
世界が注目する大舞台でヘッドライナーを務めたバッド・バニーは、2020年、ジェニファー・ロペス(56)とシャキーラ(49)がヘッドライナーを務めたハーフタイムショーにゲスト出演したことも。ジェニファーは今回のショーの前にSNSで応援メッセージを投稿した Photo:Getty Images
2026年グラミー賞で3冠を獲得したバッド・バニーが、受賞からちょうど1週間後、スーパーボウル史上初めて、全編スペイン語でハーフタイムショーを行ったアーティストに! 音楽・演出・ゲストのすべてで自身のルーツを祝福した約13分間のステージは、国内外で大反響を呼んだ。

2026年2月5日(現地時間)、ボッテガ・ヴェネタのルックに身を包み、Apple Musicの記者会見に登場したバッド・バニー。プエルトリコ生まれの人々は米国市民権を持つため、法的には移民ではないが、米本土で暮らすプエルトリコ系住民は、社会的には移民と似た立場に置かれることがあるという Photo:Getty Images
米紙『USA TODAY』によれば、母語であるスペイン語で歌うバッド・バニーには、『Yonaguni(ヨナグニ)』という日本語で歌った曲はあるが、英語の曲はほぼないという。英紙『The Guardian』は、プエルトリコが米領であるにもかかわらず、「スペイン語でのパフォーマンスは非アメリカ的だ」との不満の声が一部であったと伝えているが、本人は事前インタビューで「ただ踊ってくれればいい」と語ったそう。

本人の意向で特定のチームを想起させないニュートラルカラーが採用されたトップスは、背面に「OCASIO」という家族の名字が入っているそう Photo:Getty Images
この日、スペイン語で本名の「ベニート・アントニオ・マルティネス・オカシオ」を名乗る場面もあったバッド・バニーは、スペイン発ブランドZARAによる特注の全身ニュートラルカラールックで登場。アメリカンフットボールのジャージ(ユニフォーム)風のトップスの「64」は、彼の母親の生年を示しているとの見方もあるという。

ダンサー、バンド、オーケストラの衣装もZARAが手がけたものとのこと Photo:Getty Images
足元はアディダスとのコラボスニーカー「BadBo 1.0」、腕には7万5,000ドル(約1,100万円)相当の18Kゴールドのオーデマ・ピゲの時計、左耳にはボール型ダイヤモンドピアスを着用。途中、同じくZARAのジャケットに着替え、最後は再びユニフォーム風スタイルに戻った。
ショーは、プエルトリコを象徴するサトウキビ畑のシーンでスタート。『The Guardian』によれば、国旗を掲げた若者が「ラティーノであることは素晴らしい。今日は飲むぞ!」と叫んだあと、バッド・バニーが姿を現した。

楽しそうにダンスを披露したジェシカ・アルバは「こんな素晴らしい歴史的瞬間の一部になれたなんて、なんとも誇らしい」とSNSに投稿した Photo:Getty Images
セットはネイルサロンやバーなど、地元プエルトリコの生活風景が丁寧に再現されており、中央にはバッド・バニーのライブでおなじみ、故郷の家を模したピンクの「La Casita(小さな家)」が。そのポーチには、ドミニカ系ラッパーのカーディ・B(33)、チリ系俳優ペドロ・パスカル(50)、メキシコ系俳優ジェシカ・アルバ(44)ら、ラテンにルーツを持つ豪華セレブが集結し、ダンサーとともにステージを盛り上げた。
また、プエルトリコ出身のリッキー・マーティン(54)が『Lo Que Le Pasó a Hawaii』を熱唱。英『BBC』は、この楽曲には自国の文化を失ってはならないという強いメッセージが込められていたと報じた。
レディー・ガガは自身のインスタグラムには「私を招待してくれたベニートに感謝します」などとつづった
最大のサプライズは、レディー・ガガ(39)の登場。ルアールのフラメンコ風カスタムドレスとショパールのジュエリーをまとい、ブルーノ・マーズ(40)とのヒット曲『Die With a Smile』をサルサ調アレンジで披露。

