スーパーモデルブームを牽引した一人として知られるモデルのタチアナ・パティッツ(享年56)が逝去。モデルの仲間達などファッション業界からも多くの追悼コメントが発表されるなど、悲しみが広がっている。
1990年代にスーパーモデルとして雑誌や広告、ランウェイで大活躍したタチアナ・パティッツが56歳で死去した。
タチアナのエージェンシーは、死因は乳がんであることを公表し、「彼女は息子、妹、両親を残し先立ちました。私たちは皆、深い悲しみに打ちひしがれています」とコメント。
「彼女は情が深く、優しく、広い心の持ち主であり、動物保護の熱心な支持者でもありました。その理由の一つは、野生の馬を守るためです」と彼女が晩年力を注いでいた活動を称えた。
ドイツで生まれ、スウェーデンで育ったタチアナは、1980年代にモデルとしてデビュー。写真界の巨匠として知られるピーター・リンドバーグ(享年74)が撮影した雑誌のカバーが注目を集め、その端正な美しさと気品溢れるオーラでファッション誌や広告に欠かせない存在に。
1990年には、スーパーモデルの豪華競演が話題となったジョージ・マイケル(享年53)の楽曲『Freedom!'90』のミュージックビデオに出演。シンディ・クロフォード(56)、ナオミ・キャンベル(52)、クリスティ・ターリントン(54)、リンダ・エヴァンジェリスタ(57)と共演し、トップモデルとしての地位を確立させた。
その後も雑誌やランウェイで活躍し続け、2019年にはエトロの2019-20秋冬コレクションのショーに登場。惜しくもランウェイでの姿はこれが最後となってしまった。
タチアナの死去が報じられると、スーパーモデル仲間たちが続々と追悼コメントを投稿。
シンディはタチアナとのツーショットと共に「美しい彼女が亡くなったと聞いて、とても悲しい。私たちはファッション業界に同時期に入り、一緒に育ってきた。撮影やショーの舞台裏で何度も一緒になった。彼女は話し方が柔らかく、繊細で優しく、好奇心が旺盛で、とても惹きつけられる瞳が印象的だった」と語り、タチアナの息子や家族に哀悼を捧げた。
ツーショットとともに、「美しいタチアナ、あなたは内面も外見も素晴らしい人間だった。常に美しく微笑んだような瞳で、優雅で、そして冷静だった。若い頃から何度も一緒に旅行して、素晴らしい思い出を共有した。幸せを感じるから、あなたの側にいることが大好きだった」とタチアナとの思い出を語ったのは、ヘレナ・クリステンセン(54)。
また、モデルのクラウディア・シファー(52)やアナ・ウィンター(73)らもSNSでタチアナへの追悼をコメント。スーパーモデルブームを牽引したタチアナのあまりにも早い逝去に、ファッション業界全体が大きな悲しみに包まれている。