自己再生力、成分ブーム、肌診断…… スキンケアへの意識が高まった一年
2024年を振り返って注目すべきスキンケアトピックスはありましたか?
平(以下T) 大賞に選ばれたクレ・ド・ポーの美容液に然り、肌の機能アップに働きかけるアイテムが年々増えていますね。
貴子(以下TA) 大気汚染やストレス指数の上昇の影響などで肌のバリア機能が脆くなる人が増えて、自己再生力を高めることに関心が集まっているのでは。
MICHIRU(以下M) メイクアップをしていても敏感肌の人が多くなったと感じます。スマホの影響か、みんな目もとも疲れていて。それに対抗するかのように、アイクリームの進化がめざましい!
T 繊細になった肌のお手入れ需要からか、抗炎症効果のあるグリチルリチン酸配合のアイテムが続々と。なかでも生まれ変わった雪肌精の化粧水は名品です。
ベタつく春夏の肌、これに救われました (貴子さん)
甘草由来のW-グリチルレチン酸ステアリルを配合。穏やかな使用感でシミと肌荒れを同時にケアできる。
TA グリチルリチン酸は他のどの美容成分とも相性がよいし、いまや入っていないものの方が少ないのでは?
M 注目されている成分からアイテムを選ぶ人が増えたのも、今年らしい傾向ですね。また、ただ落とすだけじゃない+αの機能がある洗顔やクレンジングが大充実。私はオフのステップがスキンケアの要だと考えているので興味深いです。
TA 同感です。よく「皮脂が一番自分に合う保湿成分だから、メイクアップの汚れはオフしつつ油分もちゃんと残して」という話をするけれど、それを誰もが簡単に実践できるアイテムが増えています。
T あとに使う化粧水の浸透を高めるブースター機能を搭載した洗顔料なども潤沢ですしね。成分を発酵させてポテンシャルを底上げするのはもはやデフォルトですが、その技術をクレンジングにも生かしたFASの着眼点はすごいなと。
"発酵"も今年のキーワードです! (平さん)
マイルドピーリング作用を持ちながら肌に負担感の少ない京都産発酵はちみつエキスを独自開発。ダブル洗顔不要で大人の肌をつるりと磨き上げる。
TA メイクアップを落とすステップでいかに必要な潤いを守り抜けるかが、日中の肌の状態にも顕著に影響しますよね。
M はい。その一方で、肌をこってり濃密に保湿して、そのとろみが表面に残った結果、メイクアップが崩れやすくなることもよくある。化粧持ちを高める点でも、美肌を育む点でも、スキンケアの浸透感はすごく大切だと思います。
T その重要性にみんなが気づき始めたのもあって、どのスキンケアも肌なじみが本当によくなっている。セルヴォークのハイエンドライン、セルリュクスなんかは、オイルとは思えないほど軽やか。
TA たしかに、ぬるつきとは無縁の〝ベルベットスキン〟に近づける。肌内の循環をよくするビタミンPのおかげかも。
肌機能全般を底上げしてくれる (MICHIRUさん)
植物オイルを黄金比でブレンドし、皮脂にも水分にもよくなじむブースター。低熱発酵したツバメの巣で根本的なエイジングケアを目指す。
M 一本で多機能。しかも朝も使いやすく、シンプルケア派にはありがたい。
TA こういうなじみのいいアイテムが増えたのは、単にテクスチャーがよくなっているだけではなく、デリバリー技術の向上によるところが大きいのかなと。たとえば第9世代になるクラランスのダブル セーラム。アップデートのたび、肌にぐんぐん入っていく感覚が増すのに驚かされます。他にも有用成分を肌の奥まで届けるオイルカプセル配合のスキンケアなどが目白押しでしたよね。いくらいいものが入っていても、ちゃんと浸透しなければ意味がないですから。
素早く混ざる二層式が優秀! (貴子さん)
皮脂膜を模倣した水分7:油分3の二層式で抜群の浸透感。不規則な生活が加速させる老化のサインにアプローチし、あらゆるエイジング悩みを改善に導く。
T 今年は絶妙な比率で油分が含まれている化粧水も多かった。それによって肌の水分を引き込む力がものすごく高まるんですよね。また、個人的に外せないヒットは、メグリーの炭酸入りミスト!停滞した大人の肌を巡らせるには、炭酸こそが必要だったんだなと!
M 充電不要のカートリッジ式なんですね。メイクアップの上からも使えるの?
T 使えます。インスタライブの前に出演者がみんな吹きかけているというエピソードがあるほど、くすみやむくみが軽減されて肌キメが改善される。ダマされたと思って使ってみてほしい。
巡りがよくなるので肩や脚に使っても (平さん)
デバイスに炭酸ガスと専用の化粧水をセットすると毛穴の約1/15サイズのミストになって角層の最深部へ。#2は5種のビタミンC誘導体配合でくすみがスピーディに晴れわたる。
TA 好きすぎてセールスマンみたいになっている(笑)。私は店頭でもアプリでも、本格的な肌診断を受けられるブランドが増えているのが印象的でした。花王のエストはその診断結果に合わせて選べる化粧水を発売したりね。
M 世間では自分の肌をちゃんと知りたい気持ちが高まっている。それを踏まえてスキンケアもメイクアップも的確に選びたいというのがトレンドですよね。
T ビューティにも効率化の波が!
TA この一年で美容医療もさらに一般的になったし、来年はそれに着想を得たアイテムがもっと増えるのでは?
M リアルとバーチャルの距離を縮めるアプローチですね。でもそこにとらわれすぎず、生まれ持った自分の肌を慈しんでほしいという想いは不変です!