英王室メンバーのフローラ・ヴェスターバーグ、30歳で自閉症の診断を受け、「予想外にも勇気づけられた」と語る。ロンドン大学で博士課程をスタートさせたことを発表

英王室メンバーとして初めて自閉症であることを明かしたフローラ・ヴェスターバーグ(30)。現在は美術史家として主にアート業界で活動する彼女が、ロンドン大学のコートールド美術研究所での博士課程をスタートさせたことをSNSで発表した。

2025年5月、雑誌に寄稿したエッセイを通して自閉症であることを公表したフローラ・ヴェスターバーグ(30)。ロンドン大学のコートールド美術研究所での博士課程をスタートさせたことを自身のインスタグラムで明かした。

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Photo:Getty Images

フローラは、故エリザベス女王(享年96)の従妹であるアレクサンドラ王女(88)の孫娘で、王位継承順位は現在61位。英王室メンバーだが独自の称号は持っていない。

エッセイによると、フローラは幼い頃から神経多様性(ニューロダイバーシティ)と向き合っていたというが、コートールド美術研究所での博士課程を開始する前に自身の状況を明確にしておきたかったそうだ。診断を聞いた後は、「予想外にも勇気づけられた」とフローラ。「この結果は自分自身に優しくなれるだけでなく、地域社会が私をサポートしてくれることにも繋がると確信しました」などと述べた。

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数々のファッションイベントにも招待されている Photo:Getty Images

そんな彼女は、ブリストル大学で美術史の学士号を、コートールド美術研究所で美術史の修士号を取得。現在は美術史家として講演や研究活動をはじめ、過去には老舗ジュエラーのアートイベントも主催してきた。

「自閉症の人にとって、これは考えにくいことかもしれません。しかし、ディミトリオス・パスコス博士(診断した精神科医)は『多くの自閉症の女性は、自分の違いを隠す、あるいはカモフラージュすることを学んでいきます。それは他人が(自閉症だと)気づかないほどです』と述べています」と話した。またフローラは、自身のさまざまな問題を対処するために、「自然の中で、静かで心安らぐ時間を作ることで、バランスを保っています」とも明かした。

そして最近、自身のインスタグラムでコートールド美術研究所での博士課程をスタートさせたことを明かしたフローラ。一緒に参加してくれた友人やサポーターに感謝の気持ちを伝えた。フローラの隣に写っているのは、彼女の夫で金融家のティモシー・ヴェスターバーグ。二人は世界中がパンデミックに陥った2020年に結婚。その翌年にセント・ジェームズ宮殿のチャペル・ロイヤルで結婚式を挙げた。

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セント・ジェームズ宮殿のチャペル・ロイヤルにて Photo:Getty Images

エッセイの中でフローラは家族についても触れており、「愛情深く支えてくれる家族の中で平和に育つことができたのは幸運でした。(中略)結婚5年目を迎えた素晴らしい夫にも感謝しています」と話している。

輝かしい経歴の裏で長年苦しんでいたが、診断後に「予想外にも勇気づけられた」と打ち明けたフローラ。その思いや今後の活躍が自閉症に悩む多くの人々の支えになることを願う。

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