昨年、米誌『TIME』の「今年の顔(Person of the Year)」に選ばれ、ワールドツアー『The Eras Tour』では、アメリカだけで経済を約6719億円押し上げたとして、「テイラーノミクス」という言葉まで生まれたテイラー・スウィフト(34)。
そんな彼女が現在の地位に昇るまでには、紆余曲折があった……。今回は、テイラーが過去に経験した壮絶な10のバトルをお届け。歌姫同士のバトルから、音楽界を揺るがしたアルバム買収事件まで一挙プレイバック。
VSケイティ・ペリー(39):すべては勘違いから始まった?
テイラーのバトル歴に欠かせない人物といえば、シンガーのケイティ・ペリー(39)。犬猿の仲と表現されるようになってしまったのは、不覚にもテイラーの勘違いだった!?
2014年、テイラーは雑誌のインタビューで、「あるアーティストが、私のアリーナツアーをぶち壊そうとした。私の元で働いていたダンサーを奪おうとしたの」と告白。このアーティストこそがケイティだった。
しかし実際には、ケイティの元でバックダンサーとして働いていた男性が、テイラーのレッド・ツアーに参加していたことが本人のSNS投稿で発覚。ケイティは当時そのポストを引用し、「お母さんは見ているわよ」とコメントを残していた。
ちなみにケイティは、2012年の夏ごろからテイラーの元恋人ジョン・メイヤー(46)と交際しており、この頃からふたりの関係に溝ができていたのでは?と見るメディアも。
その後、テイラーとケイティのバトルは数々の楽曲となって世に送り出されることに。その一つが、当時テイラー軍団と呼ばれていたテイラーのセレブ仲間たちが戦いの準備を行う『Bad Blood』(2014年)。憎しみや裏切りといった強烈なメッセージは、ケイティとのバトルを加熱させた。
一方のケイティも、ニッキー・ミナージュ(41)とコラボレートした『Swish Swish』(2017年)で、「あんたとのゲームはもううんざり。早く引退したら?」など、テイラーを挑発するような歌詞が注目された。この曲のプロモーションでテレビ番組に出演したケイティは、テイラーとの不仲説について聞かれると、「もう何年も続いている。彼女が仕掛けてきたから、彼女から終わらせるべき」と胸の内を告白。しかし、テイラーからの謝罪は受け入れる、などの前向きなコメントも。
そんなふたりだが、2018年頃からお互いに歩み寄るような行動を見せるように。ケイティは平和を象徴するオリーブの葉をテイラーに送ったり、テイラーは「ついに平和が訪れた」というメッセージを添えたクッキーをケイティに送ったりと、微笑ましいやり取りが続いた。
そしてついに、テイラーの楽曲『You Need To Calm Down』(2019年)で夢のコラボレーションが実現! テイラーがポテトに、ケイティがハンバーガーに扮して抱き合うシーンが収録され、ふたりのバトルは終焉を迎えた。
VSカニエ・ウェスト(46):売られた喧嘩は買ってやる!
テイラーと10年以上も因縁のバトルを繰り広げているのが、イェことカニエ・ウェスト(46)。2009年のMTVビデオミュージックアワードにて、テイラーの受賞スピーチ中にカニエがステージに乱入し、「ビヨンセ(42)が賞を取るべきだった」と暴言を吐いたことが始まり。
しかし、カニエはその後すぐにブログでテイラーに謝り、以降、ツイッター(現X)などでも謝罪を繰り返してきた。そのおかげもあってか、2015年のグラミー賞では、テイラーとカニエ&キム・カーダシアン(43)が談笑するシーンがキャッチされていた。
そして、悪夢のステージから6年経ったMTVビデオミュージックアワードでは、特別賞を受賞したカニエとテイラーがステージで抱擁する場面も見られ、長い年月をかけて関係が修復されたはずだった。
しかし、2016年にカニエが発表した『Famous』で「俺とテイラーはセックスするかもしれない。俺があのビッチを有名にしてやったから」という歌詞が物議を醸し、再びバトルがスタート。この出来事はエンタメ界に大きな衝撃を与え、テイラーの弟オースティン(31)をはじめ、モデルのジジ・ハディッド(28)など、テイラーを擁護する声が後を絶たなかった。
また、テイラーの代理人は、「カニエは許可なしに曲をリリースした。テイラーはSNSで告知してほしいと依頼されたがそれを断り、女性軽視のメッセージは止めるべきと忠告もした。『俺があのビッチを有名にしてやったから』という歌詞については知らなかった」と声明を発表。
対するカニエは「テイラーと電話して、歌詞について承諾を得ていた」とSNSに書き込み、世間は大混乱!
