「人喰い」疑惑の俳優アーミー・ハマー、『君の名前で僕を呼んで』でブレイクしたキャリアの崩壊について口を開く

2021年の性的虐待疑惑に端を欲したスキャンダルで、表舞台から姿を消していた俳優アーミー・ハマー(37)が、親しい友人が司会を務めるポッドキャスト番組に出演。「人喰い」と呼ばれたことについて語り、注目を集めている。

映画『君の名前で僕を呼んで』(2018)や『ソーシャル・ネットワーク』(2010)などで知られる俳優アーミー・ハマー(37)が、ポッドキャスト番組『Painful Lessons(原題)』に出演。2024年6月16日(現地時間)に配信されたエピソードで、自身の「キャリアの死」を招いたカニバリズム願望などの疑惑について、口を開いた。

アーミー・ハマー
2022年7月、ロサンゼルスでキャッチされたアーミー Photo:Getty Images

米誌『PEOPLE』によると、今回のインタビューで当時、性的・身体的虐待の告発を受けて、「キャリアの死」に直面し、「どん底に落ちた」ことを明かしたアーミー。自分が“人肉を食べた”という噂について、今は「あれは笑えるね」と思えるようになったと語った。

「人々は僕を人喰いと呼んだ。そしてみんながそれを信じたんだ」と話し始め、こう続けた。「みんなが『そうだ、あいつは人を食べたんだ』って感じで。人喰い人種になるためには、何をしなければならないか知っているかい? 人を食べなきゃいけなんだ。どうやって僕が人喰いになるんだ? あれは異様だったよね」。

アーミーはこのスキャンダルがキャリアの崩壊に繋がり、当初は「憤り」を感じていたというが、今はそのおかげで自分を見つめ直すことができたと感謝しているという。

「人々が言ったことが何であれ、起こったことが何であれ、食い違いがあった」としながらも、「私の人生で今、そのひとつひとつに感謝しているところだ」と語った。

アーミー・ハマー
2010年9月、ニューヨーク映画祭での『ソーシャル・ネットワーク』プレミア上映に出席したアーミー Photo:Getty Images

そして疑惑が浮上する前は、仕事柄「多くの人たちから愛を得ること」ができたため、「自分自身に愛を与える方法を知らなかった」と回顧。

「というのも、そのようなことが起こる前の僕の人生では、いい気分ではなかったからだ。満足したことがなかった。決して十分ではなかった。自分自身がハッピーだと思えるところ、つまり自尊心を持てるところにいたことがなかった」と付け加えた。

アーミー・ハマー
2018年1月、パリで行われた『君の名前で僕を呼んで』のプレミア上映に出席 Photo:Getty Images

最終的にリハビリ施設に入院したことや、アルコール依存症から回復するための「12ステッププログラム」に参加したことを明かしたアーミーは、この疑惑を「私の人生に、中性子爆弾が落ちたようなものだ」と表現。

「それは私を殺し、私のエゴを殺し、自分の友人だと思っていたけど、そうでなかった周りの人たちをすべて殺した。その人たちはみんな、一瞬にして消えてしまった」と説明した。「でもビルはまだ建っていたんだ。私はまだここにいる。私はまだ健康だ。そのことに本当に感謝しています」。

エリザベス・チェンバース、アーミー・ハマー
2020年1月、映画『バッドボーイズ フォー・ライフ』のプレミアに出席した離婚前のエリザベスとアーミー Photo:Getty Images

2020年7月、10年間連れ添い、2児をもうけた元妻エリザベス・チェンバース(41)と離婚したアーミーに疑惑が持ち上がったのは、その翌年のこと。

米誌『The Hollywood Reporter』によると、2021年1月、匿名のインスタグラムアカウントが、アーミーが複数の女性に送ったとされる、性的妄想やカニバリズムへの言及を含むダイレクトメッセージを公開した。

同月、アーミーの元恋人が、交際中に経験したという精神的虐待について、米サイト『Page Six』に語り、続いてまた別の女性が同様の疑惑を主張。

さらに同年3月、「エフィー」と名乗る女性が、2017年にアーミーにレイプされたと訴えたため、ロサンゼルス警察が捜査を開始した。

英紙『Independent』によると、当時、アーミーは弁護士を通じて短い声明を発表し、その中で疑惑は「でたらめ」だとコメントしたが、スキャンダルは深刻化。

所属事務所から契約を解除され、ジェニファー・ロペス(54)主演の映画『ショットガン・ウェディング』(2022)、ドラマ『ジ・オファー/ゴッドファーザーに賭けた男』をはじめ、いくつかのプロジェクトを降板した。

2022年9月、この疑惑に関する『Discovery+』のドキュメンタリー『House of Hammer(原題)』が放映された後、アーミーは犯罪行為を否定する一方で、自分勝手な「ろくでなし」であったことの責任を認めたと、先述の『The Hollywood Reporter』は報じている。

そして2023年5月、ロサンゼルス地方検事局は、レイプに関する捜査において徹底的な検証を行った結果、証拠不十分のため、アーミーが刑事責任を問われることはないと発表。

後にアーミーは、問題となった人間関係に「力の不均衡」があったとし、告発者たちへの感情的な虐待があったことを認めたという。

今回のインタビューで、アーミーは俳優業に関して、ハリウッドからは声がかからず、かつて有望とされていたキャリアは「どこにもない」とコメント。しかし現在、友人と脚本を共同執筆しており、それに「情熱を注いでいる」と明かしたそう。

司会のタイラー・ラムゼイによると、その脚本は「アーミーの人生を映し出している」とのこと。タイラーはインスタグラムへの投稿で、アーミーを「素晴らしい友人」と呼び、「アーミーはとても苦しいレッスンを経験した後、立ち上がることに正直で真剣だ」と綴っている。

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