譲れない条件は“人中短縮”と“落ちづらさ”。漫画家・まんきつさんの愛用リップは?

漫画『そうです、私が美容バカです。』シリーズで、尋常じゃないオタクっぷりを発揮しているまんきつさん。試行錯誤を重ねたリップ遍歴をお届け

漫画『そうです、私が美容バカです。』シリーズで、尋常じゃないオタクっぷりを発揮しているまんきつさん。試行錯誤を重ねたリップ遍歴をお届け

リップ選びの譲れない条件は“人中短縮”と“落ちづらさ”

スキンケアや美容医療はもちろん、温活ならぬ“冷活”から、ヒルに血を吸わせる美容法まで。著作で、美への旺盛すぎる探究心と情熱をのぞかせるまんきつさん。自ら体を張って、ニッチでマニアックなビューティTIPSを試しては、読者をクスッと笑わせている。そんな彼女が、リップを塗るたびに挑んでいるのは、“いかに人中を短く見せるか”という課題。10倍拡大鏡で自身の顔をじっくりと観察し、ときに周囲の助言も得ながら見出したお気に入りの一本は、今では幻の色番だ。

漫画家・まんきつさんのスタメンリップ

スタメンリップ。(右から)エレガンスのブリリアント ルージュ ビジュー(現クラルテ ルージュ ビジュー)、YSL ラブシャイン キャンディグレーズ 13、ケイトのリップモンスター 05、シャネルのル ルージュ デュオ ウルトラ トゥニュ 196、メイベリンのSPステイ マットインク 65(現在は生産終了)

「私の運命のリップは、メイベリンのSPステイ マットインク 65。人中が長いのが昔からコンプレックスで、元から上唇がぷっくりしているように見せることが最重要。なので、下地として素の唇に限りなく近い色でオーバーリップを描くんです。この色はものすごく自然になじむ上に、全然落ちない! 数年前に出合い、やっと見つけたと喜んだのですが、その色は数カ月で姿を消してしまいました……。海外に在庫があるのを調べ上げ、何本もまとめて取り寄せて、今もちびちびと大切に使っています。イヴ・サンローラン、バーバリー、ディオールの新作は、どれも肌の色に寄り添う絶妙な粘膜色となめらかなテクスチャー! 次なる下地として使えるかもしれないと、希望の光が見えました」

ヌードカラーで輪郭を整えたあとは、なんと4本のリップを重ねていく。

「せっかく人中を短縮したので、何がなんでもベースを落としたくない。ティッシュオフで定着させたら、落ちづらいと話題のものを、上から塗っていきます。まず一本目に塗るのはシャネルのリップ。次にケイトのリップを重ねたら、イヴ・サンローランのリップをキワにだけ塗るんです。色の濃淡と艶の視覚効果で、ぷっくりと見せるのが目的です。それから仕上げに、エレガンスのグロスを重ねてキラッとさせたら完成」

漫画家・まんきつさんの〝リップバカ〞噺

ロングラスティングなリップを重ね、しっくりとくる唇のフォルムと陰影をつくり出していく。その手法に至るまでに、美容医療やパーソナルカラー診断など、さまざまな“実験”にエネルギーを費やしてきた。

「8年ほど前、唇のアートメイクを試したんです。自然なオーバーリップになり、仕上がりには満足したものの、私の皮膚にはちょっと強すぎたのか、術後の赤みがひどくて……。約1週間のダウンタイム中は唇が真っ赤に腫れて、歩けば『遠くから、口が来たぞ~!』状態に(笑)。

ほかに、パーソナルカラー診断も受けました。これが私にはとってもよかった! それまでずっと赤リップが似合わないと思っていたんです。でも診断を受けたら、赤そのものではなく、ブルー寄りの色みが苦手なだけとわかって。今では、黄みを帯びた赤リップを積極的に使うようになりました。黒い服を着ることが多いので、顔映りをよく見せてくれるところもいいんです」

漫画家・まんきつさんの〝リップバカ〞噺

さらに、アイとチークも同じ色みで揃えることで、一気に抜け感としゃれ感が出る。

「実は、全顔をメイベリンのリップ一本で仕上げているんですよ。まず指でリップを塗り、指に残ったものをアイシャドウやチークとしてなじませます。素の唇になじむ粘膜カラーだから、中顔面短縮効果も抜群! それから服を着替えて全身鏡で確認し、シャネルやケイトなどのリップで色みを調整します。エレガンスのリップは4色を持っていて、その日の顔色や気分で使い分けています」

ヌーディなマットリップで唇をさりげなく拡張し、そのまま目もとにも応用する。人中短縮に情熱を燃やし、顔のつくりと陰影を知り尽くす漫画家・まんきつさんならではの発想だ。探求とアップデートはまだまだ続く。

漫画家・まんきつさんの2025年下半期の推しリップ

漫画家・まんきつさんの2025年下半期の推しリップ

1 YSL ザ インクス ヴィニルクリーム #443 ¥6,710/イヴ・サンローラン・ボーテ
2 バーバリー キス リキッド マット 02 ¥5,720/バーバリー ビューティ(コティジャパン)
3 ルージュ ディオール オン ステージ 168 ¥5,940/パルファン・クリスチャン・ディオール

まんきつさんプロフィール画像
漫画家まんきつさん

20代の失恋を機に、美を貪欲に追求。ユーモラスな切り口で、美容の可能性を描く。新刊『そうです、私が美容バカです。極ツヤ』(マガジンハウス)も好評。

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