するとテイラーは、年間アルバム賞を受賞した2016年の第58回グラミー賞授賞式で、「あなたの成功や名声を、自分の手柄にしようとする人が現れるかも知れない」とスピーチ。カニエに宛てたメッセージだと言われており、のちに雑誌のインタビューでは、「女性が何かを成し遂げようとするのは、難しいこともある」と答えている。
そして同年6月、『Famous』のMVが公開されると、著名人たちに似せた裸の蝋人形がベッドに横たわっているというショッキングな映像が話題に。(現在は鑑賞できない)。その蝋人形の中にはテイラー似の女性の姿もあり、カニエは大バッシングを受ける。
以降、カニエは一度だけ本件についてインタビューで語っており、テイラーのステージを妨害したのは「神の思し召しだ」と謎のコメントを残している。
VSキム・カーダシアン(43):元夫のバトルにちゃっかり便乗
前出の『Famous』(2016年)を発端とするバトルの際に、唯一カニエを擁護したのが、元妻のキム・カーダシアン(43)だった。キムは雑誌のインタビューで、カニエとテイラーが会話をしている(テイラーが歌詞を許諾した)音源を持っていると宣言。また、音源が手元にあることを、自身のリアリティ番組『カーダシアン家のお騒がせセレブライフ』の予告でネタにし、「炎上商法」「売名行為」などと批判された。
するとキムは、この予告の放送から数日後、その音源をスナップチャットに投稿!(この動画はのちに、キムが勝手に録音して編集したものだったことが明らかになる)
動画が出回ると、世間のテイラーに対する反応は厳しいものだった。「歌詞を許諾していた!」と嘘つきのレッテルまで貼られてしまったが、“売られた喧嘩は買う”のが彼女の流儀。
これまでの因縁のバトルや失恋などの要素を盛り込んだ『Look What You Made Me Do』(2017年)をリリース。キムがテイラーのことを蛇と呼んでいたことを逆手に取り、MVやステージパフォーマンスで蛇を多用した。
騒動から7年が経過した2023年、米『TIME』誌が選ぶ「今年の顔」に選出されたテイラー。ロングインタビューでは、カニエとキムとのバトルで精神的に追い詰められたこと、キャリアを奪われたと思っていたなど、当時の心境を赤裸々告白。テイラーはその間、海外に逃亡し、一年間は外出できず、電話を取ることも怖かったとか。ちなみに、キムからの謝罪はないそうで、現在も和解に至っていない。
VSスクーター・ブラウン(42):歌姫の使命が果たされるとき
音楽界を揺るがした激闘も忘れてはならない。2019年、かつてテイラーが所属していたビッグマシン・レコードを買収したのが、音楽プロデューサーのスクーター・ブラウン(42)。これによって、テイラーは6つのアルバムの原盤権を手放すことになってしまう。
しかしテイラーは、買収について何も聞かされていなかったと怒りを露わに。同時に、過去にカニエやジャスティン・ビーバー(29)から受けたいじめも、スクーターの仕業だった(彼はかつてカニエのマネージャーであり、ジャスティンをスターにした張本人)と告発。すると、ビッグマシン・レコードのスコット・ボーチェッタCEOやテイラーの弁護士も反論し合う大騒動へと発展した。
和解を求めたのは、スクーター側だった。スクーターやボーチェッタCEOは、テイラーが7作目のアルバム『Lover』(2019年)をリリースすると、ツイッター(現X)でアルバムを賞賛。
さらにスクーターは、買収問題について「悪気はなかった」とコメントしつつ、「彼女もすべてを理解している訳ではない」という意味深な発言を残した。
同年11月に「私には、声をあげる力と責任がある」とスクーターを告発した理由を再び打ち明けたテイラー。「ステージで過去曲のパフォーマンスが許されていない」「ドキュメンタリー制作においても、過去曲の使用を阻止された」という新たな問題が発覚し、スクーター側はまたもや非難されることになる。
この問題は、ビッグマシン・レコードの他にAMA(アメリカン・ミュージック・アワード)を主催するディック・クラーク・プロダクションをも巻き込んで議論され、結果テイラーは、その年のAMAで過去のアルバムの楽曲もパフォーマンスすることが許可された。
のちにスクーターは、テイラーのファンによる殺害予告などが届いていたことを告白。周囲も巻き込んでしまったバトル劇は、スクーターがテイラーのアルバム6作の原盤権を約325億円で売却したことで幕を閉じた。
VSジャスティン・ビーバー(29):テイラー史上最も幼いバトル?
