【ベスト・オブ・ベスト大賞】エルメス/〈エルメッセンス〉ウード・アルザン オー ド パルファム
パリの街を想起させる繊細なウードが新しい!
by MAHOさん(フレグランスアドバイザー)
「極上のウードが放つ野性味と、ローズの中でもあえてみずみずしいグリーンな香りを合わせて。エキゾチックになりすぎず、エレガントにまとめた調香が見事」(MAHOさん)。
「深く静かな香木の響きに溶け合う、流麗なバラの調べ。完璧なデュオが奏でる、洗練のフレグランスです」(平さん)。
「個性が強い素材を完璧なバランスでまとめた力量に脱帽。肌とまろやかに溶け合い、心地よくうっとり」(巽さん)。
「軽やかなハニーとローズのフルーティさから、なめらかなレザー香への変化が美しい。定番のウードの組み合わせを、繊細で透明感あるエルメスならではのタッチで描いた一本」(山根さん)。
「モダンな解釈が、さすがクリスティーヌ・ナジェル。ローズとウードの出合いを軽やかにこなした手腕に拍手」(編集G)。
アッサム産ウードと花びらを思わせるローズウォーター、ローズオキシドを一つに。
【ベスト・オブ・ベスト大賞】ロエベ パルファム/オードゥ パルファン 〝ロエベ アグア ドロップ〟
トム フォード/バニラ セックス オード パルファム スプレィ
(右)シトラス×アンバー、定番の組み合わせなのに中毒性がある
by 中森友喜さん(NOSE SHOP代表)
「柑橘主体の爽やかな香りの中に、絶妙な甘さとアンバーのぬくもりがあり、持続性も上々。突飛さがあるわけではないのに魅惑的な調香は、上手いの一言」(中森さん)。
「水の透明感を思わせる、軽やかさ。フレッシュなフローラルにウッディな要素も溶け合い、決してありきたりではない。空気のようでいてちゃんと奥行きもある」(森山さん)。
「ベルガモットやオレンジフラワーが爽快に香るシトラスノートに、ラブダナムによるレザーのようなスモーキーなニュアンスが潜む。スタイリッシュな逸品」(木津さん)。
「花びらの上の朝露やゆっくり流れる川のせせらぎを思い起こさせる、抽象的な水の表現。やさしさがありつつ、アブサンでひねりをきかせているのも最高です」(編集I)。
スペインに自生するロックローズから抽出したラブダナムで作ったロエベ アコード。そこにシトラスを融合させたフレッシュフルーティ。
(左)カジュアルになりがちなバニラをほろ苦くセンシュアルに
by 渡辺敦子さん(ビューティエディター)
「今季No.1に好きです。スモーキーさが加わることで、まろやかだけれどしつこくないところも素敵。体温で温められたあとの、やわらかな香り立ちも魅力です」(渡辺さん)。
「幾層にもレイヤーされており、甘さだけが残るのではない。上質な仕上がりです。トム・フォードがバニラを解釈するとこうなるの!?と、新たな発見が」(前野さん)。
「トンカビーンやアーモンドのシャープな甘さと、深みあるアンバリーノートが高揚感をもたらします。ひと味違うフレグランスをお探しの方に」(小泉さん)。
「ミルキーでコクがあり、濃厚でスイート。中核ではウッドノートが全体をまとめ、洗練された大人の表情を見せます。深い余韻が残り、記憶に刻まれる一本」(編集M)。
特別な成分バニラ チンクチャー インディアがやわらかな官能性を醸す。個性的な香水名と可愛らしさもある香りのギャップが新鮮。
【ベスト・ニュース賞】メゾン・クリスチャン・ディオール/ニュールック(オードゥ パルファン)
アルデヒドでパンチをきかせた大胆な発想に拍手!
