6週間にわたって行われていた、ジョニー・デップ(58)が元妻アンバー・ハード(36)を名誉毀損で提訴していた裁判が、ジョニーの勝訴という結果で幕を閉じた。
6週間にわたって行われていた、ジョニー・デップ(58)が元妻アンバー・ハード(36)を名誉毀損で提訴していた裁判は、2022年6月1日(現地時間)、ジョニーの勝訴という結果で幕を閉じた。
陪審員は損害賠償として1,000万ドル(約13億円)、懲罰的損害賠償として500万ドル(約6.5億円)をジョニーに支払うようアンバーに命令。ただし、懲罰的損害賠償は判事の指摘によって、裁判が行われたヴァージニア州の上限である35万ドル(約4,500万円)に引き下げられることになった。
2018年12月にアンバーがジョニーからDV(家庭内暴力)を受けたという内容の書簡が米紙『ワシントン・ポスト』に掲載されたことを受け、ジョニーが名誉毀損でアンバーを提訴していた今回の裁判。主な争点は、①その書簡が名誉毀損にあたるか、②虚偽であるか、③悪意があるものか、の3点だったが、結果的に陪審員がそのほとんどを認める形になった。
判決が下された時、ジョニーはジェフ・ベック(77)のコンサートに出演するためイギリスを訪問しており、ライブ中継でその結果を見届けたという。また、判決の数時間後には自身のインスタグラムでコメントを発表。現在の胸の内を以下のように綴った。
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「(アンバーがジョニーからDVを受けたとして離婚を申請した)6年前、僕や僕の子どもたち、長年僕を支え信じてくれていた人たちの人生が、永遠に変わった。僕はメディアにより、とても深刻な“嘘の”犯罪を問われ、そこから悪質なコメントが延々と寄せられることになった。それはすごいスピードで世界中に拡散され、僕の人生とキャリアに甚大な影響を及ぼした」
「その6年後、陪審員たちは僕の人生を取り戻してくれた。心から感謝します。最初から、訴訟を起こす上での僕の目的は、結果がどうなろうとも真実を伝えるということだった。僕の子どもたちのためにも、僕を支え続けてくれた人たちのためにも。それを達成した今、とても安心している」
「世界中から届いた愛とサポート、優しさに圧倒された。真実を伝えようとした僕の行動が、男性であれ女性であれ、僕と同じ状況にいる人たちや、それを側で支えている人たちが諦めずに戦うための助けになっていることを願っている」
「ここに至るために自分の時間を犠牲にし、素晴らしい仕事をしてくれた判事、陪審員、裁判所のスタッフ、保安官の方々に感謝する。そして、勤勉で揺るぎない僕の弁護チームにも。新しい人生がようやく始まった。真実は決して滅びない」
さらに、ジョニーの弁護団も裁判所に集まった多くの報道陣とジョニーのファンを前に「ハード氏のデップ氏に対する主張は名誉毀損であり、いかなる証拠にも裏付けられていないもの」と、ジョニーの無実を改めて強調した上で、「この裁判が真実と正義を重んじる多くの人々の心に響いたことを、最も嬉しく思っています」と語った。
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一方、敗訴したアンバーも自身のインスタグラムにコメントを発表。「今、私が感じている失望は言葉で表せない」「山のような証拠も、大きな影響力、支配力を持つ私の元夫に立ち向かうには十分ではなかった」と、ジョニー側の“力”によって真実がねじ伏せられたとも取れる表現で、判決への失望を綴った。
続けて、「ジョニーの弁護団は、言論の自由という大切な問題を陪審員が見逃すようにすることに成功したと思う」とジョニーの弁護団を批判。「この裁判に負けて悲しい。でも、もっと悲しいのはアメリカ人として自分が持つと思っていた、自由にオープンに語る権利を失ったこと」と結んだ。
ついに終止符が打たれた、ふたりの泥沼裁判。ジョニーは一連の騒動を受け、大人気シリーズ『パイレーツ・オブ・カリビアン』や『ファンタスティック・ビースト』からの降板が発表されており、ファンからは抗議と悲しみの声があがっていた。一件落着となり、またジョニーの姿がスクリーンで見られる日も近いかもしれない。