【春メイクアップ】モードをリードする二人が打ち出す旬バランス

 Asami Taguchi(メイクアップアーティスト) × Tomoko Iijima(スタイリスト)

軽やかな春のスタイルに袖を通したら、メイクアップもチェンジしたい。ときに大胆に、ときに繊細に。旬のムードを思いきり楽しみつつも、個性を大切にした春顔を、最強の二人が提案

春服に似合うフレッシュな肌を手にする

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ドレス¥594,000・ニット¥330,000 (ともに予定価格)/ミュウミュウ クライアントサービス(ミュウミュウ)

南国の風を感じるトロピカル柄のワンピースに、鮮やかな発色のニットを合わせて。プリントの華やかさが印象的なスタイルは、色よりも質感が際立つメイクアップを。みずみずしさと温度を感じる表情で、ピュアなヘルシーさを演出。

MAKE-UP TIPS
華やかなプリントを取り入れたスタイルには、ジュワッと内側からにじむような血色感あるチークを主役として。全体にツヤをたたえたフレッシュな表情に。1のチークを頰骨の下からフェイスラインに向かって横長に入れる。次に3を指先に取り、頰骨と入れたチークの境目をじんわりぼかす。2のリップで唇にツヤ感をオン。最後に3をアイホール全体にのせる。

ザ グロウ スティック 105P ¥4,180〈限定品〉/ADDICTION BEAUTY
ザ グロウ スティック 105P ¥4,180〈限定品〉/ADDICTION BEAUTY

ヘルシーなツヤで肌を包み、生っぽいぬくもり感を演出するフェイスカラー。

モイステン リップドロップ EX01 ¥3,300〈限定品〉/セルヴォーク
モイステン リップドロップ EX01 ¥3,300〈限定品〉/セルヴォーク

美容成分98%のセラムリップ。パールが輝くモーヴピンク。

グラムトーンカラーカスタード E X02 ¥3,300〈限定品〉/THREE
グラムトーンカラーカスタード E X02 ¥3,300〈限定品〉/THREE

目もとにもチークにもリップにも使えるマルチアイテムが新たに登場。クリアパールをベースにしたシアーなピンクは限定カラー。

カラーメイクはグラフィカルに楽しむ

【春メイクアップ】モードをリードする二人の画像_5
トップス¥162,800・パンツ¥108,900・イヤリング¥62,700/マルニ ジャパン クライアントサービス(マルニ)

サーモンピンクやラベンダー、バジルグリーンといったカラフルなコーディネートには、臆することなく、あえてもう1色をメイクアップで取り入れる。よりプレイフルに仕上げることで、鮮度を上げて。服の構築的なシルエットに合わせて、目もとのデザインもグラフィカルに。

MAKE-UP TIPS
大胆な色使いで目もとを彩るメイクアップ。まなざしで遊びをきかせたら、さりげないダブルラインやパーリィなツヤで骨格を引き立て、クラシックなムードをひとさじ。指先に4を取り、アイホールの真ん中まで色を入れる。次にまぶたとの境目に6でラインを。5のハイライトの右側を頰骨の上、鼻筋、あご先に。7のリップは、直塗りで。

グラムトーンカラーカスタード 03 ¥3,300/THREE
グラムトーンカラーカスタード 03 ¥3,300/THREE

スパイシーなインパクトを残すマスタードイエロー。

ポリフォニック ブラッシュ 02 ¥5,390
ポリフォニック ブラッシュ 02 ¥5,390

肌へと溶け込むパウダーと骨格を引き立てるパールが輝くクリームがセットに。 

イラボレート ジェル アイライナー 05 ¥3,080/セルヴォーク 
イラボレート ジェル アイライナー 05 ¥3,080/セルヴォーク 

1.5ミリの極細芯でどんなラインも自在。さりげないしゃれ感のプラム。

リップ セラム ティント 005 ¥3,520/ADDICTION BEAUTY
リップ セラム ティント 005 ¥3,520/ADDICTION BEAUTY

色持ち、ツヤ、高発色のすべてがかなう新リップ。フレッシュなオレンジ。

ときにはトレンドより顔の個性を活かす

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ドレス¥594,000/ヴァレンティノ インフォメーションデスク(ヴァレンティノ)

袖の部分に立体的なローズをあしらったミニドレスには、同色のリップを合わせて連続性をもたせる。クラシックに落ち着きがちなレッドリップは、適度なツヤ肌と抜け感あるアイメイクで、他のパーツはナチュラルにまとめる。その人自身の魅力で中和することで、しゃれ感あるバランスに落とし込み、かつ個性を際立たせることも可能。