by 小泉祐貴子さん(香りディレクター)
「個性的なアルデヒドにピンクペッパーが顔をのぞくスパイシーなトップから、ウッディなフランキンセンス、アンバリーなベースノートへ、見事な変化を遂げていく。一度嗅いだら忘れられない」(小泉さん)。
「アルデヒドに樹脂香をきかせ、アンバーでまとめあげる。ニッチな香調も、ディオールの名のもとで、現代のスター調香師フランシス・クルジャンの手にかかると極めてモダンに」(中森さん)。
「長年クルジャンのファンですが、新作も最高。伝統的なアンバーアコードと、人気再燃中のアルデヒドの組み合わせがキャッチーです。インパクトはあるけど肌なじみよく、デイリーにも」(横溝さん)。
「独創的ながら、とがりすぎないバランスが秀逸。フレグランスの可能性を広げた名作です」(編集H)。
フレッシュなアルデヒドとミステリアスなフランキンセンスの予期せぬ出合いがクチュールの精神を宿す。これぞ香りのニュールック。
【ベスト・コラボレーション賞】フレデリック・マル/アクネ ストゥディオズ パー フレデリック マル
革新的な表現者たちが挑んだ、芸術性の高い香り
by 中野香織さん(服飾史家)
「アートに造詣の深い両者のコラボレーション。本質を突きながら、次世代の感覚に訴えるモダンな香りに、心が躍りました」(中野さん)。
「クラシックな香調も重たく感じさせない、オレンジブロッサムのきらめきのアクセント。簡単には解けない、ミステリアスさの虜に。アクネの服と合わせて楽しみたい逸品です」(浦安さん)。
「華やかに広がるアルデヒドのあと、花や潮風のようなミネラル感、バニラのほのかな甘さが混然と溶け合う。シャワー後の肌のような、クリーンでセンシュアルなぬくもりがとっても優雅」(平さん)。
「たとえるならエッジがきいたパステルカラーの服? 最初に香るアルデヒドが透明感をプラス。両者のアバンギャルド性を体現する名香」(編集A)。
香りの編集者フレデリック・マルがアクネ ストゥディオズの美学を、先鋭的でネオクラシックな香りで表現。
【ベスト・フローラル賞】シャネル/レ ゼクスクルジフ ドゥ シャネル コメット オードゥ パルファム
肌とインティメートな甘いパウダリーが今の気分
by 前野さちこさん(ビューティエディター)
「みずみずしいチェリーブロッサムで幕を開けたあと、やさしいパウダリーノートに導かれ、ラストはどこか懐かしさが残る。まとった瞬間にきらめきに包まれるような感覚が、今の気分にぴったりです」(前野さん)。
「トップノートのパウダリックな香調に大人の洒脱さを感じます。時間とともに肌の匂いと溶け合って丸くやわらかくなり、変化するのも心地いい」(渡辺さん)。
「まろやかな雰囲気のムスクにうっとり。ノスタルジックでセンシュアル、洗練や気品といったさまざまな要素の重なりがユニークです」(浦安さん)。
「チェリーブロッサムの透明感ある華やかさが、フローラル=フェミニンという概念を超え、現代女性の凛々しさを体現。まさにイットな一本」(編集R)。
シャネル ハイ ジュエリーのアイコン、コメットを香りで表現。肌に寄り添うように、きらめきを添えるムスキーなフローラル。
【ベスト・スパイシー賞】ゲラン/ラール エ ラ マティエール ネロリ プラン シュッド
ネロリにスパイスをきかせたクワイエットラグジュアリーな調香
by 木津由美子さん(ビューティ・ジャーナリスト)
「ネロリとオレンジブロッサムに香辛料を加え、軽やかなのに奥行きを感じさせるスパイシーシトラス。ゲランならではの上質なまとめ方に感服」(木津さん)。
「華やかさはあるけれど、過剰でないのが一線を画す上品さ。花々のブーケの中に、スパイスやベチバーの存在感もしっかり感じ取れる」(森山さん)。
「誰がなんと言おうとこれは傑作。価格には驚くかもしれないが、真の"ネロリ"ラバーなら、至高の逸品にたどり着いたと思うはず」(中森さん)。
「シナモンやターメリックがキリリッと香り、フレッシュなビターオレンジに癒やされます。大自然の中で心が解き放たれるような感覚が」(編集A)。
