ロンドンで開催された『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』のプレミアで、同作に出演するデンゼル・ワシントン(69)が、チャールズ国王(76)の到着の知らせにも動じず、ファンサービスを続行。国王よりもファンを優先したとして話題を呼んでいる。
2024年11月13日(現地時間)、レスター・スクエアのオデオン・リュクスで開催された『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』のグローバルプレミア。
その際、レッドカーペットでファンサービスをしていたデンゼル・ワシントン(69)と、チャールズ国王(76)が到着したため劇場内に入るように促したセキュリティチームのやりとりを、あるファンがXに投稿。“映画界のキング”のまさに“王”のような発言が、ネット上を賑わせている。
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この日、華やかなレッドカーペット・イベントには、巨匠リドリー・スコット監督(86)をはじめ、主演のポール・メスカル(28)、ペドロ・パスカル(49)、コニー・ニールセン(59)ら、豪華キャストが登場。同作で悪役の奴隷商人マクリヌスを演じたデンゼルも、妻とともに姿を現した。
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このプレミア上映会は、英国王室が長年関わっている映画上映イベント、第72回ロイヤル・フィルム・パフォーマンスとして行われたもので、「The Film and TV Charity」のパトロンを務めるチャールズ国王も出席。カミラ王妃(77)は呼吸器感染症で休養中のため、この日、76歳の誕生日前夜だった国王は単独での登場となった。
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英紙『Express』によると、デンゼルはレッドカーペットに集まったファンと交流していたところ、チャールズ国王が到着したので会場に入るようにと、警備員に促されたという。
あるファンはXで、ダンディなスーツ姿のデンゼルが大きな手振りで、誰かと話しているような写真を2点投稿。「おもしろい事実」として、「デンゼルは国王が会場に到着したので中に入るようにと警備員に言われたが、『私のルールは私が決める』と言って私たちと話を続けた」と状況を説明した。
同紙によれば、デンゼルの「私のルールは私が決める」という、まるで“王”のような発言と毅然とした態度に、ネット上の一部のファンは感動。「デンゼルは自分の立場を貫き、プロトコルよりファンを選んだ。これぞ私が称賛するスターのパワーだ」、「チャールズ国王は英国を支配しているかもしれないが、デンゼルはレッドカーペットを支配している。彼がファンと本音で語り合う姿を見るのが大好きだ!」などと、ファン思いなデンゼルを絶賛した。
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また、「キングとはデンゼルのことだとばかり思っていた」、「アメリカ人に『国王が来た』から中に入れと言うなんて笑える」といったジョークも相次ぎ、SNSはユーモラスな反応で溢れたという。なかにはデンゼルの主演作『トレーニング デイ』(2001年)の名台詞、「キングコングも、俺には敵わないぜ」を引用して、「チャールズ国王も、俺には敵わないぜ」というコメントもあったとか。
その後デンゼルは、ロイヤルプレミアの伝統として、主賓であるチャールズ国王を劇場前で出迎えるため、他のキャストたちと一緒に整列。英メディア『Daily Mail』は、「世界で最も有名で尊敬されている俳優のひとり」であるデンゼルも、国王の前では「一瞬冷静さを失ったように見えた」と報じた。
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チャールズ国王は1人ずつ挨拶をし、スコット監督と主演俳優ポール・メスカルと談笑した後、デンゼルの前へ。デンゼルが少し慌てたように、ぎこちなく挨拶する様子が注目の的に!「あなたの手を握ってよいのかどうか、わかりませんでした」と気まずそうに国王と握手しながら、「でも光栄です」と付け加えた。
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英紙『Independent』によると、チャールズ国王はデンゼルが演じている悪役について質問したそうだ。するとデンゼルは「ただ、ひどいですよね」と認め、「おわかりの通り、私は楽しい男なんですよ」と皮肉混じりの表情を浮かべながら、「私はいいヤツです」と回答。
チャールズ国王が「あなたは本当にたくさんの映画に出演していますね。素晴らしい」と語りかけると、デンゼルは「ありがとうございます」と繰り返したという。
どうやらデンゼルが国王の到着を気にも留めず、ファンサービスを続行した一件は、2人の対面に影響はなかったようだ。
その後、英国王室の公式アカウントは、黒の蝶ネクタイをしたタキシード姿の国王が王室専用車ベントレー・ステートリムジンで会場に到着し、スターたちと会話する様子を映した動画を投稿。「なんという素晴らしい夜だ」とキャプションを添えた。