MAKE-UP TIPS
リップの色をドレスの赤とリンクさせ、それ以外はシンプルに。ただし唇のエッジの仕上げやまつ毛のカール具合など、ディテールには繊細さを。9をブラシに取り、唇の中央から色をのせたら、指先で色を広げてエッジをぼかす。一度軽くティッシュオフし、再び指先で色を重ねてしっかり発色。目もとは指先に8の右上を取り、アイホールに。まつ毛は11でカールアップ。ネイルは10を二度塗り。

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クワッドアイシャドー 03730 ¥6,710〈限定品〉 /NARS JAPAN

自然な奥行きを演出するマットな3色に、シルバーピグメントが輝くシャンパンカラーがイン。

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リップ&チーク ボーム No1 ドゥ シャネル 8 ¥6,050

人気のマルチカラーから新色が登場。エネルギッシュなブリックレッド。

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ヴェルニ 173 ¥4,620/シャネル 

白銀の世界に着想を得たコレクション。ピュアな白。

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カールアメイジング マスカラ BK10 ¥4,400〈2月18日発売〉/エレガンス コスメティックス

超極細ブラシが細いまつ毛もキャッチ。

ドレスアップこそ攻めの姿勢を

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ドレス¥625,570・イヤカフ(参考商品)/アレキサンダー・マックイーン

ドレッシーに着飾る日にこそ、プレイフルでピュアな表情で、余裕を見せる。ドレスは、デコルテを美しく見せるボリュームあるカッティングと、目の覚めるようなサファイアブルーがドラマティック。メイクアップでは、インパクトあるアイシーなメタリックシルバーを目もとに印象的に使い、大胆さを見せて。一方で頰や口もとには自然な血色感を宿し、少女のような無邪気さを演出。

MAKE-UP TIPS
デコルテの立体感が際立つ鮮烈なブルーのドレスには、遊び心あふれるラフなメイクアップでイノセントな雰囲気をまとって。12の左上をブラシでアイホールに広げる。目頭から目尻まではエッジをシャープに仕上げ、目尻は眉尻に向かってスッと引き上げる。チークは指先に13を取り、頰骨を中心にやや縦長にぼかす。リップは14を直塗りでラフにオン。

ザ アイシャドウ パレット 107 ¥6,820〈限定品〉/ADDICTION BEAUTY 
ザ アイシャドウ パレット 107 ¥6,820〈限定品〉/ADDICTION BEAUTY 

メタリックシルバーを中心としたグレイッシュな4色。ベルベットのような質感とクリアな発色で、重ねても濁らない。

グラムトーンカラーカスタード 08 ¥3,300/THREE
グラムトーンカラーカスタード 08 ¥3,300/THREE

微細なパールが光を集め、ジューシーな血色感を演出するピュアレッド。

ルージュ ディオール 434 ¥5,940/パルファン・クリスチャン・ディオール 
ルージュ ディオール 434 ¥5,940/パルファン・クリスチャン・ディオール 

プロムナード サテンと名付けられた優しいピンクのヌードシェード。

Taguchiさん×Iijimaさんが考える【メイクアップとファッションの関係性】

数々の現場でクリエーションを共にしてきた二人が、ビューティについて初めて語り合う!自分のアイデンティティを軸としつつ、次なる気持ちを後押ししてくれるメイクアップの見つけ方とは?

Asami Taguchiさんプロフィール画像
メイクアップアーティストAsami Taguchiさん

17年間NYをベースに活動し、2020年に帰国。以来、国内外における数々のファッション誌、広告等で活躍。モデル、俳優からの信頼も厚い。メイクアップにおける圧倒的なセンスはもちろん、本人のやわらかな人柄にもファンが多い。

Tomoko Iijimaさんプロフィール画像
スタイリストTomoko Iijimaさん

金子夏子さんに師事し、2000年に独立。SPURをはじめとするモード誌のほか、広告やブランドカタログなど幅広く手がける。トレンドを独自のバランス感覚で捉え、一つのストーリーとしてビジュアル化する才能に、誰もが一目置く存在。

名刺になるようなメイクアップを持ってる人ってかっこいい!

Taguchi(以下T) 今日はたくさんの新作コスメに囲まれた撮影でしたが、飯島さんが気になるものは?

Iijima(以下I) ネイルが目を引きます。仕事でモデルさんに触れるから、指先はきれいにしておくのが、マイルールで。イチローが試合前に必ずカレー食べるみたいな感覚(笑)。

スキントーンの延長にある発色がいい!(IIJIMA)

ネイルポリッシュ X66 ¥1,980〈1月24日限定発売〉/THREE
偏光パールがひそかに輝く、シックなベージュ。ネイルポリッシュ X66 ¥1,980〈限定発売〉/THREE

 なるほど! どんな色が気分です?

