コスメティックは未来を変えられるか？＜Vol.2＞現代人の救世主「CBDオイル」

美容や健康だけでなく、社会と人とのつながりまでも変革する可能性を秘めたコスメにフォーカスする新連載。第2回は、頭痛や肩こり、不眠など心身への多彩な効果によって全米で大ヒットしている「CBDオイル」。大麻草由来だというその未知の成分にフォーカス！

　ウェルネス志向への注目が高まる中、今もっとも目が離せないナチュラル成分といえば、大麻草由来の「カンナビジオール（CBD）」だろう。飲んでよし、塗ってよしのCBDオイル。支持される理由は、体内感覚のバランスを取り戻し、鎮静するそのヒーリング効果にある。CBD先進国のアメリカでは「頭痛や肩の痛みが軽くなった」「眠りが深くなった」「疲れがとれる」など、ストレスフルな現代人を癒すマルチな働きぶりで注目されているのだ。

　アメリカの一部の州で2018年に解禁されたのがきっかけで、オーガニックからラグジュアリーまで、あらゆるブランドから続々と発売され話題が沸騰。日本でも昨年からぼちぼち発売されてはいるものの、「大麻草」というアブない響きからかまだブーム前夜といったところだが、全米ではセフォラやホールフーズでCBDコーナーが設けられるほどの人気なのだ。全米のCBD市場はこの3年で300％に拡大するという調査もあるほどに、その存在感は見逃せなくなっている。日本でも「ビープル バイ コスメキッチン」で4月からラインナップ拡大が予定されており、じわじわと知名度が高まりそうな予感。

　気になる安全性だが、大麻の茎や種子から抽出されるCBDはもちろん「合法」。一方、大麻の葉や穂に含まれているTHC（テトラヒドロカンナビノール）は、陶酔感や多幸感をもたらす作用のある「違法」成分。市場のCBD商品にTHCが含まれることはないが、安全性を考えて、信頼できるショップで買い求めることをおすすめしたい。

　飲むCBDは効き目に個人差がかなりある、と聞いた。まずはおそるおそる足の裏に塗って寝てみたら、珍しく一晩中目覚めることなくぐっすり。大麻の新しい可能性、試してみる価値はありそうだ。

　カンナビ初心者にまずおすすめなのは、“塗るCBD”。スキンケアのルーティーンにCBDオイルを組み込んで、肌の炎症や全身の筋肉痛や痛みをコンディショニング。「CBD デイリー」は石油由来成分や防腐剤などを使用せず、ナチュラルな成分にこだわった安心のブランドだ。ポンプタイプのボトル入りセラムは、ゆらぎがちな肌コンディションの鎮静に。また、さらっとした感触のクリームは、だるさや痛みを感じる肩や脚などの全身リリースに。

　ロールオンタイプやバームなどは、バッグに忍ばせて、気分転換やリフレッシュにいつでも気軽に活用できる“携帯CBD”。缶入りのバームはこめかみや首筋、リップケアに使って疲労をリリース。頭痛や生理痛のときなどに、こめかみや首、下腹部や腰など痛みを感じるパーツに塗るのもおすすめだ。

　そして、効果実感大の“飲むCBD”。舌下に垂らして経口摂取するタイプは、何といっても効果がダイレクトなのが特徴だ。独特の味わいが苦手な人は、ハーブティなどに入れても。気分の高ぶりや不安、ストレスを感じたとき、眠れない夜にも試してみる価値あり。高ぶった精神を鎮める一方で、集中力が欲しいとき、大事なプレゼンの前の精神力アップにもおすすめだ。体内のバランスをコンディショニングする、CBDならではの効果をストレスフルな生活の味方にしたい。

SOURCE:「The CBD Oil Heals People」By T JAPAN New York Times Style Magazine BY NAHO SASAKI, PHOTOGRAPHS BY SHINSUKE SATO APRIL 02, 2019

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