しばらくの間、メイクアップの主役から遠のいていたリップ。でも、この夏は新しいトレンドの波を感じずにはいられない。手に入れたいのは、懐かしさと新鮮さが入り交じるミルキーな淡い色。アンニュイにまとって、今年らしい抜け感を自分のものにして
脚光を浴びるY2Kという新たなキーワード。その流れもあってか、メイクアップの方向性に変化が生まれている。その一つが、唇に白のニュアンスを宿すミルキーリップ。赤やブリックカラー、柿のようなテラコッタオレンジなど、マスク生活に突入する前のリップのトレンドが血色感を底上げするような赤み系だったのに対して、今気になるのは、それらとはまったく逆のヌーディカラー。ただし血色感が薄い分、質感選びや肌づくりには、ちょっとした＂コツ＂が必要になってくる。あくまで自然体に。でも、実は計算し尽くされている。そんなミルキーリップが、これからのスタイルをリードする。
【ミルキーピンク】サテンの質感で大人な印象に
ともすると子どもっぽくなる色なので、ラメ入りやグロス質感は避ける。唇にフィットしてじんわりと発色するものをシャープにつけこなすのが、新時代のピンクを楽しむ女性像。目もとにも青色の遊び心を
Valentino Beauty
今年の3月にローンチしたばかりのヴァレンティノ ビューティ。中でも、ミルキーな青みピンクのリップはひときわ目を引く存在感。みずみずしい口もとに。
ロッソ ヴァレンティノ サテン 104R ￥6,600／ヴァレンティノ ビューティ
a 美容液成分91％配合で、ワンランク上のみずみずしい仕上がりがかなうカラー下地。黄みを抑えて肌をトーンアップし、透明感を引き出すラベンダーをチョイス。スキンプロテクター カラーコントロール 001 SPF40・PA+++ ￥4,180／ADDICTION BEAUTY
b 優れたカールアップ力を誇るマスカラが、まつ毛ケア効果も兼ね備えて進化。まなざしの洗練度が増す、印象的な高発色ブルー。
マスカラ ディオールショウ パンプ＆ボリューム 260 ￥4,730／パルファン・クリスチャン・ディオール
make-up tips
1 ラベンダーの下地で透明肌に
ミルキーピンクのリップを＂映え＂させるための下準備。aを顔全体になじませて、黄ぐすみをはらっておく。
2 ブラシで塗って指先でぼかす
輪郭を取り、ポンポンとぼかしてティッシュオフ。これを数回繰り返し、中央からじんわりと発色させて。
3 ブルーのマスカラは真ん中のみ
まつ毛の中央をbでブルーに染めることで、甘くなりがちなミルキーピンクの口もとも大人っぽくまとまる。
【ミルキーベージュ】クリーミィにしっかり発色
Y2Kの風を最も感じるミルキーベージュは、コンシーラーで素の唇の色を抑えてから、しっかり発色させるのが気分。繊細な光や血色を他パーツにまといながらも、顔全体をワントーンで仕上げるのが今年らしい
Gucci Beauty
クリエイティブ・ディレクターであるアレッサンドロ・ミケーレらしい、モードなラテベージュ。ソフトな感触で崩れない。
ルージュ ア レーヴル マットリップスティック 103 ￥5,060〈オンライン限定〉／グッチ ジャパン（グッチ）
c チークにも、アイシャドウにもリップにも。どこでも使えるマルチユースのクリームカラー。繊細なゴールドラメがちりばめられたオレンジベージュ。
ニュアンス フェイスカラー 06 ￥2,750／OSAJI
d 光の角度でさまざまな表情を見せる、ピンクラメを宿したアンバーベージュ。目もとを明るくトーンアップする。
エレガンス ラズル アイカラー 06 ￥2,310／エレガンス コスメティックス
e 大粒のラメがまぶたのカーブを際立たせ、立体的な目もとを演出。温度感のあるオレンジ。
ザ アイシャドウ スパークル 017SP ￥2,200／ADDICTION BEAUTY
make-up tips
1 ヘルシーな日焼けチーク風に
cをブラシに取り、頰骨の上から鼻根に向かって横長に。唇に血色感がない分、頰は健康的に仕上げるのがキモ。
2 まぶたには暖色の輝きをオン
dをアイホールに、中央にeを重ねる。唇を引き算する分、立体感を大事に。ダブルラインで引き締めても。
3 リップは直塗りで色をフィット
ラフに直塗りしたのち、輪郭をぼかす。素の唇の色が赤い人は、あらかじめコンシーラーで抑えておこう。
【ミルキーオレンジ】グロスを重ねてぷっくり立体感
一番トライしやすいカラーは、ツヤのある質感を久々に満喫するのにぴったり。リップの発色にミルキーな色みのグロスをたっぷりレイヤーして、奥行きを楽しんで。目もとにも少しだけスパイスをきかせて印象的に
SHISEIDO & ADDICTION