 透ける素材の服がトレンドだから、ネイルもスキントーン(4)がおすすめ。色の主張というより、肌の延長にする感覚。一方、服が軽い分、メイクアップにはポイントがあるといいんですかね。

血色感を添える万能リップ!(TAGUCHI)

ディヴァインリップジェム X02 ¥3,850〈1月24日限定発売〉/THREE
ローズカラーにコッパーのニュアンスを混ぜたピンクベージュ。ディヴァインリップジェム X02 ¥3,850〈限定発売〉/THREE

 攻めが欲しいですよね。目もとに大胆なカラーをまとうのはイチ押しです。華やかな目もとに合わせて、ナチュラルな血色感のリップ(1・2)も一緒に持っておくと便利です。もしくは、すごくトレンドというわけではないけれど、レッドリップも引き続き頼もしい。リップをメインに、ほかのパーツはフレッシュ、というバランスも素敵。

透け感のある色は肌トーンを選ばない(TAGUCHI)

ルナソル フュージングカラーリップス 04 ¥4,620〈2月9日発売〉/カネボウ化粧品
湿度感のある濃密な発色。軽やかなブラウン。ルナソル フュージングカラーリップス 04 ¥4,620/カネボウ化粧品

 顔までトレンドに合わせる必要ないのに、と最近よく思います。昔よくパリで撮影していたとき、現地のマダムのメイクアップがトレンドにとらわれず強烈だったことが今でも印象深くて。眉はブリーチして、アイホールは真っ黒みたいな。

 もうメイクアップが顔の一部みたいになっている人ですよね。

  そう! 当時は圧倒されていましたが、今思えば、自分の名刺代わりになるようなポイントのあるメイクアップってかっこいいと思いますね。

 すごくわかります。旬の顔をそのまま真似る時代でもないですもんね。

 〝変わらないこと〟があるのが、おしゃれだとつくづく思う。

 自分を表現するメイクアップの延長に、少しの冒険があるといいですよね。

"似合う赤"にやっと出合えた!?(IIJIMA)

ルージュスターヴァイブラント V07 ¥4,620/カネボウインターナショナルDiv. 
表情をいきいきと見せる美粘膜で唇をコート。ルージュスターヴァイブラント V07 ¥4,620/カネボウインターナショナルDiv. 

 意外と、自信ないパーツを強調するといいのかな。私は、普段、リップメイクはほとんどしませんが、田口さんがおすすめしてくれたレッドリップ(3)、挑戦する気になってきました(笑)。

 似合いますよ。ぜひ名刺にしてください。メイクアップは、〝隠す〟意味合いが強くなりがちですが、むしろ素を最大限生かすほうが素敵だし、ファッションに似合う顔になれる気がします。

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Gucci Beauty Credits:Creative Director: Sabato De Sarno  Art Direction: Lolita Jacobs & Jean Baptiste Talbourdet-Napoleone  Photographer/Director: Stevie Dance  Makeup  Artist: Thomas de Kluyver  Models: Evie Ashby, Li Wen

 フォトグラファーたちは、田口さんのつくる肌がきれいだって言いますよ。

 実は、極力ベースは塗らないようにしていて。メイクアップは主人公になるパーツから始めます。今日の赤リップのルックはリップから塗りました。

 ベースメイクよりも先に?

 まず、絶対にトライしたいことから始めちゃう。そして、あとから周囲を固めていく。全体がトゥーマッチになることも防げて案外いいんですよ。引き算も、選択肢の一つだと思うんです。

 田口さんのメイクアップの特徴の一つがその引き算の絶妙さですよね。

 私はアーティストだとグッチ ・ビューティのビジュアルなどを手がけるトーマス・デ・クレイヴァ(7)が好きで。昨今は、どこか不完全で抜けのあるメイクアップをするアーティストが目立つ。中でも彼は、色使いのセンスやイメージへのアプローチが抜群。

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IMAXtree/REX/AFLO

 私は、メイクアップもプラダが表現する〝強さ〟がずっと好き(5・6)。先ほどの〝変わらないこと〟にも通じますが、一貫したスタンスがありつつも、毎シーズン挑戦を感じる人物像が描かれている。変わらない強さと、変わる強さ。その両方をメイクアップがかなえ、挑戦する気持ちを後押ししてくれたらいいな、と思います。

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