“NEOかわいい”を体現する人気4人組バンドCHAIと、世界的に活躍するメイクアップアーティスト吉川康雄さんがセッション。各メンバーの「顔の中でココが好き!」というパーツを生かしたとびきりハッピーなメイクアップを提案。私らしい、いちばん素敵で自由な顔がここにある。
KANA/お気に入りの一重まぶたをアーティに
「私が思う自分のチャームポイントはなんといっても目! このまぶたは私ならではの魅力。ピンクがきいた明るいこの色合わせも春っぽくて好き」。ポップな3色のアイシャドウでまぶたを彩り、モードなまなざしに。
TIPS
まぶた全体に目頭側からオレンジ(2)、グリーン(1の上)、ピンク(1の下)の順でアイシャドウをオン。グラデーションにせず均一になじませ、色によってのせる範囲を変えるのがグラフィカルかつラフに仕上げるポイント。
モデル使用色
1 目を引くビビッドなポップピンクとライムグリーン。時間がたってもくすまず、つけたての発色をロングキープする。
アイカラーデュオ 03 ¥2,300/カネボウインターナショナル Div.
2 偏光ゴールドとシルバーパール入りのさわやかなオレンジ。光にあたると微細パールが揺らめき、立体感も演出。
アイオープナー 033 ¥1,200/マリークヮント コスメチックス
3 オイルをブレンドしたパウダーが密着。ピンポイントで使えるショートブラシとチップもセット。
アイカラートリオ 08 ¥3,800〈5月1日限定発売〉/アナ スイ コスメティックス
4 マットなフューシャピンク。少量でも存在感を発揮して絶妙なアクセントに。重ね具合で濃淡も調整可能。
プレスド アイシャドー M 165 ¥2,500(ケース込み)/シュウ ウエムラ
MANA/眉と目もとにパワーを宿して
「しっかり生えている眉と一重まぶた。私の素を生かしつつ、大胆で思いきりのいい青の色使い。赤ちゃんみたいなツヤ肌とのバランスもかわいい」。透明感の高い2色のブルーがピュアな素材をありのままに引き立てる。
TIPS
ベビーブルーのアイライン(6の左)を目のきわに太く入れ、目尻はエッジをきかせてはね上げに。眉は同じアイラインで全体を軽く描いてから、ブルーの眉マスカラ(5)でカラーリング。毛並みは強調しすぎず自然な毛流れを生かして。
5 見たままの鮮やかな発色で眉毛一本一本をコーティング。長短2種の繊維がリアルな毛流れをもたらし、にじみにくいのにお湯で簡単にオフ可能。
クーピー柄 カラーマスカラ マリンブルー¥1,500/クレアモード
6 繰り出し式の2色が1本に。今回はベビーブルー側を使用。肌が透けるような発色でイノセントな目もとに。
ドローイングデュアルペン 01 ¥3,500/カネボウインターナショナル Div.
7 みずみずしいターコイズブルー。軽いタッチで描けて一度乾くとしっかり定着。ヨレにくく涙や汗にも強い。
プロ ロングウェア アイ ライナー マウンテンエア¥3,200/M・A・C
8 眉とまつ毛に使えるタイプ。ネイビーに近いコクのあるブルーでキリリとしたムードに。
マジックマスカラ ロイヤルブルー ¥1,500/CoCo Pure
YUUKI/顔というキャンバスを星空に
「私の顔の特徴といえば、たくさんあるホクロ。でもメイクアップに生かしたことはなかったからこの発想が新鮮!」。ホクロをひとつの星と捉え、2色のグリッターできらめく“スター”を足して。ファンタジックな星空の完成だ。
TIPS
クリアなグリッター(10)を頰全体にのばし、チャームポイントのホクロ近くにブルー(11)とピンク(12)のグリッターを指の腹でチョンとのせる。全体のバランスを取るべく、ポップな水色のアイライン(9)を目のきわに入れて引き締めて。
9 シリコンワックスがなめらかな描き心地をかなえる、涼やかなスカイブルー。
アーティストカラーペンシル 208 ¥2,600/メイクアップフォーエバー
10 ジェルベースでなじみ、ホワイト系の偏光パールできらめく濡れツヤ肌に。
エチュード ミラーホリック リキッドアイズ WH901 ¥1,250/アモーレ パシフィックジャパン
11 輝度の高いブルーラメがぎっしり。シルバーパールが沈まない発色をかなえる。
スターリットグリッター S204 ¥2,500/メイクアップフォーエバー
12 パープル系ピンク。ジュエリー級の存在感。
カラーパウダー 301 ¥2,000/アナ スイ コスメティックス
13 混ぜて使えば自分好みの色がつくれる魅惑の5色入り。密着度が高く、ラメ飛びとも無縁。
グリッターパレット GLPL-01¥940/ドド・ジャパン
YUNA/歯を引き立てるためのネオンリップ
「よく笑うからかな? 私は歯を褒められることが多くて、今では大好きなトレードマーク。完璧な歯並びではないところもまた味かなって」。鮮やかなネオンピンクのリップが、ポジティブなコントラストを実現した。
TIPS
リップ美容液を仕込んでティッシュオフし、唇の状態を整えてからネオンピンクのリップ(14)をブラシでのせる。リップブラシだと輪郭がくっきり出てしまうので、平筆のアイシャドウブラシを使うとほどよくぼかしたような仕上がりに。
14 しっとりスムースな、スエードのような質感。スルスルとのびてふんわり柔らかな唇に。
スエード マット リップスティック 13 ¥1,400/ニックス プロフェッショナル メイクアップ
15 クリーミーなテクスチャーが、唇にのばすとパウダリーに変化。ラスティング力の高さも魅力。
モダンマット パウダーリップスティック 527 ¥3,600(8月以降発売)/SHISEIDO
16 植物オイル配合で長時間唇が乾かない。品のあるルミナスマット。ワンクリックでキャップを開けるしぐさもスマートに。
ルージュ アリュール ヴェルヴェット 44 ¥4,200/シャネル
17 大胆なネオンピンク。ソフトマットな質感でくっきり色づき、エナジェティックな唇を生み出す。
リップスティック 2973 ¥3,300/NARS JAPAN
コンプレックスの正体を解き明かしてみたら――
CHAI 今日はすごく楽しかった〜!
