01 FLEURI
STYLIST: SAKIE
MODEL: バロウズ 香耶
ウェービーなバングスタイルが’90sの空気を薫らせる
「アジア圏ではキュートなイメージの演出に欠かせない前髪。最近は全世界的に"可愛い"に留まらない前髪スタイルを楽しんでいる人が増えています」とSAKIEさん。今回のイメージソースとなったのは、90年代のウィノナ・ライダー。
「ファッショントレンドにも引き続き、あの時代のムードを感じる今。あえて目もとギリギリのラインで整えたウェーブヘアは、スタイル全体に上品な抜け感をもたらします」。
襟足の長すぎないマレットヘアをベースに、前髪は分けずに耳まわりまでラウンドでカット。本人のクセを活かしながら、全体的にニュアンスを出すためにレイヤーを入れた。スタイリングのコツは、シーミストで動きをつけ、19㎜のコテでランダムにカール。最後にシアバターを揉み込み、クセ毛風に。ストレート毛の人は、レギュラーパーマで近い質感を再現することも可能。
02 yuki
STYLIST: 雪丸秀隆
MODEL: 武イリヤ
軽めの前髪トレンドから一転。抜け感のあるヘビーバングにシフト
今年の秋冬に向けて、抜け感のある重めシルエットの前髪がトレンドになると断言する、雪丸さん。
「2~3年前あたりから、大人っぽさや色っぽさのある前髪が旬に。シースルーやフロントを立ち上げた軽めのスタイルが主流だったので、そろそろ反動が起こる気がします。それに、前髪のないスタイルをコンサバティブに感じる流れにもなってきていますね」。
ベースとなる胸下ロングのヘアには少なめにレイヤーを施し、前髪は目と眉の間でラウンドぎみに整え、やや厚めにカット。きれいにまとまりすぎないようにヘアオイルをなじませ、束感を加えてグランジ感を強調。オイルは、手になじませたものを少しずつ、毛先を中心につけると重くなりすぎない。
03 EILANT
STYLIST: 天野成弥
MODEL: 碧衣
長短をつけたレイヤーバングでつくり込みすぎない無造作感を演出
いまだマスク生活が続く中、前髪を切るメリットは大いにあると天野さんは語る。
「マスクで顔が隠れている分、前髪を含めた顔まわりのヘアに変化をつけると、簡単に印象のチェンジが可能に。僕自身も、積極的に前髪をつくる提案をしています」。
今回のスタイルも、日々のサロンワークから生まれたものだという。
「スタンダードな"重め"や"薄め"なバングから離れ、"縦軸"でカットするのがカギ。長短入り交じった前髪の重なりがずれ、ラフで立体的な印象を生み出せるんです」。
ベースは顔まわりをやわらかに包み込むラウンドウルフ。前髪の中間から毛先にかけて、シザーで間引くように毛量調整をすることで、リラクシングなムードを醸し出すことができる。
「ドライヤーで根元を起こしながら乾かし、スタイリングオイルを内側から表面にかけてなじませます。前髪と顔まわりは軽めに。最後に手ぐしで整えれば完成です」
Salon data
東京都渋谷区恵比寿西2の14の10 3F
03-5422-3377
営業時間: 11時~20時、10時~19時(土・日・祝)
定休日: 火曜
Instagram: @seiya__amano
www.eilant.jp
yuki 雪丸さんが伝授。伸びた前髪を自宅でカットする方法
前髪をつくるとついてくる、"すぐに伸びてきてしまう問題"。なかなかサロンに行けないときは、セルフカットの応急処置で乗り切ろう
1 前髪の幅や量は変えない
セルフカットのときにやりがちなのが、髪の量や幅を増やしたり減らしたりすること。フォルムは変えず、伸びた分を切ることに徹すると失敗しにくい。まずは、前髪を正確にピンで分けておく。
2 乾いた状態でカットが鉄則
前髪を濡らして伸ばしてから切ると、切り口のダメージは少ない。けれど、乾かした後に髪が根元から上がり「短すぎた!」なんてことに。カットは乾いた状態で、中央の眉間部分の髪からスタート。
3 髪は持たずに切ること
指で引っ張って切ると、ガタガタになりやすいので注意! 2で中央の毛束を確認したら前髪から手を離し、自然な状態で少しずつカット。まっすぐに切れたら、サイドをつなげていくのが正解。
4 毛先に斜めにレイヤーを
パツンとしたカットラインが好きなら、ここでストップを。もう少しぼかしたいなら、毛先に対してハサミを斜めに入れて細かくカットする。そうすると、ナチュラルな束感や動きや軽さが出せる。
用意するものは…
(右)前髪とサイドの髪をしっかり分けておくことも、セルフカット成功への大事なプロセス。跡がつきにくく、デイリーにも活躍。ダッカールなどでももちろんOK。
マペペ 跡が付かない前髪クリップ(4個セット)¥550/シャンティ
(中央・左)セルフカットのしやすさを重視したつくりのハサミと、2種の目をもつコームがセットに。専用ケースつき。
KOBAKO ヘアカットセット¥4,180/貝印
SOURCE:SPUR 2021年10月号「今、前髪を切る」
photography: Yuji Watanabe 〈Perle〉 make-up: Asami Taguchi styling: Marie Higuchi 〈TRON〉 edit & text: Kazuko Moriyama