レジデンシー・ショーとは、アーティストがラスベガスのホテル内にある劇場で、長期にわたって開催する定期公演のこと。マライア・キャリー(55)やブリトニー・スピアーズ(42)など、名だたるシンガーが行ってきたが、その先駆者と言われているのがセリーヌ。
有名ホテル、シーザース・パレス内にセリーヌのために建てられた劇場「コロシアム」で、2003年より16年間にわたって全1,141公演を行い、ラスベガスのレジデンシー公演史上、最高収益、最高動員数、最高公演数を記録した。
アデルは、そのセリーヌ専用劇場「コロシアム」で2022年11月よりレジデンシー公演を開催しており、延長を重ねながら、今年11月、いよいよ幕を閉じる予定となっている。そんなラスベガスのレジデンシー・ショーの女王2人が今回、お互いにとって特別な場所で感動的な出会いを果たし、この貴重な対面シーンは瞬く間にSNSで拡散された。
米サイト『E! NEWS』によると、アデルは「When We Were Young」の演奏中、ボックス席に座っていたセリーヌの姿を見つけ、パフォーマンスを中断して観客席へ。
感動の面持ちでセリーヌにひしと抱きつき、感極まった2人は涙を流しながらハグ。交互に相手の顔を両手で包み込みながら、言葉を交わした後、セリーヌはむせび泣くアデルの手にキスをし、互いの手を取り合った。米サイト『Entertainment Tonight』が投稿した映像では、ファンが「オーマイガッ」と興奮気味に連呼する声も聞こえている。
アデルが立ち去ると、セリーヌの双子の息子ネルソン・アンジェリルとエディ・アンジェリル(14)が、涙を拭うセリーヌに腕を回して、慰めている様子も見受けられたという。ステージに戻ったアデルは、観客に向かって「セリーヌ・ディオンに拍手を!」と呼びかけ、「私の最も好きな人の1人よ」と紹介。熱狂するファンの大歓声に応えてセリーヌは立ち上がり、スタンディングオベーションを浴びた。
英『BBC』の取材に応じた、あるファンは「これは本当にセリーヌが誇らしげに、アデルにバトンを渡しているような感じでした。そしてアデルが彼女にハグしたとき、みんなが同じことを感じたと思います」と語ったという。
アデルが長年セリーヌの大ファンであることは有名で、2017年、グラミー賞でアデルの楽曲「Hello」が年間最優秀楽曲賞を受賞した際、トロフィーを渡したのは、自身も5度グラミー賞を受賞しているセリーヌだった。
米誌『Us Weekly』によれば、アデルは翌2018年1月、当時コロシアムで2度目のレジデンシー公演を行っていたセリーヌのショーに行き、バックステージを訪問。
セリーヌの顔がプリントされたスウェットを着用した自身の写真とともに、インスタグラムに「セリーヌ女王!」と書き込み、こう続けた。「なんてショーなの。間違いなく私の人生のハイライト。観客への気配りとあり得ないほどのユーモアを本当にありがとう」。
それに対し、セリーヌも「アデルが来てくれたことに興奮したわ。彼女のことが大好きなの!」と当時、SNSに感謝の気持ちを綴っている。
2021年には、アデルはあるファッション誌のQ&A動画に出演した際、「自慢の逸品」を聞かれ、セリーヌが噛んだガムを額装したものだと発言。
セリーヌが人気司会者ジェームズ・コーデン(46)の番組内の大ヒットコンテンツ「カープールカラオケ」に出演したときに、アデルがどれだけセリーヌのファンかを知っているジェームズが、彼女が噛んでいたガムを紙に出してもらい、額装して、プレゼントしてくれたと明かしている。
今回の感動的な対面の後、アデルはセリーヌとの写真をインスタグラムに投稿。「コロシアムのセリーヌ・ディオンの部屋で約2年間パフォーマンスをしてきて、残りあと4週間! ここは私がベガスでプレーしたかった唯一の会場。なぜならセリーヌのために建てられた場所だから」と想いを綴った。
また毎晩、セリーヌの写真に力をもらってステージに臨んでいたと打ち明け、「彼女が今週末ショーに来てくれたのは驚きでした。最高の瞬間だった!!」と続けた後、セリーヌをメンションし、「本当に本当に大好き」とコメント。
「土曜日の夜のことをこれから永遠に忘れない。あなたとそこにいることは私にとって、一周まわって原点に戻ったような素晴らしい瞬間だった。本当にありがとう」と赤いハートをつけて長いキャプションを締め括った。
そんなアデルは、11月23日(現地時間)にこのレジデンシー公演が終了後、「信じられないくらい長い間」音楽活動から離れるつもりだと宣言している。