「彼がいなければ、世界は違うものになっていた」。ナオミ・ワッツ、78歳で亡くなったデヴィッド・リンチ監督へ感謝の言葉を綴る

デヴィッド・リンチ監督(享年78)の訃報を受けて、俳優のナオミ・ワッツ(56)が悲痛の追悼コメントをSNSに投稿。俳優仲間からは「驚くほど美しい追悼文」などの声が寄せられた。

1990年代に人気を博したドラマ『ツイン・ピークス』や、映画『ブルーベルベット』(1986)などで知られるデヴィッド・リンチ監督(享年78)が亡くなり、ハリウッド界に衝撃が走った。

2025年1月16日(現地時間)、デヴィッドの家族はSNSを通して「デヴィッド・リンチは肺気腫との闘病の末、78歳で亡くなりました」と公表。世界中のファンたちが悲しみの声を寄せる中、監督の『マルホランド・ドライブ』(2001)でブレイクした俳優のナオミ・ワッツ(56)も自身のインスタグラムで追悼した。

「心が張り裂けそうです。私のバディ、デイヴ……彼がいなければ世界は同じではありません。彼のクリエイティブな指導は本当にパワフルでした」と綴ったナオミ。

また、「彼はわたしを有名にしてくれました。私は10年以上もの間、オーディションに失敗しながら、映画の世界に足を踏み入れようとしてきました。そしてついに、私は好奇心旺盛な男性の前に座りました。その男性は光を放ち、別の時代の言葉を話し、私を笑わせ、安心させてくれたのです」とデヴィッドとの出会いも語った。

投稿された複数の写真や動画は、ナオミがデヴィッドの頬にキスをしている場面や、顔を寄せ合っている写真など、仲の良さが伝わるものばかり。

2枚目の動画には、デヴィッドがナオミに平手打ちするよう促している様子が映っているが、これは役に入りやすいように「わたしの頬を強く叩け」というデヴィッドに対して、「やりたくない!(あなたを叩きたくない)」と答えたナオミを見て、デヴィッドが彼女の肩に腕を回しながら「なんてかわいい子なんだ」と声をかけている。

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Photo:Getty Images

ナオミはさらに深い賛辞を述べ、自分の人生に大きな影響を与えたのは、彼と彼の芸術だったと付け加えた。

「私に影響を与えたのは彼の芸術だけではありません。彼の知恵、ユーモア、そして愛が、私に今までに感じたことのない特別な自信を与えてくれました」。

「一緒にいるすべての瞬間に、見たことも、知ったこともない存在が満ち溢れているように感じました。おそらく、彼は変わった世界に生きていたからでしょう。その世界に少しでも関われたことは、とても幸運なことだと感じています。そしてデヴィッドは、その絶妙なストーリーテリングを通じて、すべての人にその世界を垣間見るよう誘い、それが映画を高め、世界中の何世代にもわたる映画製作者たちにインスピレーションを与えました」。

「彼が亡くなったなんて信じられません。心が張り裂けそうですが、私たちの友情に永遠に感謝しています。拡声器で叫びます。バディ・デイヴ、幸運を祈ります! 今までありがとう。幼い女の子より」と締め括った。

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Photo:Getty Images

ナオミは『マルホランド・ドライブ』以外に、デヴィッドが手がけた短編映画『ラビッツ』(2002)、ミステリー映画『インランド・エンパイア』(2006)、そして『ツイン・ピークス』のリブート版にも出演した。