英国の総選挙で労働党のキア・スターマー(61)が首相に選出されて約2週間後、2024年7月17日(現地時間)に行われた議会の開会式で、新政権の施政方針を読み上げたチャールズ国王(75)。
玉座に着席する際、自身が着用していたローブがうまくおさまらず、それを整えようとする付き添いの少年に苛立っているように見えたと、複数の英メディアが報じた。国王はその直前の公務でも、側近に怒っているような様子をキャッチされたばかりだったため、立て続けに注目を浴びることに!
今年2月にガンを公表し、現在も治療中だと伝えられるなか、精力的に公務を行なっているチャールズ国王。
この日はちょうど77歳の誕生日だったカミラ王妃とともにバッキンガム宮殿から6頭立ての馬車「ダイヤモンド・ジュビリー・ステート・コーチ」に乗って、ウェストミンスター宮殿へ。4人のページ・オブ・オナーの少年たちに付き添われ、貴族院に入場した。
カミラ王妃は、1821年に行われたジョージ4世の戴冠式のために作られたという、1,333個のブリリアントカットのダイヤモンドが煌めく「ステート・ダイアデム」ティアラを着用。
チャールズ国王は故エリザベス女王(享年96)も議会で演説を行う際に着用していた、歴史的な大英帝国王冠を頭上に輝かせていた。
30〜50億ポンド(約6,200億〜1兆円)の価値があると言われるこの王冠は、金・銀・プラチナでできており、重さは1.06kg。英誌『TATLER』によると、2,868個のダイヤモンド、273個のパール、17個のサファイア、11個のエメラルドで飾られているという。
さらにこの夏の暑さのなか、英国海軍第一艦隊提督の制服に身を包み、英国君主が公式行事で着用する伝統的なローブ・オブ・ステイトを纏っていたチャールズ国王。
英慈善団体『Royal Collection Trust』によると、オコジョのファー、ベルベット、ゴールドレースとシルクサテンでできた華麗なローブは全長471.5cmと嵩張り、間違いなく重いのだとか。
映像では、少年たちがローブを整えようとするなか、チャールズ国王は玉座に着席。長いトレーンをうまくおさめるのに四苦八苦している少年たちをじっと見つめ、少年のひとりがローブの脇についたリボンにふれると、国王は一瞬手を引っ込めたが、それからローブの下で手を振り払い、自分で整えようと躍起になっている姿が映し出されている。
その様子はイライラしているようにも見えるため、メディアはこぞって「国王が苛立った」と報じたが、ロイヤルファンは一斉に国王を擁護。
英メディア『Daily Express』によると、「国王が男の子たちに『ありがとう』と言っているのがはっきり聞こえる」、「彼はページボーイをサポートしているようだ」といったコメントがSNSに相次いだという。
このとき国王が少年に協力しようとしていたのか、重いローブに苛立ちを感じていただけなのか定かではないが、カミラ王妃は隣で静かに、微笑みさえ浮かべていたようだ。
また英紙『The Mirror』が依頼したニコラ・ヒックリングのリップリーディングによると、国王は少年のひとりに「私の手からそのリボンを動かしてくれ」と声をかけていたそう。
ちなみにこの人物は、式典終了後、国王夫妻がバッキンガム宮殿に戻るため、馬車に乗る前に発した言葉についても明かしており、国王はスタッフのひとりと握手をしながら、「今日は暑すぎる」とこぼしたと伝えている。
この出来事の前、7月15、16日(現地時間)、国王夫妻が王室属領であるチャンネル諸島を訪問した際にも「チャールズ国王が側近にキレる姿が目撃された」と話題に。
ジャージー島のセント・へリアで軍事パレードを見物しているとき、カミラ王妃は雨と強風のなかで傘をさしたまま、コートを着るのにひと苦労。国王は隣で奮闘している妻を助けようとしていたが、明らかに不機嫌そうな様子で側近に手伝うように要求。
その姿は「目に見えて苛立っていた」とし、「国王のせっかちな一面が公の場で頭をもたげてきた」と英メディア『Daily Mail』が報じた。
『Daily Mail』のサイトによると、これらのニュースは、2022年9月、エリザベス女王の逝去後、チャールズ国王が即位したばかりの頃に見せた“短気”な一面を人々に思い起こさせたようだ。
即位協議会で書類にサインをする際、テーブルでインクポットとトレーが場所をとっていることに憤った様子の国王は、側近に片付けるよう“激しく”ジェスチャーで指示。当時、この気まずい瞬間の動画はSNSに溢れかえった。
その数日後には、北アイルランドのヒルズバラ城で記帳をしようとした際、万年筆のインク漏れに対し、不満をあらわに! 米『ABC News』が投稿した動画には、チャールズ国王が「私はこの(ペンが)嫌いだ」と吐き捨てるように口にし、「このボタボタ垂れるものには耐えられない! 毎度臭い」と強い口調で文句を言う様子が収められている。
ペンに“キレる”国王の傍らで、慣れっこと言わんばかりに落ち着いたカミラ王妃の姿は、夫婦関係が垣間見られたシーンとして大きな話題を呼んだ。