吉川 こちらこそ。みんなマインドが自由で僕もとても刺激を受けました。
YUUKI そういう吉川さんも自由だよ。だって私のグリッターメイクアップのとき、“まずは自分の顔でテスト”と言って顔中ラメだらけに(笑)。初対面で顔中が輝いてて、わけわかんない。この人は天才って思った。
吉川 だってまずは自分で実験してみないとね。それでみんなの意見も聞きながら、一緒にメイクアップをつくり上げていきたいなって思った。
YUNA ああでもない、これがいいんじゃないかってみんなでね。そんなふうに吉川さんが、どんどんインスパイアされてる姿がとても素敵だった。こんなにもワクワク楽しそうにメイクアップする人ってなかなかいないから。
吉川 そうなの? だって楽しいじゃん、化粧って。ところでCHAIが考える美しさって何なんだろう?
YUNA う〜ん、幸せ感かな! 楽しそうに生きてる感じ。それが顔からにじみ出ちゃうのが、素敵だと思う。そんなメイクアップが理想。
吉川 いいね! メイクアップって誰のためでもない、自分のためのものだから。自分がウキウキしてテンションを上げるためのもの。自分を勇気づけて、人生を楽しむためのちょっとした小道具だと思ってる。それがもし、コンプレックスを埋めるようなものだとしたら、なんかすごく重いじゃない?
KANA わかる! 私もそれこそ昔は一重まぶたが好きじゃなくて、むしろコンプレックスでしかなかった。でもあるとき、そうやって嫌いな部分をごまかすっていうか隠すことはなんか違うなって。私だけのオリジナルを生かさないともったいないって思うように。
MANA そうだね。私もそういうマインドからシフトできたのも、CHAIを始めたからっていうのが大きいかな。なんたって、コンプレックスは愛すべきものであり、アートだから。一重まぶたって逆に自分らしい武器じゃん?って思うようになった。
YUUKI 私も今ではお気に入りのホクロが、昔は嫌いだった。体質的に多くて、ホクロのない顔に憧れてた。でもよく考えたらそれってつまんない。チャームポイントがなくなっちゃう。
YUNA 私もイマイチって思ってた大きめの歯と唇が今では大好き。
吉川 でもさ、そうはいっても実際コンプレックスを愛するってなかなか難しいことじゃない? そんな人のためにCHAIからアドバイスはある?
MANA 私は自分で自分を引き上げることを毎日頑張ってた。毎朝起きた瞬間に鏡に向かってかわいいぞ、自分って。実は今でもけっこうやってるんだけど。まずは起きたてのむくんだ顔の自分を好きになるところから始める。あとは自分を褒めてくれる人を周りに置く。それは友達でもパートナーでも家族でも誰でもよくて、自信をもらえることが、大きな一歩になるから。
吉川 大賛成。確かにCHAI自身もみんな褒め合ってるよね。
YUNA そこに恥ずかしさは不要!
吉川 僕の方法はね、まず自分の嫌いなところを全部書き出してみるの。性格でもいいよ。でね、一個一個書き出した嫌なところって、実はチャームポイントなの。ネガティブな目で見るから嫌いなだけで、見方を変えるといくらでも長所にトランスレートできる。目が小さい、鼻が低い、顔が丸いも全部そう。ネガティブな表情ですら考え方を変えれば憂いだし、色気でもある。でも過去にコンプレックスで受けた傷は消えないよ。だから無理に切り替えようとせずに、少しずつそういう訓練をしていけばいい。
CHAI だよね〜、共感!
吉川 自分は自分のオリジナル。自分に代われる人は、世の中に誰一人いないし、似ている人だっていない。そのくらい自分には価値があるんだから!
CHAI そんな次世代ビューティ最高。それが私たちの目指すところ!
吉川康雄NYを拠点に、ファッション誌やセレブリティ、広告、商品開発を手がけるメイクアップアーティスト。新著『あなたは美しい。その証拠を今からぼくたちが見せよう。』(大和書房)が5月に発売予定。
CHAI “コンプレックスはアートなり”というコンセプトを掲げる、KANA、MANA、YUUKI、YUNAの4人で構成されるニュー・エキサイト・オンナバンド。3月に新曲「NO MORE CAKE」をリリース。
SOURCE:SPUR 2020年6月号「もっとかわいくなっCHAIな! 」
model: CHAI photography: Kodai Ikemitsu〈TRON〉(model), Keisuke Konno( product) make-up: Yasuo Yoshikawa hair: Miho Emori〈KiKi inc.〉 styling: Yuuka Maruyama〈makiura office〉 edit: Chie Yasui