ファッションやカルチャーの流れとともに移り変わるビューティの現在地。大人がときめくリアルクローズが主流となっている今、旬のムードをもたらすメイクアップとは?ランウェイやカラートレンドに精通する3人が、この秋冬の傾向について議論!
ファッションやカルチャーの流れとともに移り変わるビューティの現在地。大人がときめくリアルクローズが主流となっている今、旬のムードをもたらすメイクアップとは?ランウェイやカラートレンドに精通する3人が、この秋冬の傾向について議論!
ファッション誌やビューティ誌を中心に、メイクアップ企画からスキンケア、インタビュー記事まで幅広くディレクションや執筆を手がける。幼い頃から大のコスメティックス好きで、日本のみならず未上陸の海外ブランドも日頃からあちこちパトロール。
建築のデザインを学んだ後、2011年から美容業界での活動をスタート。国内外のモード誌や広告等で活躍し、セレブリティからの指名も多数。カルチャーや音楽などからインスパイアされた、エッジのきいたモダンなメイクアップを得意とする。
モード誌や広告、カタログのほか、俳優のスタイリングなどを手がけ、トレンドの半歩先を見据えたワクワクするビジュアルづくりに定評がある。ファッションウィークはリアルタイムでチェックし、最新のカルチャーにも精通。今気になるムードは"初々しさ"。
メイクアップが、旬のリアルクローズに奥行きをもたらす
「可愛い」を再定義。その先に見えてくること
浜田 「大人と少女性」というのも今シーズンを代表するキーワードですね。マチュアな女性の中の可愛らしい部分を表現していたミュウミュウが象徴的で、グレーのコートなどベーシックなアイテムにキラキラとしたビジュー使い(2)や、パステルピンクトーンのイノセントなメイクアップ(3)が素敵でした。大人になったけれど、幼少期の記憶を呼び起こすような、可愛い部分を表現している。
Rie ランウェイを歩くモデルがマチュアな女性というのも目を引きました。
浜田 ちなみに2のモデル、チン・フイランさんは上海に住む、70歳のミュウミュウラバーの元医師。「可愛い」は特定の年齢のものだけではないということを象徴しているよう。
森山 3の女優クリスティン・スコット・トーマスさんの化粧は一見ナチュラルだけれど、実は肌をさりげなく作り込んでいますよね。ラフすぎないのが大人ならではのポイントかもしれないですね。チークやアイシャドウはピュアでふわっとした入れ方だけど、アイラインでちゃんと引き締めていたり。眉毛もきちんと整えられている。
Rie そういえば、ロエベ(8)もパステルピンクを巧みに使ったメイクアップでした。こちらも抜け感があるようで、チークが広範囲にしっかり入っていたり、ちゃんとメイクアップすることでモダナイズされて見える。
浜田 小花柄のパンツにテーラードジャケットを合わせていて、きれいな色と黒、フェミニンとマスキュリンの対比が素敵なルックでしたね。そこから、精神的な自由といったものも感じました。別にどちらかで固めなくてもいいという。ミュウミュウのように大人が子ども時代を追憶するかのように「可愛い」を楽しむのもありだし。
自然かAIか。二極化する流れの中での、真のラグジュアリー
森山 サンローランのメイクアップ(19)にすごく惹かれたんですよね。成熟したようなこの絶妙なウィスキートーン。クラシックなんだけれど、エレガントさやワイルドさ、色気もあって。ちょっと80年代も思い出すけれど、新しい。
Rie 私もこのメイクアップが大好きです。そのまま80年代ではなく、抜け感がありますよね。そこが今っぽい。
森山 まさに。リップがスマッジされていたり、マスカラが抜かれている感じだったり。でも全部が引き算ではなく、アイシャドウは眉下までしっかり入っているなど、バランスが計算されている。それにスカートは透けているけれど、服もリアルクローズの延長線上にある。
浜田 サンローランは全体の土っぽい色のトーンがきれいでしたよね。パワーショルダーの強さとシアースカートの儚さの対比もいい。
森山 このアースカラーからのつながりでいうと、今季のRMK(17)は、アリゾナの広大な大地や岩石の質感の生命力にインスピレーションを受けてつくられたコレクションでした。
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