マスク必須の影響からか、長く続いたツヤ至上主義時代が終焉。さらりときめ細かなマット質感の肌づくりがリバイバルしている。そこに合わせたいのは、丁寧にめかしこんだマットフィニッシュのメイクアップ。その人の美しさを最大限に引き出す術を紹介しよう。
ふんわりマット肌に合わせるミニマルな色使い
肌なじみのいいブラウンシャドウとシックなローズブラウンのリップをまとったシンプルなメイクアップ。ベースにマットな肌があれば上質なムードが漂う。ツヤをレスした肌は疲れて見えるのでは?という心配は無用。ファンデーションを薄膜に仕立てると潤いを内包した若々しいふわ肌に。
究極のマット肌はこうつくる
マットなベースメイクアップを完成させる基本のプロセスをレクチャー。ひと手間かけて毛穴レス肌を仕込み、ファンデーションは薄膜にすることでモダンな仕上がりに。
ザ スキン バーム(7g)¥3,850/アナ スイ コスメティックス
ドラマティックスキンセンサーベース EX UV+ トーンアップ SPF50+・PA++++(25㎖)¥2,860/マキアージュ
アドバンスドエシリアルスムースオペレーター フルイド ファンデーション SPF40・PA++ 全8色(30㎖)¥8,800/THREE
ディオールスキン フォーエヴァー クッション パウダー フェアー¥7,700/パルファン・クリスチャン・ディオール
MAKE-UP ITEMS
ザ アイシャドウ アンポリッシュ ジェム 102 ¥2,750〈5月21日限定発売〉/ADDICTION BEAUTY
ルージュ ディオール フォーエヴァーリキッド 820 ¥4,950/パルファン・クリスチャン・ディオール
毛穴レス陶器肌に、あでやかな白と赤のアクセント
スキのない陶器肌こそ、ノーファンデーションで仕上げてみよう。毛穴レス下地とコンシーラーでスムースに整えたら、プレストパウダーで全体にシフォンのようなヴェールを。薄膜に仕上げるのでホワイトのアイシャドウや赤のチーク&リップがクリーンに映え、ドレスアップしたスタイルにもマッチ。カラーメイクアップを盛るなら、肌づくりは引き算して仕上げるのが鉄則。
マット肌に整える下地(1)を塗り、コンシーラー(2)で目の下と口まわりをカバー。プレストパウダー(3)をブラシでひとはけして。眉はグレーのペンシル(4)でクラシカルなアーチ形に描き、目もとはアイホールにホワイトのアイシャドウ(5)をのせ、6で目尻長めにラインを。7のチークは頰の高い位置になじませ、リップは8を指でトントンと色づけて輪郭もふんわりと。
1 みずみずしいウォーターベースでなじみ、サラサラ肌をキープ。毛穴や小ジワなどの凸凹をフラットに。
シンクロスキン ソフトブラーリング プライマー(30g)¥4,620/SHISEIDO
2 のびがよく、薄膜でクマや色ムラをしっかりとカバー。ミネラルと植物由来成分でつくられ、肌へのやさしさも追求。
オリジナル ミネラル コンシーラー 全6色 ¥3,960/ベアミネラル
3 均一にフィットし、粉っぽさを感じさせずに透け感のある薄膜をオン。コンパクトの下側に幅広のブラシを内蔵。
トランスルーセント セッティングパウダー¥5,500/コスメデコルテ
4 一本一本描き足すのに便利な1.5㎜の細芯。ウォータープルーフ&皮脂プルーフでくずれに強いのも魅力。
アイブロウ ペンシル 01 ¥605(編集部調べ)〈5月16日発売〉/コーセー
5 混じり気のないピュアなマットホワイト。赤リップを新しくモダンな表情に見せてくれる。
プレスド アイシャドー M ホワイト 907 B ¥3,190(セット価格)/シュウ ウエムラ
6 フェルトタイプの筆で太さが自在にコントロールでき、濃密に発色する漆黒のリキッド。こすれにも強く、鮮やかさが持続。
ル ライナー ドゥ シャネル 512 ¥4,730/シャネル
7 目もと、チーク、リップに使えるマルチカラーを頰に。クリーミーになじんで後肌さらり。
ファシオ マルチフェイス スティック 01 ¥990(編集部調べ)〈5月16日発売〉/コーセー
8 ピグメントを高濃度で配合し、鮮烈に発色するディープレッド。エモリエントオイルを25%含み、唇の潤いも保つ。
ルージュ ピュールクチュール 21 ¥4,730/イヴ・サンローラン・ボーテ
フォギー肌に桃色をじわり
ぬくもりのあるフォギー肌には、コーラルやピンクのやわらかい血色をにじませたワントーンメイクアップで可憐に。繊細なカラートーンを生かすべく、パウダーファンデーションとパウダーハイライトで透明感を底上げしておくのがポイント。シュガーカラーが際立つロマンティックなビジュアルは、触れたくなるようなふわふわのベースメイクアップがカギに。
