王道のフローラルから始まり、温かみのあるウッディに、新鮮なグリーン——。これらの香りの種類のことを「ノート」と呼ぶ。長年、香水界で話題となり、人気を博してきた主な8つのノートと、それを体現するフレグランスを紹介する シトラス イタリア南部のブーリアの、緑あふれる菜園で過ごすひとときがテーマ。マンダリンやグレープフルーツが、トマトの葉の青々とした調べをフレッシュに引き立てる。湿った土のニュアンスを、パチョリで表現した心安らぐ香り。レプリカ オードトワレ フロム ザ ガーデン100㎖ ¥23,540/メゾン マルジェラ フレグランス レモンやベルガモット、オレンジ、ユズなど柑橘系がこのグループ。弾けるような爽快感が特徴で、香り立ちも軽やか。主にトップノートで使われることが多い。 フルーティ 酸味の強いレモンが爽快に弾けたあと、香りの核となるミドルノートには、すっきりした甘さのチェリーを採用。クリーミーなヘリオトロープと溶け合い、ベースに仕込んだシダーウッドが余韻を残す。大人のウッディフルーティ。Q by ドルチェ & ガッバーナ オードパルファム 50㎖ ¥16,500/ブルーベル・ジャパン 柑橘系を除いた、ベリーやフィグ、ペアーやマンゴーなどの果実をふんだんに用いる。甘い果汁がしたたるようなみずみずしさが、キュートな印象を演出する。 フローラル 華やかでスパークリングなフローラルノート。春、セントラルパークに一斉に鮮やかな花々が咲き誇るNYの光景を描き出した。チュベローズ、スタージャスミン、ローズ、そしてチューリップ、アイリスが奏でる花の競演。ボンド・ナンバーナイン ニューヨーク フラワーズ オードパルファム 100㎖ ¥73,480/ブルーベル・ジャパン ローズ、ジャスミン、チュベローズ、マグノリアなど、文字通り花を表現。種類によってもたらす印象も華やか、ピュア、セダクティブと多彩な王道ノート。 オリエンタル 秘められた欲望を表すダークムーンがテーマのオリエンタルノート。軸に用いたのは、ニオイアヤメの根茎から抽出される稀少な香料イリス。パウダリーな妖艶さと、ワイルドさを表した。占星術師・調香師のChiyo氏が自己を解放する香りをコンセプトに創作。リリス オーデトワレ 30㎖ ¥13,200〈2月29日発売〉/Ablxs 甘さと温かみのあるアンバーやバニラ、サンダルウッドなどパウダリーな要素が東洋的なエキゾチックさを醸す。重厚感があり、香りのベースとなることが多い。 グルマン アーモンドと、キャラメルを思わせるトンカビーンズの温かで、パウダリーな調べ。そこにバニラビーンズが溶け合った、まろやかなグルマンノートが完成。幼い頃、菓子を口にした瞬間の、幸福感にあふれた記憶がよみがえる。エルメティカ トンカンディ オーデパルファム 100㎖ ¥29,700/インターモード川辺 フレグランス本部 オリエンタルの派生的なノート。バニラやキャラメル、ナッツなど菓子を彷彿とさせる香りのグループ。1990年代初期にこの概念が生まれ、以降人気な香調に。 タバコ 1904年創業の老舗パフューマリーを象徴する一本。1919年にタバコを用いたレザー調の香りを生み出した。まろやかなチョコレートやココアの調べに、華やかなジャスミンと甘い樹脂、そしてタバコが複雑に重なり合う蠱惑的な香りを堪能したい。キャロン タバック・エクスキ オードパルファン 50㎖ ¥25,300/フォルテ こちらもオリエンタル系からの派生。干し草のようなタバコリーフの香りを指す。メインだけではなく、アクセント的にも使われる。バニラや白檀と相性がよい。 ウッディ 深みのあるウードと、潮風を思わせるミネラルを組み合わせ、大地と海の二つの要素を同時に引き出したウッディ マリンノート。温かみのあるウードやモミの樹脂が波のように押し寄せ、肌をからめとる。トム フォード ウード ミネラル オード パルファム スプレィ 50㎖ ¥22,880〈3月1日発売〉/トム フォード ビューティ サンダルウッドやシダーウッド、サイプレスなどの樹木がメイン。人気のウード(沈香)もここに分類。重厚感やぬくもりがあるものからドライな印象まで幅広い。 グリーン 可憐なピオニーやジャスミンなどの新鮮な花々で、フレッシュなグリーンノートを表現。緑あふれるパリのモンソー公園をそぞろ歩きしている気分へ誘う。清らかなホワイトムスクの静かな余韻に浸って。コンダンセ パリ モンソー公園の芳しい夢想 オードパルファン 50㎖ ¥22,000/ドルチェ・ヴィータ・エッセンツィアーリ 草や葉の青々とした、フレッシュな香り。バイオレットリーフのように葉そのもののニュアンスもあれば、スイカなどの瓜系のみずみずしさを表現することも。 香りのインデックス 香水は大きく分けて4種類 パルファム、オーデパルファム、オーデトワレ、オーデコロンの4つ。香りの強さを表す指標である賦香率の濃度で分類されている。賦香率とはベースとなるアルコールと蒸留水の中に占める香料の割合のこと。パルファム以外にはオー(水)が含まれ、拡散性が高い。 香りのトライアングルとは? 図のように時間とともに香り立ちが変化することを指す。しかし、近年は調香技術の進化により、最初から最後まで同じ香調が続くもの、つける人によって強く現れる香料が異なるもの、次々と香料が入れ替わるものなども登場。 香水の最新記事はこちら 想いが伝わるハイセンスな【バレンタインデーギフト】8選|時計、スニーカー、ジュエリーetc. 記憶を繋ぎ止めるもの【バイレード】#111 【ミニ香水】で運命の香りに出合いたい! あれこれ試せる、フレグランス・ディスカバリーセット8選 【イソップ】新作フレグランスは切れ味のあるフローラル。初のジュエリーコラボレーションも 香りとフェロモンの関係は? 【フエギア 1833】2年ぶりに「Land of Champions」が再登場。勝利への渇望と大地のエネルギーを表現した香り