サン=テグジュペリの処女作『南方郵便機』に描かれた砂漠への飛行が着想源。凝縮されたオレンジブロッサムとみずみずしいネロリの爽やかさが、シナモンやターメリック、ベチバーのドライな熱気と溶け合う。
【ベスト・グルマン賞】パルル モア ドゥ パルファム/コメット パラディ オードパルファム
甘すぎないグルマンノートはクセになりそう
by 巽 香さん(ビューティエディター)
「サンダルウッドを感じつつもレトロなお香っぽさがなく、おいしそう。トンカビーンとカカオが醸す、甘すぎないグルマンが大人なニュアンスです」(巽さん)。
「香料のラインナップだけ見て、どれだけ濃厚なのかと身構えていたら、不思議とまろやか。心地よい深みとぬくもり感に、いつまでも嗅いでいたくなります。人がつけていたら、どこの?と聞いてしまいます」(森山さん)。
「この香り、好き! クロエやグッチのラッシュなどで知られるミシェル・アルメラックの調香は、さすがの一言です。チョコレートなど甘いもの好きの私の心をくすぐるグルマン。単に甘いだけでなくスモーキーなのがまたいい」(平さん)。
「まるで上質なココアのようにスイートで芳醇。中核を成すウッディノートが、一筋縄ではいかない"魔力"を放ちます。この濃厚さ、今また新鮮!」(編集M)。
彗星の尾のように心に残る甘さ。
【ベスト・ウッディ賞】レバンゲルボワ/ラク
ほんのり湿度を帯びた、静けさを感じるウッディノート
by 森山和子さん(ビューティエディター)
「まるでアンティークのような趣。イチジクが、ヨーロッパを想起させる隠し味のように香ります。ムスク好きの私にとって落ち着く香り」(森山さん)。
「注目の調香師の一人、ジェローム・エピネットによるもの。フィグやクラリセージ、ほんのり塩気あるアンブロキサンなど、トレンド感あふれる素材使い。楽焼の白い色みに通じる、肌のぬくもりと清潔感を見事に表現しています」(MAHOさん)。
「シトラスとフィグがキラッと輝き、豊潤なウッディが追いかけてくる。不思議と懐かしさを感じる香りです。ずっと前から知っていたよう」(浦安さん)。
「柑橘の爽やかさのあとに、シダーやムスクが安らぎを与えてくれるせいなのか、無意識のうちについ手にとってしまう。デイリーに使いたい名品」(編集H)。
19世紀末パリ文化の中心だったゲルボワ浴場の歴史を香りで表現。香水名はざらついた手ざわりの日本の陶器、楽焼が由来。
1 ジバンシイ/『ラ コレクション パルティキュリエ』ド ジバンシイ キュール フゥ
ジェンダーレスでモダンなローズ
by 横溝なおこさん(ビューティエディター)
「バラの華やぎを持ちながら、マニッシュな爽快感と幻惑的な中毒性も。フローラルの甘さと青み、重厚感のバランスに夢中です」
ダマスクローズが優美に咲き誇るアロマティック・フルーティ・フローラル。
(100㎖)¥36,850/パルファム ジバンシイ
2 アトリエ・マテリ/セードル・フィガリア
独創的なヴェジタル・ウッディ
by 山根大輝さん(Scentopia株式会社 代表取締役/調香師)
「クリーミーなフィグからシダーウッドへのブリッジがなめらか。ほうれん草を思わせるグリーンやスパイスのアコードが見事に調和します」(山根さん)。
拡散性や持続性を高めた植物性の天然香水。
(100㎖)¥37,400/フェートン フレグランス ハウス
3 ザ マーチャント オブ ヴェニス/オードパルファム ギョクロ
桃と月下香が導く新しい緑茶ノート
by MAHOさん(フレグランスアドバイザー)
「すっきり系に収まりがちなお茶の香りも、玉露に芳醇な桃とチュベローズを合わせることでやわらかく甘い味わいに」(MAHOさん)。
日本初上陸、ヴェネツィアの老舗パフューマリーが"玉露"を描いた。
(100㎖)¥42,900/ヤマノ アンド アソシエイツ
4 マーク・バクストン・パフューム/ミ コンフェシオン
絢爛たる英国のバーを描くスモーキー・ウッディ