なめらか肌へと導く下地(9)をのばしたら、パウダーファンデーション(10)のベージュを全体になじませ、目まわりのみ上側のハイライトをのせてトーンアップ。目もとは11をアイホールと下まぶたに。12のチークは頰の中央に幅広くぼかし、リップは13をじか塗りして。ネイルは涼やかな2色(14)を爪の先端にちょんとラフにのせ、桃色メイクアップとのコントラストを。
9 美容液のようなテクスチャーでしっかりと潤いを与えながらきめを整え、毛穴をカムフラージュ。花粉や大気中の汚染物質による刺激からも素肌を守る。
ヴォワールマティフィアンリサン SPF25・PA++(40g)¥7,150/クレ・ド・ポー ボーテ
10 しっとりと軽やかにのびるファンデーションと、くすみを払拭しながら透明感を底上げする微細パール入りのハイライトをセット。
コンプリートフィット パウダーファンデーション SPF25・PA++ 全9色 ¥10,450(セット価格)/Amplitude
11 暖かみのあるローズコーラル。マットな質感でじんわりとやさしい血色感をまぶたに宿す。上まぶたは黒目の上側に置いてから左右にスワイプしてメリハリを意識。
ケイト ザ アイカラー 058 ¥715(編集部調べ)〈5月1日発売〉/カネボウ化粧品
12 "追憶"という色名のノスタルジックなベビーピンク。植物由来のアミノ酸系保湿成分が肌をいたわる。クリームは柔らかく広がり、のばした後はパウダリーな質感に変化。
オサジ ニュアンス フェイスカラー 03 ¥2,750/日東電化工業
13 潤いを内包したソフトな質感。リップはチークと同系色でまとめて統一感を出して。ほんの少し全体をオーバーに描いて、ふっくらとした唇を演出。
カネボウ N-ルージュ 160 ¥4,400〈5月7日発売〉/カネボウインターナショナルDiv.
14 ミルキーなペールトーンのライラックとブルー。初夏のムードを先取りしたひんやり発色は、爪先端に使ってもちょうどいいアクセントに。
ネイルポリッシュ(右から)EX-41・EX-40 各¥1,650〈ともに6月21日限定発売〉/RMK Division
ピタサラ肌を土台に色で遊ぶ
グラフィカルなアイシャドウが目を引くカラーメイクアップには、パウダーファンデーションを。素肌の延長のようにフィットしたセミマット肌が好相性だ。シアーな質感の肌をキャンバスにすれば、グリーン×ラベンダーの目もとはもちろん、ビビッドなオレンジリップの遊び心ある発色が存分に生きてくる!
つるんとしたシルク肌に仕上げる下地(15)をのばし、パウダーファンデーション(16)は内側から外側に。目もとは17のグリーンを目頭から黒目上までアイホールのくぼみに沿って入れ、下まぶたは中央から目尻に。ラベンダー(18の右から2番目)は目まわりをぐるりとマークするようにグリーン以外の部分にのせる。リップは19をじか塗りしてティッシュオフ。
15 ベタつきのないクリーミーなバームが体温でとろけ、つるりとしたむき卵のような均一膜を形成。透明なまま素肌になじみ、ソフトな光の効果で厚塗り感なく毛穴の影をカバー。テカリやヨレなどくずれもしっかり防ぐ。
シルキーバームプライマー(20g) ¥4,620/ADDICTION BEAUTY
16 パウダーならではの柔らかな質感を保ちながら繊細な光沢を放ち、磨き抜かれた肌に。乾燥肌にうれしいしっとりとしたつけ心地とともに、色ムラや毛穴もひと塗りでカバー。スポンジを強く押し当てず優しくすべらせるようにのばして。
グロウ パウダー ファンデーション 全9色 ¥7,700(セット価格)/SUQQU
17 ペリドットの原石から着想を得たマットなライトグリーンにほんのりきらめくゴールドとブラウンを点描画のように配置。全体をブラシで混ぜてまぶたに。ポップになりすぎない落ち着いた発色が魅力。
ザ アイシャドウ アンポリッシュ ジェム 101 ¥2,750〈5月21日限定発売〉/ADDICTION BEAUTY
18 美しい空にインスパイアされたグラデーションのパレット。朝焼けを思わせる澄んだピンクラベンダーをまぶたに。自然なハイライト効果を発揮し、表情のメリハリを強調する。
カネボウ レイヤードカラーズアイシャドウ 01 ¥6,050(セット価格)/カネボウインターナショナルDiv.
19 クリーミーマットなテクスチャーでするするとのび広がるオレンジレッド。グラフィカルな目もとに対し、唇は輪郭をややぼかして、肩の力が抜けた雰囲気に仕上げるのがコツ。
ラブ ミー リップスティック ブレッドウィナー¥3,520〈限定品〉/M・A・C
SOURCE:SPUR 2021年6月号「マット化粧の時代です」
photography: Saki Omi 〈io〉(model), Keisuke Konno (product) make-up: Shino Ariizumi 〈TRON〉 hair: Miho Emori 〈KiKi inc.〉 styling: Mayu Takahashi model: Sara Hirano, Nanaho Ezaki edit: Chie Yasui