2011年11月23日より世界同時配信されたNetflixの新ドラマシリーズ『ウェンズデー』。主人公ウェンズデーのダンスシーンがTikTokでバズり、セレブも反応するほど大きな話題に。主演のジェナ・オルテガ(20)が米TVトーク番組で、記憶に残る“名シーン”誕生の経緯を語った。
配信されるや否や大ヒットとなった人気ドラマシリーズ『ウェンズデー』。気難しく不気味な高校生、ウェンズデーを演じるジェナ・オルテガ(20)が、12月16日(現地時間)、ジミー・ファロン(48)が司会を務めるトーク番組『The Tonight Show』に出演。バズり中のダンスシーンは振付師なしの自作だったことを明かし、話題を呼んでいる。
Netflix配信初週での視聴時間が英語シリーズの過去最多記録を更新した『ウェンズデー』。すでに『ストレンジャー・シングス 未知の世界4』に次ぐ累計視聴時間を記録し、米『Variety』によると、Netflixで最も視聴されたドラマシリーズ歴代第2位となっている。
このドラマは、漫画家チャールズ・アダムス(享年76)のコミックから派生し、映画やアニメ、ドラマやミュージカルなどに展開されてきた人気シリーズ『アダムス・ファミリー』の長女ウェンズデーが主人公。
コメディ・ファンタジーの要素を持つ異色の学園ミステリーで、1990年代に大ヒットしたホラーコメディ映画『アダムス・ファミリー』(1991)のスピンオフ作品として、鬼才ティム・バートン(64)が製作総指揮として参加、全8話中4話で監督も務めている。
ジェナが演じるのは風変わりなアダムス一家の長女で、全寮制ネヴァーモア学園に通う高校生ウェンズデー。頭脳明晰、無口で冷めた皮肉屋で、人生で一度しか泣いたことがないキャラクターとして描かれており、キャサリン・ゼタ・ジョーンズ(53)演じる母親モーティシアとの関係もドラマのテーマのひとつとなっている。
ゴスファッションに身を包み、暗い面持ちで不気味な雰囲気を漂わせる“新ウェンズデー”は、おさげ髪に襟付きワンピース姿が印象的だった映画『アダムス・ファミリー』の“旧ウェンズデー”とそっくりなことも話題に。
映画2作でそのウェンズデーを演じ、天才子役として有名になったクリスティーナ・リッチ(42)も本作に出演している。
当該のダンスシーンが登場するのは、バートンが監督を務めた第4話『すばらしき夜の憂鬱』。学園で行われたイベントで、ウェンズデーがデート相手を前にインパクトがありすぎるダンスを披露し、またたく間にTikTokでトレンド入りした。
その独特かつ奇妙な動きはジェナが自分1人で、たった2日で作り上げたことを、トーク番組『The Tonight Show』の中で明かしている。
もともと制作側にはフラッシュモブのような集団でのパフォーマンスを希望されたそうだが、高校の“はみ出し者”ウェンズデーのキャラクター的にありえないと思ったというジェナ。
クールなダンスに反対したところ、バートン監督は振付師を断り、ジェナ自身に振り付けをやらせることに同意。撮影の1週間前、ジェナもお気に入りの曲だというザ・クランプスの『Goo Goo Muck』(1981)に合わせて踊ることが決まったという。
ジェナによると、ダンスシーン撮影の2日前に監督が彼女のトレーラーにやってきて、「やあ、ジェナ。君は振り付けを自分でやりたいと言ったよね」と念押しされたとのこと。「わかっているよ。君がずっと取り組んでいることは。それについて心配していない。君を信頼している」と監督に言われ、「もちろん、全部順調よ」と答えたが、実はまったく手をつけていなかったと告白。
多芸多才なウェンズデーを演じるにあたり、「ある週はチェロをやって、ある週はフェンシングをやって。全然時間がなくて…。どうしようって自分を責めていたし、なんてバカなんだろう」と思ったと打ち明けた。
「私はダンサーじゃない。その分野の経験がまったくない」というジェナは、そこから本腰を入れて、ダンスのインスピレーションになるものを見漁ったとのこと。
「2日間、寝なかった」ことを明かし、70年代の英ロックバンド、スージー・アンド・ザ・バンシーズのMVや古い映画、ネットで見つけた「ゴス系の子たちがクラブで踊る80年代の映像」など、「手に入るものは何でも」観たと話した。ついに撮影を迎えた時には、「よし。何が起こるか見てみようと思った」という。
さらに、60年代に人気を博したシットコムドラマ『The Addams Family』(1964-66)の初代ウェンズデーもダンスシーンのアイデアになったことを、ファロンに語ったジェナ。オリジナルのウェンズデーを演じたリサ・ローリング(64)へのオマージュとして「彼女がやっていたシャッフルダンスをちょっと踊った」ことを明かし、「もちろん、その部分は(編集で)カットされたけど、存在していることはわかっている」と笑った。
ファロンに“ウェンズデー・ダンス”がこんなにも人気になったことについてどう思うかを聞かれ、Netflix側に「きっとTikTokでバズるよと」と言われたが、「うんうん、わかった」と聞き流し、「なんでもいいやと思っていた」とジョークを飛ばしたジェナ。とはいえ、「彼らが興奮していて、ワクワクしているのはわかった。そして、彼らは正しかった」と認めている。
実は11月10日に公開された英NMEのインタビューで、ダンス撮影中にコロナの陽性反応が出て、セットから隔離されていたことをジェナ自らが暴露。SNSは制作側を批判する意見が相次ぐ事態となっていた。
しかし11月23日配信開始後は一転、象徴的シーンを再現しようと“ウェンズデー・ダンス・チャレンジ”が流行。TikTokで拡散され、セレブも巻き込む大ブームに!
全身ウェンズデー風のゴスアイテムを身に纏ったレディー・ガガ(36)は自身の曲「Bloody Mary」(2011)をスピードアップしたバージョンに合わせて、期待を裏切らないダンスを披露している。
またトレンドをいち早くキャッチすることで知られるキム・カーダシアン(42)と娘ノース(9)も、TikTokの親子アカウント@kimandnorthにレディー・ガガ版の“ウェンズデー・ダンス”を投稿。仲良し母娘のキュートなダンスで話題をさらった。
そしてカミラ・カベロ(25)は自身がコーチを務める米オーディション番組「ザ・ヴォイス」シーズン22のファイナリスト、モーガン・マイルズ(35)とともに、レディー・ガガの曲に合わせ、ジェナ演じるウェンズデーの動きを真似る動画を公開。
カミラもブラックのシアードレスとゴスメイクでなりきっているように、『ウェンズデー』はファッショントレンドとしても注目を集めている。
2022年12月11日(現地時間)、ゴールデン・グローブ賞のテレビドラマ部門でミュージカル・コメディ部門の作品賞に、ジェナは主演女優賞にノミネートされたことが発表され、快進撃が止まらない『ウェンズデー』。米『Deadline』 によると、シーズン2に向けて始動中との情報も。正式発表を楽しみに待ちたい。