ルクセンブルク大公国のフレデリック王子、遺伝性疾患により22歳で死去。父ロベール公子が息子との最後の会話を明かす

ルクセンブルク大公国のロベール公子(56)の息子フレデリック王子が22歳の若さで亡くなった。生前に彼が中心となって設立したPOLG財団のウェブサイトにて、病気の詳細や、父と息子が最後に交わした会話などが掲載されている。

2025年3月7日(現地時間)、ルクセンブルク大公国のアンリ大公(69)の従弟であるロベール公子(56)の息子フレデリック王子が、まれな遺伝性疾患であるミトコンドリア病との長い闘病の末に亡くなった。22歳だった。

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2020年に撮影された写真。左からフレデリック王子、母ジュリー王女、妹のシャーロット王女、ロベール公子 Photo:Best Image/アフロ

ロベール公子は、フレデリック王子が中心となって設立されたPOLG財団のウェブサイトにて、「私も妻も大変悲しい思いでおりますが、私たちの息子で、POLG財団の創設者でもあるフレデリックが亡くなりました」と発表した。

フレデリック王子は2月28日(現日時間)、自ら最後にもう一度家族全員と話したいと、兄のアレクサンダー王子や妹のシャーロット王女をはじめ、その他の家族を彼の部屋に招き、その翌日の3月1日(現地時間)にパリで亡くなったと明かされた。

またロベール公子は、「彼が私に最後に尋ねたのは、『パパ、僕のことを誇りに思ってくれますか?』でした。彼は数日間ほとんど話すことができなかったので、この言葉には驚きました」「その答えはとても簡単で、私は彼に何度も聞かせてやりました。彼はこのとき、短くて美しい人生でできる限りの貢献をしてきたということを確かめて安心したかったのでしょう」と、息子と最後に交わした会話を回想した。

ミトコンドリア病とは、遺伝子変異によって引き起こされる不治の病。フレデリック王子の場合は、生まれたときからこの病を抱えていたそうだが、発見されたのは14歳のときだったという。

「この病に悩む人は世界に3億人いると言われていますが、医師でも発見するのが難しく、家族は患者が何に苦しんでいるのか知る由もありません。フレデリックは14歳のときに診断されましたが、すでにかなり進行していました」。

フレデリック王子は病と正面から向き合っていたそうで、「この病気を持って生まれて良かった。僕がこの病気で死んでしまうとしても、両親に僕を救う時間がなかったとしても、他の子どもたちのことは救えるはずだ」と話していたとか。

ロベール公子は「フレデリックは、私のスーパーヒーローでした。私たち家族全員にとっても、多くの親友にとっても、そして今では彼のPOLG財団のおかげで、世界中の多くの人々にとってもそうなのです」とも綴っている。