ビリー・アイリッシュ(22)が2024年3月28日(現地時間)に公開された米誌『Billboard』のインタビューで、アルバムを複数パターンでリリースするアーティストたちを批判。
環境にとって有害であると説明し、それを行っているのは「あなたの好きなアーティストたち」だと発言したことが、ネット上で話題に。米誌『Variety』によると、そういうアルバム販売を行なっている大物アーティストたちのファンから、ビリーを非難する声が相次ぐ事態となった。
中でも怒りを爆発させたのは、“スウィフティーズ”ことテイラー・スウィフト(34)のファン。
テイラーは今月19日(現地時間)にニューアルバムをリリース予定で、複数仕様のパッケージの予約販売をスタート。過去にも1枚のアルバムを何パターンにも発売していることから、一部のファンはビリーの今回の発言をテイラーに向けた批判と解釈したようだ。
ビリー自身も2021年に『Happier Than Ever』のLPを8バージョンリリースしたことが知られているため、Xには「なぜ彼女がテイラーを攻撃するのかわからない」といった書き込みが殺到した。
英メディア『Daily Mail』によると、記事が公開された週末、ビリーはインスタグラムのストーリーに、『Billboard』の記事をタグづけして、メッセージを投稿。
「実際に私が言ったことを『Billboard』の記事で読んでもらえたら、すごくうれしいんだけど」と反撃した。
そして「誰かを名指しするつもりはなかった。業界全体のシステム上の問題がある」と明言したビリー。
複数バージョンのパッケージについて、「すごくたくさんのアーティストが発売している。私を含めてね!」と「ME」を大文字で綴り、自分もその1人であることを強調。
そのことは「記事ではっきりと述べている」と念押しし、「気候危機は今、私たち全員が問題の一部だし、より良くしようと努力していることなの。なんてこった」と結んだ。
今回、母マギー・ベアード(65)とともに『Billboard』のインタビューを受け、自身の環境保護活動を中心に、音楽業界のサステイナビリティについて語ったビリー。
その中でインタビュアーは、8種類発売された『Happier Than Ever』のLPが100%リサイクル・ビニールとその他のリサイクル可能な素材で作られていたことなど、アルバムをよりサステイナブルなものにするための取り組みについて質問。ビリーはこう答えた。
「私たちはこの時代に生きていて、どういうわけか何人かのアーティストにとっては、いろいろな種類のレコードやパッケージを作ることがとても重要なの。それによって売り上げが伸び、数字が上がり、より多くのお金を得て……」。
母マギーが「まあ、アルバムが1位になるためには重要だから」と付け加えた後、「それがどれだけ無駄なことか、言い表すこともできないくらい」とビリー。
「サステイナブルであることに全力を尽くし、できる限りベストを尽くして、サステナブルであるようにチームのみんなを巻き込もうとしている人間として、本当にもどかしい」と続けた。
そして「世界有数のアーティストたちが、もっと買ってもらうためだけに、40種類の異なるパッケージのレコードを作っている。それはとても無駄なこと」と断言。
「私をイラつかせるのは、私たちがいまだに数字ばかり気にして、金儲けすることばかり考えているような段階にあることよ。そして自分たちが好きなアーティストがそんなくだらないことをやっている」と非難した。
そこで母マギーは、「でも公平を期すなら、問題はシステム的なものじゃない?」と投げかけ、ビルボードのヒットチャートで1位を獲りたいアーティストたちの「No.1ゲーム」を責めることはできないと主張。何かしらの制限を設けるべきだと提案した。
今回、ビリーが過剰消費を助長するものとして問題視したのは、「ビニール・バリアント」と呼ばれる、同じアルバムの異なるプレス盤のこと。
色、ボーナストラック、カバーアートなど、小さな変更が加えられており、このような“違い”があることで、熱狂的なファンは可能な限りバリエーションを揃えようとする。
この習慣は業界全体で拡大しつつあると米紙『New York Post』は報じており、最近ではオリヴィア・ロドリゴ(21)やアリアナ・グランデ(30)なども「ビニール・バリアント」の販売を行なっている。
『Daily Mail』によると、ビリーは今年2月、サードアルバムのマスタリングが終わったことを明かしており、リリースはアリアナ・グランデの最新アルバム発売後になるとほのめかしていたとのこと。新譜がどんな形態で発売されるのか、注目が集まりそうだ。