2022.03.30

ウィル・スミスの平手打ち騒動、その後の結末は? 祝・受賞『ドライブ・マイ・カー』、BTSサプライズ映像、ビヨンセの圧巻パフォーマンスまで/アカデミー賞2022ハイライト

授賞式で起きたハプニングから、圧巻のパフォーマンスまで。第94回アカデミー賞授賞式で注目すべきハイライトをピックアップ。

2022年3月27日(現地時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催された第94回アカデミー賞授賞式。日本からは、濱口竜介監督(43)の『ドライブ・マイ・カー』が、作品賞、監督賞、脚色賞、国際長編映画賞の4部門にノミネート。日本映画として初めて作品賞にノミネートされる快挙を成し遂げたほか、2008年に公開された滝田洋二郎監督(66)の『おくりびと』以来13年ぶりに、国際長編映画賞を受賞し、大きな話題を呼んだ。
Photo : Getty Images
そして、一際スポットライトを浴びたのが、作品賞、脚色賞、助演男優賞の3冠を達成した『コーダ あいのうた』。助演男優賞を受賞したトロイ・コッツァー(
53)は男性のろう者の俳優として、初めてアカデミー賞の俳優賞を受賞。「ここに立つことが出来るなんて、本当にすごい。信じられない」と手話でスピーチし、会場は盛大な拍手に包まれた。

Photo : Getty Images
Photo : Getty Images

2年ぶりにドルビー・シアターで開催され、コロナ前の盛り上がりを取り戻したアカデミー賞。ここでは波紋を呼んだウィル・スミス(53)の平手打ち事件から、ビヨンセ(40)のオープニングパフォーマンスまで、アカデミー賞で注目すべきハイライトをお届け!

ウィル・スミスが激怒! クリス・ロックを平手打ちし、会場は騒然。その後アカデミーは声明を発表


『ドリームプラン』で主演男優賞を受賞したウィル・スミスが、妻のジェイダ・ピンケット・スミス(50)のヘアスタイルをジョークにされたことに激怒。プレゼンターのクリス・ロック(57)を平手打ちするという、前代未聞の事件が起きた。

Photo : Getty Images
Photo : Getty Images

長編ドキュメンタリー部門のプレゼンターとしてステージに登場したクリスが、「ジェイダ、大好きだよ。『G.I.ジェーン2』が待ちきれないよ」と、映画でデミ・ムーア(59)が演じた坊主頭のキャラクターになぞらえて、ジェイダのヘアスタイルをジョークに。これを聞いたウィルは、席から立ち上がりステージ上のクリスの元へと向かうと、平手で顔を引っ叩いた。

ジェイダは昨年、脱毛症に悩まされていることを告白、髪を短く剃り上げることを宣言していた。そんな妻を侮辱されたことに激怒したウィルは、座席に戻ってからも放送禁止用語を交え「妻の名前を口にするな!」と叫び、会場は異様な空気に包まれた。
Photo : Getty Images
その後ウィルは、第94回アカデミー賞主演男優賞を受賞。受賞のスピーチでは、涙を流しながら謝罪の言葉を語り、俳優の先輩であり、友人のデンゼル・ワシントン(67)から「最高の瞬間には悪魔が囁く。その誘いに負けてはならない」と助言を受けたと明かして、感謝した。

一連の騒動について、ウィルは3月28日(現地時間)に自身のインスタグラムを更新し、「私に対するジョークは仕事の一部だが、ジェイダの病気に関するジョークは耐え難く、感情的に反応してしまった。クリスに公に謝罪したい。私は一線を越えていたし、間違っていた」とクリスに謝罪。

この投稿をInstagramで見る

Will Smith(@willsmith)がシェアした投稿

続けて、「私の行動は、私が目指す男性像とは程遠いものだった。愛と優しさのある世界に、暴力の居場所はない」と語り、「私の振る舞いが(アカデミーに関わる人の)素晴らしい旅を汚してしまったことを、深く反省している」とアカデミー、番組プロデューサー、出席者、世界中の視聴者などに向けて謝罪し反省の言葉を綴った。

一方、クリス側は「被害届は出さない」と警察に意向を示したが、授賞式を主催する映画芸術科学アカデミーはウィルを非難し、正式な調査を行うと発表。3月30日(現地時間)に理事会を開催することを明らかにした。米各メディアはオスカーはく奪などの可能性も高いと報じている。各所に波紋を呼んだ今回の事件、解決にはもう少し時間がかかりそうだ。

60周年を迎えた「007 ジェームズ・ボンド」シリーズを、豪華アスリートたちが紹介!


