エリザベス女王(享年96)の逝去にともない、一時休止していたSpotifyのポッドキャスト番組『アキータイプス』の配信を、2022年10月4日(現地時間)に再開したメーガン妃(41)。10月18日(現地時間)の最新エピソードでは、ヒルトンホテルの創業者のひ孫で、元祖お騒がせセレブとして有名なパリス・ヒルトン(41)をゲストに迎えた。
女性に対するステレオタイプをテーマに語る、このシリーズ。第1回目はテニス選手のセリーナ・ウィリアムズ(41)、第2回目にマライア・キャリー(52)と、豪華なゲストでも話題を呼んでいる。
第6回目となる今回のエピソードでは、まずメーガン妃が、下積み時代に出演した番組で、“美”だけを求められ、知性を無視されたという体験談を披露。その後、パリスと「なぜ女性の頭脳と美しさは、歴史的に対立してきたのか」を探るべく、見かけはよいが知性に欠ける女性を表す「bimbo(ビンボー)」という言葉について話し合っている。
パリスは長年、「おバカなブロンドガール」のレッテルを貼られてきたことに関し、リアリティ番組『The Simple Life』でニコール・リッチー(41)と共演した際、ニコールは“トラブルメーカー”役を、自分は“金持ちでおバカなブロンド”役に仕立てられたことがきっかけだったと発言。
当時、声色まで変えて、その役になりきることで、ステレオタイプと結びついてしまったと説明している。番組で演じたキャラクターと本来の自分が「曖昧」になり、メディアに対しては「漫画」バージョンの自分を描かなくてはと感じていたというパリス。「キャラクターの中で行き詰まって、迷子になったみたいに、自分が誰なのか忘れてしまっているような感じだった」と明かした。
それに対し、「ここは安全な空間だから」本当の自分になれると、パリスを安心させようとしたメーガン妃。“本当のパリス・ヒルトン”を描写するという試みで、パリスは自身を「水瓶座で動物が好き。シャイ。おてんばで、隠れオタク」などと表現した。
また二人は、パリスが10代の頃に寄宿学校で受けた虐待の経験についても話し合った。「自分が受けた痛みが目的に変わった」として、現在は児童虐待を防ぐための連邦法案成立を推進する提唱者として活動しているパリス。
「もしかしたら神様が私に虐待の経験をさせたのは、私がいつか、自分が少女の頃に必要としていたヒーローになって、拷問を経験する子供たちを救う手助けができるようにと、神様がくれた特別な贈り物なのかもしれないと思うほど」だと語った。
エピソードのまとめとして、パリスを先入観で判断していたことを後悔していると語ったメーガン妃。「私の自信は“可愛い”ではなく、“賢い”ことがすべてだったから、偏見や妬みの気持ちをパリスに向けていたのだと思う。自分がそんな感情を抱いていることが恥ずかしかったし、決めつけてしまって、申し訳なく思っている」、その頃は「彼女のことを知らなかった」からと告白している。
後日、米『Variety』誌の取材で、パリスとのインタビューはもっともチャレンジングだったと振り返り、それはパリスに対し、いかに多くの先入観を持っていたかに気づいたからだという。「とても神経質になっていることをまず本人に話した」と明かし、認めるのは恥ずかしいけれど、「見てきたことだけで彼女を判断していた」と続けた。
さらに先入観で人を見るのは好きではない自分が、パリスを羨ましく思っていたのは、「私は可愛く育っていない」からだと発言。“こんなに美しいあなたが?”と問われたメーガン妃は、「私は“賢いほう”だったから」と主張した。ポッドキャストでは、自身が大学で国際関係を学んだことやブエノスアイレスの米国大使館でインターンをした経歴にもふれている。
「パリスについて考えてしまったことの多くは、羨望や偏見でした。この2つはもっとも危険なもの」。自分が抱いていたパリス像が「彼女のトラウマや人生が作り出した」イメージだと知って、最終的に「偏見で判断してしまって、本当にごめんなさい」と本人に伝えたそう。
9月5日(現地時間)、英マンチェスターで行われた「ワン・ヤング・ワールド」サミットでは7分間の講演中、実に54回も「私」と発言したことで、ナルシストだと非難を浴びたメーガン妃。このポッドキャストでも、自分語りの前置きが長いとしばしば揶揄されているが、一方でインタビュアーとして優秀との声も。インタビュー“する側”になることで、パリスに対する偏見を払拭したように、自身にとっても学びの機会となっているのかもしれない。