2006年にニューヨークで誕生したル ラボ。それは時間と手間をかけて丁寧に作り上げられたフレグランスによって、香りを芸術に昇華した“スロー パフューマリー”だ。フレグランスのみならず、生活に寄り添い、洗練させるキャンドルやバス&ボディアイテムへの注目度も高まるばかり。その奥深い魅力を、すべてを知り尽くした「ル ラボ GINZA SIX店」ブティックマネージャー、高畑義夫さんが語る。
空間に溶け込みながら、確固たるスタイルが“香り立つ”キャンドルが登場
「アンブロキシド 17の香調は、ル ラボのフレグランスの中でも象徴的な存在であるアナザー 13にインスパイアされたもの。例えるなら従兄弟のような存在ですね。かつて英国のファッション&カルチャー誌「AnOther Magazine」とのコラボレーションで生まれ、現在は閉店してしまったパリの伝説的セレクトショップ『コレット』だけでしか手に入らない特別なプロダクトでした。柑橘など揮発性の高い香料が入っていないので、最初は繊細なノートがわかりにくいんです。でも、少し時間が経つと、その人自身の香りと混ざり合って、ふとした瞬間に魅力的なムードをかもし出す。やみつきになるお客様も多く、ちょっとクセになるんです。アンブロキシド 17もムスキーでいてミニマル。無機質でミステリアスな気配も漂います。ル ラボの店内のイメージにいちばん近い香りともいえるかもしれません。マイルドで、空間を邪魔しないので、どんなインテリアの部屋でもマッチして、都会的な雰囲気を楽しんでもらえます。和室で灯しても素敵ですね」(高畑義夫さん。以下同)
香りのプロフェッショナルが解き明かすアディクティヴな吸引力の秘密
フレグランス上級者から、モードラバーまでさまざまな人を虜にする香り。ブランドについてはもちろん、フレグランスそのものについてもエキスパートであり、接客は彼でなくてはという、ファンの顧客たちの絶大な信頼を得ている――。そんな高畑さんが、誰をも惹きつけてやまないその本質に迫る。
「シンプルでミニマルゆえの美しさとか、“真髄”を突き詰める哲学があること。ル ラボの良さであり、私自身が大好きなところです。だから、販売しているとき、『高畑さん、お店の雰囲気にしっくりときてるね』なんて言っていただくと、とてもうれしい。私たちは販売員を“ソウル”と呼んでいるんですが、ブランドの魅力を伝え、そのスピリットを受け継ぐ語り部のような存在でありたいと思っています。香水が好きなお客様と語り合い、分かち合う時間は楽しくて、つい時間が長くなってしまい『愛があふれすぎ』といわれたこともあります(笑)」
人々を魅了する高畑さんの香水への愛をシェアする時間。香りを通じて驚きと発見、これまでにない自分に出会えるセッションの魅力の一つでもある。
「たとえば、パフュームに『サンタル 33』という名前がついているからといって、サンダルウッドの香りがするとは限らない。『ローズ 31』も、直接的にバラを感じるような安直なものにはなっていない。お客様をよい意味で裏切りたいのもル ラボなんです。今、大人気の『マッチャ 26』も、抹茶そのものを表現してはいなくて、お茶を点てている空間やその時間、そこに流れる静けさをイメージしていて。その中で、ご自身で『お茶らしさ』を見つける、嗅覚の旅をしていただきたいと考えています。それぞれの香りと向き合い、解析して感じることは、ひとり一人違っていいですよね。コミュニケーションをとるうちに、その方が想定していた香調と異なる製品をご紹介することもあるのですが、自分が好きだと思っているノート以外にも、似合うものはあるかもしれない。『見立ててもらったら、まとう香りの可能性が広がった』という声をいただいたこともあり、新しい自分の発見というのも、香り選びの醍醐味のひとつです。ル ラボにはさまざまなタイプのプロダクトがあるので、ご自身の知られざる側面に光を当てられるのかもしれません」
店舗に反映されるブランド哲学に息づくのは、「侘び寂び」の精神
モダンなブティックに一歩足を踏み入れれば、まるでニューヨークの街にいるような気分に。その中でひときわ存在感を放つのが、製品が並べられた什器だ。店内で静かに佇むそれらは使い込まれたものばかり。壁や床にも、あえて年月を経たような仕上げが施され、落ち着いた空間を作り上げている。ちなみに、「ソウル」たちが身につけているワックス加工が施されたエプロンも、エイジングを味として楽しめるアイテムのひとつだとか。
「ル ラボでは、クラフツマンシップを重んじており、使い古されたものを店内什器として再利用。ブランドの哲学としているのは、日本独自の美意識であった『侘び寂び』の概念。そのひとつが『時を経て、変わっていく姿こそ美しい』ということで、どこかで長く使い込まれたものには、人の手の温もりも感じられますよね。控えめで質素なものの美を重んじているからこそ、製品のボトルやパッケージをはじめ、無駄なものをそぎ落とし、ミニマルに徹しています」
多くのファンに愛されるル ラボ。製品そのものはもちろん、香りを閉じ込めたボトルやパッケージでも唯一無二の“物語”を体験できる。
「フレグランスのボトルも、装飾は一切省いてとてもシンプルにしていますが、それは香りそのもの、中身で勝負しているからこそ。貼られたラベルも薬瓶のように素っ気なく見えますが、書体にはこだわりがあるし、入れる内容をパーソナライズできるのも、ル ラボならでは。お客様には、『結婚してください』と『受け入れます』というメッセージをラベルに記し、香水を贈り合ったカップルもいらして、とても素敵だなあと思いましたね。その方らしさをラベルで演出できるのも、魅力のひとつだと思っています」
「アンブロキシド 17」と楽しみたい、「アナザー」の香り
「アンブロキシド 17」の香りの着想源となったフレグランス。イギリスのファッション&カルチャーマガジン「AnOther Magazine」とのコラボレーションで生まれたプロダクト。ムスクをベースにジャスミンやモスなどのノートが溶け合って、魅力的な芳香を放つ。
「アナザー 13」と同じノートのシャワージェル。肌を優しく包み込む、濃密な泡立ちにうっとり。洗い流した後もふわりと優しく香り立つ。
「アナザー 13」のムードを気軽に楽しむなら、ボディ ローションを。なめらかにのび広がり、肌にみずみずしいうるおいをもたらす。フレグランスをつける前に下地として仕込み、香りをより際立たせるのもおすすめ。
ル ラボの世界観を反映した香りから、待望のトラベルセットが登場!
【サンタル 33】
ブランド象徴するフレグランス「サンタル 33」からトラベルセットがこの春登場。シャンプー、コンディショナー、シャワージェル、ボディローションとポーチ、「ソウル」のエプロンと同じ、味のあるワックス加工を施した生地を用いたポーチがセットに。「ローズ 31」の香りもラインナップ。
【ヒノキ】
高野山の麓の寺を囲む檜の木に着想を得た神秘的で温かい「ヒノキ」は、ル ラボのバス&ボディ製品で人気な香り。シャワージェル、シャンプー、コンディショナー、ボディクリーム、ポーチがセットに。癒しのひと時も保湿ケアに余念なく。
【ショップリスト】
ル ラボ 代官山
ル ラボ 青山
ル ラボ GINZA SIX
ル ラボ 渋谷パルコ
ル ラボ 二子玉川
ル ラボ ニュウマン新宿
ル ラボ 京都
ル ラボ 阪急うめだ本店
ル ラボ 高島屋大阪店
ル ラボ 日本橋三越本店
ル ラボ お客様相談室
https://www.lelabofragrances.jp/
0570-003-770