60周年を迎えた「007 ジェームズ・ボンド」シリーズの紹介のため、北京オリンピックをもって現役引退を表明したスノーボード選手のショーン・ホワイト(35)、スケートボード界のレジェンド、トニー・ホーク(53)、さらにサーフィン界のスター、ケリー・スレーター(50)という、横乗り系スポーツの御三家が集結。

Photo : Getty Images
Photo : Getty Images

「私たちはそれぞれのスポーツでゲームチェンジャーになろうと最善を尽くしてきたが、ジェームズ・ボンドが半世紀以上にわたって、私たちの文化や映画のスタイルに影響を与えるゲームチェンジャーであり続けたことは、疑いの余地がない」と、アスリートならではの目線で、大人気シリーズへの賛辞を述べた。

レジーナ・ホールが独身男性限定で“コロナ検査”を実施⁉︎


司会を務めた俳優のレジーナ・ホール(51)が、授賞式に参加していたブラッドリー・クーパー(47)やティモシー・シャラメ(26)、シム・リウ(32)、タイラー・ペリー(52)といった独身男性たちをステージにあげ、“コロナ検査”と称したボディチェックを敢行。

Photo : Getty Images
Photo : Getty Images

レジーナは、授賞式前に出席者たちが受けたコロナ検査の結果の一部が紛失したと説明し、「ショーを始める前に、舞台裏で緊急の検査をしなければいけなくなったの。心配しないで、ランダムで選んだ数人だけよ」と前置きした上で、ステージ上に前述の4人を呼び上げた。

色々と理由をつけてボディチェックを続けるレジーナに、俳優たちはタジタジ。レジーナの一連の言動はセクハラにあたるとして問題視する声もあがり、物議を呼ぶ演出となった。

テニスコートから生中継! ビヨンセがオープニングパフォーマンスを披露


『ドリームプラン』の主題歌「Be Alive」で歌曲賞にノミネートされたビヨンセが、オープニングパフォーマンスを披露。『ドリームプラン』のモデルとなった女子テニス界最強の姉妹、ビーナス・ウィリアムズ(41)&セレーナ・ウィリアムズ(40)が練習に励んでいたという、ロサンゼルス郊外のコンプトンにあるテニスコートから、生中継でパワフルな歌声を会場に届けた。

『ミラベルと魔法だらけの家』のキャストが、大人気の劇中曲を熱唱!


長編アニメ映画賞を受賞したディズニーミュージカル作品『ミラベルと魔法だらけの家』のキャストが集結し、劇中曲「We Don’t Talk About Bruno(邦題:秘密のブルーノ)」を披露。同曲は『アナと雪の女王』の「Let It Go」を超え、ディズニー音楽としては1993年に発表された『アラジン』の主題歌「A Whole New World」以来となる全米シングルチャート1位を記録した大ヒット曲。

歌唱途中には、メーガン・ジー・スタリオン(27)がサプライズ登場し、魅惑の歌声でキャスト陣と会場を盛り上げた。

事前に発表していなかったBTSがサプライズ映像で出演!

事前収録とはいえ、まさかの登場に視聴者たちは大喜び。『Favorite Film Musical With BTS』と題された動画では、メンバーそれぞれがディズニーやピクサーなどアニメーションへの愛を語り賛辞を送った。まずジミンは『リメンバー・ミー』をお気に入りの作品に挙げ、RMは「それは真の傑作!3回観て、本当にたくさん泣きました」と熱弁。「本当にピクサーの作品は想像を絶するほどすごい」とV、ジミンは「僕は泣かなかったけど」と付け加えた。
「私は全体的にディズニー映画が好きです」とJ-Hopeが語ると、続けてジンは「ディズニー映画からものすごく感情に刺激を受ける」と発言。そしてJ-Hopeが「『アラジン』が本当に好きです」と語ると、RMは「アラジン、ウィル・スミスに敬意を!」と実写版のジーニー役を務めたウィルへの賛辞を送った。 そのほか、第94回アカデミー賞の受賞作品一覧をチェック!第94回アカデミー賞受賞作品一覧

作品賞 『コーダ あいのうた』監督賞 ジェーン・カンピオン/『パワー・オブ・ザ・ドッグ』
主演男優賞 ウィル・スミス/『ドリームプラン』主演女優賞 ジェシカ・チャステイン/『タミー・フェイの瞳』助演男優賞 トロイ・コッツァー/『コーダ あいのうた』助演女優賞 アリアナ・デボーズ/『ウエスト・サイド・ストーリー』
脚本賞 『ベルファスト』脚色賞 『コーダ あいのうた』撮影賞 『DUNE デューン 砂の惑星』美術賞 『DUNE デューン 砂の惑星』音響賞 『DUNE デューン 砂の惑星』編集賞 『DUNE デューン 砂の惑星』作曲賞 『DUNE デューン 砂の惑星』歌曲賞 「No Time To Die」/『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』衣装デザイン賞 『クルエラ』メイクアップ&ヘアスタイリング賞 『タミー・フェイの瞳』視覚効果賞 『DUNE デューン 砂の惑星』国際長編映画賞 『ドライブ・マイ・カー』長編アニメ映画賞 『ミラベルと魔法だらけの家』短編アニメ映画賞 『The Windshield Wiper(原題)』短編実写映画賞 『The Long Goodbye(原題)』短編ドキュメンタリー賞 『The Queen of Basketball(原題)』長編ドキュメンタリー賞 『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』

1/4
ウィル・スミスの平手打ち騒動、その後の結の画像_1
(左から)ウィル・スミス、濱口竜介監督、トロイ・コッツァー
2/4
ウィル・スミスの平手打ち騒動、その後の結の画像_2
クリス・ロックを平手打ちする、ウィル・スミス
3/4
ウィル・スミスの平手打ち騒動、その後の結の画像_3
(左から)トニー・ホーク、ケリー・スレーター、ショーン・ホワイト
4/4
ウィル・スミスの平手打ち騒動、その後の結の画像_4
(左から)レジーナ・ホール、シム・リウ、ブラッドリー・クーパー、タイラー・ペリー、ティモシー・シャラメ
FEATURE