
●About issue●
美容プロの「一生添い遂げたい」きれいの名品総ざらいー美容家、メイクアップアーティスト、ビューティエディター。 数えきれないほどのコスメティックを目にし、常に美を発信する彼女たちこそ、トレンドや目新しさに左右されない真実の名品を知っているはず。 だからこそ聞きたい、それそれが本音で選ぶ、永遠のビューティ・スタンダード。「本当は誰にも教えたくない」――。ふいにこぼれた呟きが、その真価を物語る。
SOURCE:SPUR 2017年1月号「SPUR BEAUTY STANDARDS」 photography:Masahiro Sanbe styling:Miwako Tanaka edit:Yukiko Ogawa
着たい服はどこにある?
トレンドも買い物のチャンネルも無限にある今。ファッション好きの「着たい服はどこにある?」という疑問に、SPURが全力で答えます。うっとりする可愛さと力強さをあわせ持つスタイル「POWER ROMANCE」。大人の女性にこそ必要な「包容力のある服」。ファッションプロの口コミにより、知られざるヴィンテージ店やオンラインショップを網羅した「欲しい服は、ここにある」。大ボリュームでお届けする「“まんぷく”春靴ジャーナル」。さらにファッショナブルにお届けするのが「中島健人は甘くない」。一方、甘い誘惑を仕掛けるなら「口説けるチョコレート」は必読。はじまりから終わりまで、華やぐ気持ちで満たされるSPUR3月号です!