（左）とろけるように伸び広がり、唇と一体化。ほのかな透け感が残るシアーな質感。
カラージェル リップバーム 102 ￥3,850／SHISEIDO
（右）膜厚なオイルが唇をシールドし、縦ジワもカバー。サンシャワーという名の艶めくオレンジ。
リップ オイル プランパー 011 ￥3,300／ADDICTION BEAUTY
a 美しいツヤ感とともに、気になる肌悩みをカバー。あらゆるスキントーンに対応する万能な4色を自在にミックスして。
トーンパーフェクティング パレット 02 ￥4,950／コスメデコルテ
b 目もとにも唇にもマルチに使えるペンシル。なめらかなタッチで、どんなラインも自由自在。キャンディのような鮮やかなピンク。
ヴィセ アヴァン リップ＆アイカラー ペンシル 020 ￥1,320（編集部調べ）／コーセー
make-up tips
1 素肌を生かした抜け感のある肌
ツヤめく口もとには、ヘルシーな素肌感がマッチ。気になる影や色ムラ、凹凸を、aでカバーする程度でOK。
2 唇はレイヤーして発色を楽しむ
SHISEIDOのリップを直塗りで数回往復させ、ADDICTIONのグロスを全体に重ねる。ぷっくり艶やかに。
3 ピンクのアイラインでアクセント
上下の目のキワにbでラインを入れて、ポップさを加えて。ごく細く、まつ毛を埋めるように描くのがコツ。
一瞬にして 、今年らしい唇。今すぐ欲しいミルキーリップ
イメージどおりのミルキーな発色とつけ心地の快適さ。すべてを兼ね備えたリップとともに、夏を迎えて
ミルキーピンク
やさしく染める、青みピンク
1 ホホバオイルやシアバターが唇のキメを整え、繊細なガラスのような膜で唇を包む。やわらかな印象に仕上がるブルーピンク。
ラスターガラス リップスティック シロップ￥3,630／M・A・C
2 唇本来の生っぽいツヤ感、＂ロウグロウ＂な仕上がりを目指したリップ。肌の透明感を引き出し、洗練されたニュアンスを演出。まろやかなロージーカラー。
ザ リップカラー 07 ￥3,850／RMK Division
3 ブランドのアイコン的ルージュがピーター フィリップスによりリニューアル。35℃で溶け出す独自のフォーミュラで、唇ととろけるように一体化。輝きと潤いにあふれたヌーディローズで口もとを染めて。
ディオール アディクト リップスティック 329 ￥4,950／パルファン・クリスチャン・ディオール
ミルキーベージュ
高発色なモードベージュ
4 独自のスキンケア技術を搭載した処方により、クリーミィなつけ心地が実現。美しいベルベット質感。
ザ・オンリーワン ラスティングマットカラー リップスティック 115 ￥4,840（キャップ別売￥1,760）／ドルチェ＆ガッバーナ ビューティ
5 リップケア成分と色彩をマーブル状にブレンド。唇をコーティングしながら均一な発色をかなえる。
ローズ・パーフェクト・リキッド 110 ￥4,620／LVMHフレグランスブランズ（パルファム ジバンシイ）
6 ワンクリックで飛び出す「ルージュ アリュール」の新バージョンが全20色で登場。肌に溶け込みながらインテンシブに発色するベージュ。
ルージュ アリュール レクストレ 812 ￥7,590〈7月1日発売〉／シャネル
ミルキーオレンジ
潤い湧き上がるオレンジ
7 この春新たに誕生したティントリップ。コルシカ産ハニーをはじめとするハチ由来のケア成分が、乾燥荒れした唇を修復。ハチミツパックをしているかのような心地よさとともに、美しい発色が長時間続く。
キスキス ビー グロウ 319 ￥4,730／ゲラン
8 セミマット質感でありながら、引っかかりなく軽やかに唇へとフィット。見たままの穏やかなコーラルカラーがそのまま発色する。
ルージュ シュペルブ セミマット 07 ￥4,180／エレガンス コスメティックス
9 植物由来の美容液成分を贅沢に配合。ミルキーな光で唇を包み込み、立体感ある口もとが完成。
リップグラッセ ハイドレーティング バームグロス 310 ￥3,300／ローラ メルシエ ジャパン
SOURCE：SPUR 2022年7月号「ヌーディリップが引き出す私らしい魅力 唇にミルキーウェイブ」
photography: Kiyoe Ozawa （model, background）, Hiroshi Igarashi （product） make-up: Kie Kiyohara 〈beauty direction〉 hair: Miho Emori 〈KiKi inc.〉 styling: Arisa Tabata model: Aria Polkey, Lina Suenaert, Yana Kameneva edit: Sachico Maeno
