2015年の映画『リリーのすべて』でトランスジェンダーの主人公を演じたエディ・レッドメイン(39)が、出演したことを後悔していることを明らかに。
俳優のエディ・レッドメイン(39)が、2015年の映画『リリーのすべて』で主人公リリー・エルベを演じたのは「間違いだった」と、英紙『The Sunday Times』のインタビューで語った。
『リリーのすべて』は、世界で初めて性別適合手術を受けた画家リリー・エルベをモデルにした小説の映画化。リリーを演じたエディは2016年のアカデミー賞で主演男優賞にノミネートされ、妻ゲルダ役を演じたアリシア・ヴィキャンデル(33)はアカデミー賞助演女優賞を受賞。高い評価を受け、エディの代表作のひとつと言える。
エディは、スティーヴン・ホーキング博士(享年76)を演じた映画『博士と彼女のセオリー』で、2015年のアカデミー賞授賞式で主演男優賞を受賞。米誌『People』によると、エディがキャスティングされなかったら、『リリーのすべて』は製作されなかったという意見もあるのだとか。
役作りにあたり、あらゆる年代のトランスジェンダーの人々に会って話を聞いたというエディの演技は、高く評価された一方で、当時からトランスジェンダーの役をトランスジェンダーでない俳優が演じることへの批判の声があがっていたという。
そうした批判に対し、エディは「今だったら、あの役を引き受けないよ。よかれと思ってあの映画を作ったけれど、間違いだったと思っている」とコメント。さらに「キャスティングに関する最大の問題点は、多くの人々が意見を言う機会を与えられていないこと。公平性が必要だ。でないと私たちは、この先も同じような議論を続けることになるだろうね」と語った。
2020年に主演作『ファンタスティック・ビースト』シリーズの原作者J.K.ローリング(56)が、トランスジェンダーの人々の存在を否定するようなツイートをしたことで炎上した際、「ジョー(=ローリング)の発言には賛同しない」との声明を発表したエディ。トランスジェンダーの人々を尊重する姿勢を示したことでも知られる。
トランスジェンダーの役はトランスジェンダーの俳優が演じるべきかどうかは、現在も議論が続いている問題。今回のエディの発言がこの問題に影響を及ぼすのか。今後の展開にも注目していきたい。