暖かな春に向かっているのはうれしいけれど、花粉による肌トラブルも気になり始める時季。肌がヒリヒリしたりムズムズしたり赤くなったりしたときに、どんなコスメを使ってどうケアすればいいのか、まいこホリスティックスキンクリニック院長、山﨑まいこ先生に教えていただきました。
部分的、一時的な改善ではなく、肌が自ら美しくなる力を育むことを目指し、肌の内側からもアプローチする治療に定評がある。スキンケアの知識も深く、コスメにも精通され、わかりやすいアドバイスは美容業界でも厚い信頼を集めている。
Q1.この時季、肌が敏感になるのはなぜ?
A.「まだまだ寒い日が多く暖房の効いた部屋で過ごすことが多いため、肌は冬からの乾燥を引きずっている状態。乾燥すると肌のバリア機能が弱り、いろいろなことに過敏に反応しやすくなっています。花粉という異物に対しても反応し、花粉症の場合はもちろん、花粉症でなくても肌がゆらぎやすく、赤いプツプツが出てきたり痒くなったり、ゴワついてスキンケアが浸透しにくくなったり、メイクのノリが悪くなったりしてしまうのです」
Q2.花粉はどうして肌を敏感にするの?
A.「花粉の粒子は大きいので、本来は肌についても反応しないのですが、今は大気中のいろいろな汚染物質が花粉の粒子についていて、それが花粉の粒子を弾けさせて細かくしてしまうため、肌にはりつきやすくなり、肌を過敏にさせてしまいます。また、花粉症によって目をこすったり、鼻をかんだりすることが目や鼻の周りの肌に負担をかけ、荒れさせてしまうことも」
Q3.いつものケアで肌の赤みや痒みを感じたら、見直した方がいいアイテムは?
A.「ベースとして、バリア機能を弱めないようにしっかりと保湿することが大切です。クリームを使っていなかったら加えて潤いを守るように、使っていても軽い感触のものなら濃厚なものに変えてみましょう。また、肌が敏感なときは洗顔料と化粧水を見直すことも大切。夏と同じケアでは乾燥を進めてしまいます。また、日焼け止めが肌荒れの原因になることもあるので、過敏なときは選び方に注意を」
アイテムごとの選びのポイントとケアのコツ、おすすめコスメは以下を参考に。
敏感肌・ゆらぎ肌のお助けコスメ
〈洗顔料〉バリア機能を守るタイプを
「ヒリヒリや赤みがあるときは、朝だけ洗顔料を使うのをやめてみるのも手。そうすると鼻の周りや額のザラつきが気になる、という場合は、Tゾーンだけ洗顔料をつけて洗っても。バリア機能に大切な皮脂や角質を洗い流しすぎないように、“潤いを残す”とか“バリア機能を守る”などの表記がある洗顔料を選びましょう。クレンジング時の負担を軽減するために、ベースメイクは薄膜に。トーンアップ下地やBBクリームなどで軽いベースメイクにしましょう」
〈化粧水〉シャバシャバしすぎはNG
「水っぽいシャバシャバとしたテクスチャーは浸透しやすいため、肌への刺激になることが。使うなら、さっぱりしすぎないテクスチャーで、トラネキサム酸やグリチルリチン酸ジカリウムなどの炎症を抑える成分が入ったものがおすすめです。また、オーガニックなら安心、と思いがちですが、植物の力は意外に強いので、実は荒れているときにオーガニックものに変えて刺激になってしまうことがあります。オーガニックのものでも、敏感肌用かどうかチェックを。肌がひどく荒れているときは化粧水を省いた方がいい場合もあります」
〈クリーム〉高保湿=こっくりではないと心得て
「潤いを閉じ込めてキープするクリームは必ず使ってほしいアイテム。保湿力をあげる=こっくりとした感触のものを選ぶ、となりがちですが、乾燥の程度に合わせて濃厚さを選ぶことが大切です。普段クリームを使っていなかった人が急にこってりしたクリームを使うと、肌に負担になることもあるからです。軽やかな感触でも保湿力が高いものもあるので、そういうものを選んで。外的ストレスは過敏な状態を助長しますが、手で肌に触れるとストレスホルモンが減ることもわかっているので、クリームを優しくすべらすように塗ったら最後にハンドプレスを。浸透を促すことも、肌の状態をチェックすることもでき、一石三鳥です」
〈日焼け止め〉長年日焼け止めを作っているブランドを選ぶ
「日焼け止め効果のある乳液や美容液もありますが、紫外線をカットすることを第一の目的としている日焼け止めを使いたいですね。美容成分が入っているタイプもありますが、それよりもこだわりたいのはUVカット成分の質。成分によっては長時間つけていることで劣化して肌荒れをおこすものもあるので、長年日焼け止めを作っている信頼できるブランドのものが安心ですね。日焼け止めは、圧倒的に必要量が塗れていない方が多いので、使用目安量をしっかり守り、フェイスラインまで顔全体を余すところなく塗るようにしましょう」














