"ナオミ・キャンベルの再来"と話題のアノック・ヤイ、先天性欠損症であることを公表。「この1年間、静かな闘いを続けてきました」

エジプト生まれのアメリカ育ちで、黒人モデルとしてナオミ・キャンベル(55)に次ぐ快挙を成し遂げたスーパーモデルのアノック・ヤイ(28)。先天性欠損症であることをSNSで公表した。すでにニューヨーク市内の病院で手術を受けており、現在は回復に向かっているという。

英国ファッション評議会が主宰するファッション・アワード 2025にて、その年に活躍したモデルに贈られるモデル・オブ・ザ・イヤーを受賞したスーパーモデルのアノック・ヤイ(28)。2023年、2024年に続く3回目のノミネートで初受賞したアノックが、先天性欠損症であることをインスタグラムで公表した。

2025年12月1日(現地時間)にロンドンで開催されたファッション・アワード2025に出席したアノック Photo:Getty Images

エジプト生まれのアノック。2歳のときに、スーダン西部のダルフール紛争に巻き込まれ、家族でアメリカに移住した。大学のときにイベントで撮られたスナップ写真をきっかけに、大手モデル事務所と契約を結んだ。そんなアノックの知名度を上げたのが、プラダの2018-19年秋冬コレクションでファーストルックに抜擢されたこと。プラダの1997年秋冬コレクションでナオミ・キャンベル(55)が黒人モデルとして初めてファーストルックを飾ったが、それに次ぐ快挙となり、瞬く間にファッション界の新星として注目を集めた。

2025年12月20日(現地時間)に28歳の誕生日を迎えたアノックだが、その前日の19日(現地時間)に、病室のベッドに横たわる自身の写真とともに長文のメッセージを投稿。

「この1年間、私は静かな闘いを続けてきました」とアノック。続けて、「偶然にも、先天性の欠陥があり、心臓に負担がかかり、肺がゆっくりと破壊されていることが分かりました」と書き続けた。

投稿に含まれる写真や動画には、ニューヨーク市にあるニューヨーク大学ランゴーン・ヘルス病院の病室のベッドに横たわり、本を読んだり、酸素吸入器から吸入したりしながら術後と見られるアノックの姿が写っている。

「私の人生の大半は無症状でしたが、長引く咳になり、それが胸の痛み、血を吐く発作、そして時には呼吸困難に陥るようになっていきました」などと病状を明かしつつ、「医師と適切な時期を探しながら、この状況を乗り越えることを選びましたが、『適切な時期』なんて来ないとにすぐに気づきました。私の健康状態は、悪化し続けるばかりだったのです」と記されている。

2025年10月18日(現地時間)に開催されたイベントにて Photo:Getty Images

米ゴシップメディア『People』は、「アノックは病名を伏せたが、American Lung Association(アメリカ肺協会)は『彼女はロボット肺手術を受けた』と明かした」と報じている。ロボット肺手術とは、外科医が操作する手術支援ロボットを使いながら、小さな孔(ポート)からカメラと多関節鉗子を挿入して行う低侵襲手術のこと。日本でも「ダヴィンチ」や「ヒノトリ」などという名のロボットが導入されているとか。

2019年2月に開催されたプラダのコレクションショーでファーストルックを飾ったアノック

アノックのメッセージは続き、「私はいつも、何事にも打ち勝つ、あるいは追い抜くことができると信じてきました。でも、宇宙には、人のペースを落とし、目覚めさせる力があるのです」と不安と闘ってきたことを告白。そして最後にアノックは、担当医師や関係者、家族や友人らに感謝を伝え、「今はまだ病院ですが……また戻ってきます。じゃあね❤️」と締め括った。

(左から)モデルのアドゥット・アケチ(25)、ナオミ、アノック。パリ・ファッション・ウィーク中のイベントにて。2019年9月30日(現地時間)に撮影 Photo:Getty Images

投稿には、多くのセレブやモデル仲間がリプライしている。ナオミは「愛と光と癒しを送ります……神があなたを覆い、守ってくれますように❤️❤️‍🩹」と綴った。ハイディ・クルム(52)は「早く良くなりますように❤️」と返答。また、ファッション・アワードに登場したイマン(70)は、「たくさんの愛と祈りを送ります❤️」と反応した。

新星モデルとして名を馳せた直後の悲劇に見舞われつつも、現在は回復中に向かっているというアノック。再びランウェイのステージにカムバックする日を心待ちしたい。