2017年にヘッドライナーを務めたレディー・ガガはスーパーボウル2度目の登場に。バッド・バニーとガガはお互いに大ファンなのだとか Photo:Getty Images
ドレスの胸元に添えられたプエルトリコの国花をあしらったコサージュは、ロンドンのピアース・アトキンソンによるカスタムメイドだという。

「El Apagón(停電の意味)」の曲ではバッド・バニー自らも電柱を登り、パフォーマンス。『BBC』は第一次トランプ政権時に起きた「ハリケーン・マリア」によるインフラ崩壊と犠牲者への追悼の意味が込められていると報じた Photo:Getty Images
『The Guardian』によれば、今回は演出全体で家族、コミュニティ、文化、愛や希望などが表現されており、電柱でラップする場面は、2017年のハリケーンによる停電被害の象徴でもあったという。
また、新郎新婦が結婚式を挙げるシーンは実は本物で、バッド・バニーが証人として結婚証明書に署名。ネットでは大きな驚きの声が上がった。
感動のハイライトは、ICE(米移民・関税執行局)に対するグラミーでのスピーチ映像を見つめる5歳の少年にトロフィーを手渡す場面。米誌『People』によれば、SNSでは今年1月、ICEに拘束された少年では?との憶測が飛び交ったという。しかし実際は子役で、幼い頃のバッド・バニーを象徴しており、「今の子どもたちにも夢を追ってほしい」という希望が込められていたと米誌『Variety』は報じている。

「スパイク」はアメフト用語で、ボールを地面に叩きつけて、1つのプレーを終了させることを意味するそう Photo:Getty Image
全14曲が披露された圧巻のショーのラストで、バッド・バニーは「アメリカに神の祝福を」とシャウト。南米諸国、アメリカ、カナダ、プエルトリコの名を挙げ、「俺たちはまだここにいる」とスペイン語で宣言したあと、「共にあってこそのアメリカ」と英語で書かれたボールを「スパイク」してフィナーレへ。

フィナーレにはバッド・バニーのグラミー賞受賞アルバムにも参加している、プレナ音楽(プエルトリコの伝統音楽)のグループ、ロス・プレネロス・デ・ラ・クレスタが登場した Photo:Getty Images
スタジアムのビルボードには「憎しみより強いのは愛だけ」の文字が掲げられ、SNSでは「政治的な言葉なしで全てが伝わった」「これぞ芸術の力」など、感動の声が寄せられた。

『The Guardian』は「どんな困難があっても、私たちが日々ともに生み出している愛、コミュニティ、そして純粋な喜びをベニートが思い出させてくれた」と報じた Photo:Getty Images
トランプ米大統領(79)は自身のSNSで「最悪のショー」だと酷評したと報じられているが、「バッド・バニーはプエルトリコへラブレターを届けた」と報じた米紙『The New York Times』をはじめ、世界中のメディアが称賛。
SNSでもセレブやファンによる絶賛の声が続出し、そのなかには『セサミストリート』の人気キャラクター、エルモも。「彼はグッド・バニーと呼ばれるべきだと思う!」との投稿は、笑顔と共感を集めた。米『CBS NEWS』によると、このハーフタイムショーは初期集計で約1億3500万人が視聴し、スーパーボウル史上最多視聴者数を記録したという。
NFLの公式アカウントによると、レオナルド・ディカプリオ(51)やBLACKPINKのロゼ(28)ら、多くのスタジアムに駆けつけたという
スタジアムではバッド・バニーの元恋人でモデルのケンダル・ジェンナー(30)や、その姉キム・カーダシアン(45)と交際が噂されるレーシングドライバー、ルイス・ハミルトン(41)ほか、数多くのセレブがこのショーを観戦したことも、話題を呼んだ。