2024年3月10日(現地時間)、ロサンゼルス・ハリウッドで開催された第96回米国アカデミー賞授賞式。日本からは、『君たちはどう生きるか』と『ゴジラ-1.0』の2作品が受賞する結果となった。
2024年3月10日(現地時間)、ロサンゼルス・ハリウッドで開催された第96回米国アカデミー賞授賞式で、山崎貴監督(59)の『ゴジラ-1.0』が日本作品で初めてとなる視覚効果賞を受賞。授賞式に参加した制作チームがユニークな“ゴジラシューズ”を披露し、「最高にクール」だと大きな話題を呼んだ。
第二次世界大戦の末期を舞台にした映画『ゴジラ-1.0』は、ゴジラの生誕70周年を記念し制作された作品。戦後間もない焦土と化した日本に追い打ちをかけるようにゴジラが現れ、苦境に立ち向かう人々の姿が臨場感たっぷりに描かれている。
今回、視覚効果賞のカテゴリーにノミネートされた『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME3』、『ナポレオン』、『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』といった大作を押しのけて、日本作品で初めて受賞。
ゴジラ映画がノミネートされるのは、70年にわたるシリーズの歴史の中で初めてのことで、今回の受賞は歴史的快挙となった。
授賞後のレッドカーペットでは、制作チームの足元が注目の的に! それぞれ、かかと部分を覆うように、ゴジラの手とシルバーの爪が施されたシューズを履いていたのだ。
強烈なインパクトを放つこのシューズについて、SNSでは「なんてクールなんだ」「絶対欲しい!」などのコメントが飛び交った。
情報筋によると、このシューズは日本のデザイナーによって製作されたもので、2023年に受注販売されていたそう。
ちなみに視覚効果賞の発表を務めたのは、アーノルド・シュワルツェネッガー(76)と、『バットマン リターンズ』などに出演しているダニー・デヴィート(79)。
アーノルドが「ゴジラ!」と呼び上げると、制作チームは手にしていたゴジラのフィギュアを掲げ、立ち上がって歓喜の声を挙げた。彼らが壇上に向かうなか、スタンディングオベーションとなった会場には、「ゴジラのテーマ」が高らかに響いた。
それぞれデザインの異なるゴジラのフィギュアを手にして、ステージに立った制作チーム。スピーチの際には、山崎監督(59)がゴジラのフィギュアを持っていたために原稿がなかなか開けず、フィギュアをメンバーに「持っていて」とお願いするお茶目なハプニングも。
「私のキャリアは45年前、『スター・ウォーズ』などの大作を見たときの感動から始まり、この場所(=アカデミー賞授賞式)は望むことすら想像できなかった場所でした」とスピーチをスタート。
制作チームや関係者に感謝を告げて、「ハリウッドの外で頑張っている皆さん、ハリウッドは私たちの声を聞いてくれました。この賞は、すべての人にチャンスがある証です」と語った。
スピーチの最後には、2023年12月に亡くなった阿部秀司プロデューサー(享年74)への敬意とともに、「We did it!(やったぞ!)」とオスカー像を掲げ、会場を大いに沸かせた。
さらに、宮崎駿監督(83)の『君たちはどう生きるか』は長編アニメーション部門で最優秀賞を受賞。スタジオジブリ作品が同賞を受賞するのは、2003年の『千と千尋の神隠し』以来、21年ぶりで2度目のこと。
宮崎監督は、2013年に長編アニメーション作品制作からの引退を宣言していたものの、2017年に宣言を撤回し、およそ7年の製作期間をかけて今作品を完成させた。
宮崎監督とプロデューサーの鈴木敏夫氏(75)は、今回年齢を理由に授賞式には出席しなかったものの、鈴木氏は記者団へのコメントで 「私も駿もかなりの年齢を重ねてきました。この年齢でこのような栄誉をいただけたことに感謝し、これからも仕事を続けていくためのメッセージとして受け止めています。将来に向けて精進していきたいと思います」と語ったそう。