米『Fox News』によると、2016年から国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の親善大使を務めているケイトは、2024年5月20日(現地時間)、カンヌ国際映画祭で行われた「UNHCR:Displaced Stories」の記者会見に出席。
現在、難民となっている映画制作者に、自分たちの物語を語る場を与えることの重要性などについて語った。
その中で、ケイトは「私は白人です。私は特権に恵まれています。私は中流階級です。ちょっとした“白人の救世主”コンプレックスを持っていると非難されることもあると思います」と発言。
自分が恵まれた立場であることを認めたが、莫大な資産を持つセレブにもかかわらず、自分自身を「中流階級」と表現して、世間を唖然とさせた。
映画『アビエイター』(2004)、『ブルージャスミン』(2013)で2度アカデミー賞を受賞しているケイト。正確な純資産は不明だが、米サイト『Celebrity Net Worth』によれば資産9,500万ドル(約150億円)とのこと。
英紙『Metro』によると、彼女のこの発言がAPニュースのTikTokアカウントでシェアされるやいなや、非難の声が続出。「私はケイト・ブランシェットが大好きだが、彼女が“中流階級”とは一体どういうことなのだろうか」という、あるファンのコメントには多数の「いいね」が寄せられた。
さらにXでも、一部のファンがケイトを批判。米紙『New York Post』によると、あるユーザーは「ケイト・ブランシェットは、自分が"中流階級"だと思っている。誰と比べて? ジェフ・ベゾス? お金持ちは本当に感覚がずれている」と書き込んだ。
またあるファンは、「彼女は現実から切り離されている」と非難。「失礼ですが、中流階級?(中略)9,500万ドルは今、中流階級とみなされるのか?」とのコメントも。
一方で、ケイトを擁護する声もある。先述の『Metro』によれば、彼女がオーストラリアの「中流階級」で育ったという意味で言ったのかもしれないという指摘もあったという。
またこの言葉を、現在ケイトが暮らしている英国ならではの文脈で使っているという意見も多数。あるファンは、「彼女は銀行残高ではなく、階級について語っている」と主張し、別のユーザーは、「階級とお金は違う。彼女は王族ではないから、自分のことを中流階級だと思っているのかもしれない」と推測した。
英紙『Daily Mail』は、英国では「上流階級」という言葉は「歴史的に社会的地位の高い人、貴族または公爵、侯爵、子爵、男爵のような正式な称号を持つ人々を指す言葉として使われてきた」と説明。
「英国人が自分を“中流階級”と呼ぶ場合、たいていは快適なほど裕福だが、貴族階級ではないと言っている」と付け加えている。
同紙によると、ケイトはオーストラリア・シドニーで生まれ、メルボルンの私立女子校に通った後、イギリスを拠点に活動。現在は劇作家の夫アンドリュー・アプトン(58)と4人の子どもたちとともに、イーストサセックスのカントリーハウスで暮らしている。
500万ポンド(約10億円)と言われる自宅の隣には、100エーカーの敷地を持つ150万ポンド(約3億円)の農家も所有しており、2020年にはコーンウォールに500万ポンドの別荘を購入。さらに夫妻は、オーストラリアのシドニー中心部に投資用の家も所有しているそう。
メディア各社はケイトの代理人にコメントを求めているというが、現時点で「中流階級」発言の真意は定かではない。
『Fox News』は、難民問題について自身の考えを語っていたケイトが「中流階級」と言った部分だけを切り取ってバッシングする人がいることに、「彼女が本当に言いたいことに人々が耳を傾けないなんて、馬鹿げている」と憤る声もあると報じている。
今回のカンヌ国際映画祭で、もうひとつ大きな話題を呼んだケイト。
米紙『The New York Times』によると、記者会見が行われた日の夜、『The Apprentice(原題)』のプレミアに、2023年春クチュールコレクションのハイダー・アッカーマン(53)によるジャン・ポール=ゴルチエのドレスで登場。
フロントはブラック、バックは薄いピンクになった一見シンプルな1着だが、真っ赤なカーペットの上を歩く際、ケイトはトレーンを持ち上げて、裏地をアピール。鮮やかなグリーンが見えたときに、パレスチナ国旗への敬意を表していると解釈したファンもいたという。
なお、ケイトもデザイナーもこのドレスについて公にコメントしておらず、代理人は同紙のコメント要請にも応じなかったとのこと。
レッドカーペットが背景になければ、国旗とはほとんど無関係に見えるため、憶測の域を出ないが、ケイトが活動家として、パレスチナ連帯を示すメッセージをスマートに発信したという見方が多かったようだ。