by 米倉新平さん(LE SILLAGEオーナー)
「なめらかなラム酒と、温かくスパイシーなタバコ。そこにスモーキーなウッドや、甘美なフローラルが溶け合う、ミステリアスさの虜に」(米倉さん) 。
著名な調香師マーク・バクストンの名を冠したブランドの新作。
(50㎖)¥27,500/ル シヤージュ
5 エルメス/H24 エルブ ヴィーヴ オードパルファム
ハイテク分子×ハーブ!最先端の手法に感銘
by 中野香織さん(服飾史家)
「感覚分子フィスクールというハイテク素材を、フレッシュなハーブと融合。一歩先を行く実験的手法に魅了されました。ジェンダーを問わず、未来を築く人間像が浮かぶ」(中野さん)。
雨上がりに香るハーブを表現。
(100㎖)¥19,580/エルメスジャポン
6 クリード/クイーン オブ シルクオーデパルファム
上手にモダンさを加えた贅沢な多面体フローラル
by 巽 香さん(ビューティエディター)
「贅沢な花々の香りが押し寄せ、そこにスパイス、ウッディ、アンバーが次々と現れる。めくるめく変化を見せる極上の香水」(巽さん) 。
シルクの贅沢な光沢と優美さを宿す、魅惑のフローラル アンバー。
(75㎖)¥48,290/インターモード川辺 フレグランス本部
1 キリアン パリ/インペリアル ティー オード パルファム
最高級のお茶を体現した名香が待望の日本上陸!
by 小泉祐貴子さん(香りディレクター)
「実力ある調香師カリス・ベッカーが手がけた名香がついに日本上陸。発酵したグリーンティーに涼やかなジャスミン・サンバックが重なり合うバランスが絶妙」(小泉さん)。
中国の皇帝に献上されてきた茉莉花茶へのオマージュ。
(50㎖)¥36,850/ブルーベル・ジャパン
2 ヴァレンティノ/ヴァレンティノ ドンナ ボーン イン ローマ グリーンストラヴァガンザ オードパルファン
ジャスミンを引き立てるスモーキーな茶葉が印象的
by 編集I
「ラプサンスーチョンがスモーキーに香り、ジャスミンが妖艶になりすぎない。好感が持てるフレグランスです」(編集I)。
茶葉とジャスミン、バニラが織りなす、フレッシュな生命力を感じるフローラル。
(50㎖)¥18,150/ヴァレンティノ ビューティ
3 コスメデコルテ/キモノ マイ ウォーターコロン
和装のときにも頼もしい軽やかな水性香水
by 平 輝乃さん(ビューティエディター)
「バニラのやわらかな甘さが静かに続く水性香水。ほのかに香るので、着物を着るときにも。アルコール香水のようにシミをつける心配がないのがうれしい」(平さん)。
和茶の透明感に甘いバニラやヘリオトロープが溶け合う。
(75㎖)¥9,130/コスメデコルテ
4 サンタ・マリア・ノヴェッラ/オードパルファム ビッザリア
軽快でいて複雑なシトラス・ウッディー
by 浦安真利子さん(ビューティエディター)
「すっきりフレッシュなシトラスかと思いきや、合間からシダーやムスクの個性がキラリ。雨の日も太陽が輝く日も、どんな天候でも気分が上がる」(浦安さん)。
ボトルはブック型のケース入り。
(50㎖)¥28,600/サンタ・マリア・ノヴェッラ銀座
5 ロアリブ/マインドセンス スージングサン
大人の夏を彩るサマーフレグランス
by 編集R
「心地よい夏の日差しを連想する爽やかさ。フルーティな洋ナシが際立つみずみずしさは、Tシャツやタンクトップなどサマースタイルにぴったりです」(編集R)。
甘く爽快なフルーティから透明感ある花のノートへ。
(20㎖)¥3,960〈限定発売中〉/ロアリブ
6 スリー/エッセンシャルセンツ 05 AFTER THE RAIN
雨のあとの森の中で吸い込む大地の香り
by 編集M
「苦みと酸味のきいたグレープフルーツに、苔のようなパチョリが重なる。霞に濡れた大地を踏みしめ、森の中を歩くようなすがすがしさ」(編集M)。
独自のゼラニウム油をベースに果実と葉、土壌のニュアンスの精油で作られたセンツ。
(9㎖)¥5,390/THREE