直接対決をした訳ではないが、「私の大切な人を傷つけるなんて許せない!」という、テイラーの優等生な性格(?)がバトルに発展した出来事がこちら。
2013年ビルボード・ミュージック・アワードの舞台裏で、テイラーの親友セレーナ・ゴメス(31)が当時交際していたジャスティン・ビーバー(29)の頬にキスをする場面を見かけ、「オエッ」という表情で舌を出す様子がキャッチされたテイラー。ジャスティンを嫌っているのでは?という噂が浮上した。
ちょうどこの頃、セレーナとジャスティンは破局と復縁を繰り返しており、素行が悪いジャスティンに対して呆れていたとの見解も。同アワードでジャスティンの受賞についてコメントを求められると、テイラーはすかさず「質問を変えてくれる?」と返答したという。
ジャスティンも、そんなテイラーの言動が気に食わなかったよう。カニエとテイラーが『Famous』(2016年)を巡ってバトルをしているとき、カニエやスクーターとジャスティンがフェイスタイムをしているスクショに、「テイラー・スウィフト、調子はどう?」と添えてSNSに投稿。火に油を注ぐような行動が見られた。
しかし2019年、スクーターによってテイラーが6つのアルバムの原盤権を失った件で、テイラーはカニエとジャスティンのいじめはスクーターの指示だったと主張すると、ジャスティンはテイラー宛てにインスタグラムを投稿。
前述のイタズラを謝罪しつつ、「あのスクショは君とは全く関係ないものだ。スクーターはずっと君のことを応援してきた。君がSNSを使ってスクーターを嫌われ者にするのはよくないと思う。(中略)スクーターも僕も君と話がしたいと思っている」などと長文にわたって投稿するも、「今更何言ってるの?」と炎上してしまった。
VSデミ・ロヴァート(31):フェミニスト宣言に物申す?
事あるごとにテイラーをバッシングしてきた一人が、デミ・ロヴァート(31)。テイラーがケイティへの復讐を歌った楽曲『Bad Blood』(2014年)については、MVに出演したカーラ・デルヴィーニュ(31)やジジなどのテイラー軍団も批判した。
また、「彼女(ケイティ)をけなすような曲とビデオを作ったところで、女性の社会的地位の向上にはならない」とコメント。さらに、「炎上覚悟で言うけど、彼女の友人たちには、一般的な体型の人がいない。世間に間違った美のイメージを押し付けている」などと猛批判した。ちなみに、このインタビューが報じられると、デミは一部のテイラー軍団からSNSをアンフォローされたとか。
2016年に、ケシャ(36)がプロデューサーからの性的暴行疑惑でレーベルの契約解除を求める裁判を起こした際、テイラーがケシャに約3,700万円もの金銭援助をしていたことがわかると、「お金で解決する話ではない」とデミは大激怒。自らをフェミニストと公言しているテイラーの行動に、デミは疑問を抱いていたよう。
ちなみに、デミの長年のマネージャーがスクーター。2023年8月にスクーターの元を離れるが、テイラーとスクーターがバトルを繰り広げたときは「彼を悪人扱いしないでほしい」とスクーターを擁護していた。
そんなデミは、2019年にテイラーのアルバム『Lover』(2019年)に収録されている『Cruel Summer』を称賛する内容をSNSに投稿。二人は和解したと見られている。
VSカルヴィン・ハリス(40):破局後のカミングアウトでバトルに
2015年3月から約1年3か月にわたって、テイラーと交際していたDJのカルヴィン・ハリス(40)。歌姫と人気DJのパワーカップルは世界中から祝福され、結婚の噂も浮上していたが、破局は「恋愛感情が薄れた」というカルヴィンの一方的な理由だったそう。
当時、カルヴィンが「関係が終わったというのは事実。彼女へのたくさんの愛と敬意はそのままだ」とSNSに投稿し、これをテイラーがリツイートしたため、円満破局と見られていた。
しかし、その1カ月後にバトルが勃発。カルヴィンとリアーナがコラボレーションした『This Is What You Came For』(2016年)は実はテイラーが作曲していた!というニュースが出回ると、テイラーの代理人が「彼と交際しているときに、テイラーがニルス・ショーバーグという別名義で書いたものです」とコメントした。
この声明に対して、カルヴィンはSNSで反論。「確かに、君は曲の一部を歌っているし、素晴らしい歌詞も書いてくれた」と報道を認めたうえで、「でもこの曲を書いたのは僕だ。プロデュースもアレンジもね。君が偽名を使ってほしいと言ったんだ。それなのに今更、そんなことを言うなんて悲しい」とコメント。
それだけでは怒りは収まらなかったようで、「ツアーがひと段落して、次の標的を探しているのかな? かつて君がケイティ・ペリーにしたようにね。でも、僕はそんなことはさせないよ」と皮肉混じりのメッセージも発信した。
それから約半年後、『This Is What You Came For』がイギリスでダブルプラチナディスクに認定されることが決定したとき、カルヴィンは「リアーナとテイラーのような素晴らしいアーティストたちと仕事ができて、僕は恵まれている。ありがとう!」と感謝の気持ちをSNSに投稿。これにて一件落着?と思いきや、2月4日(現地時間)に開催された第66回グラミー賞授賞式で7年ぶりに再会したが、お互いに挨拶することはなかったとか。
VSニッキー・ミナージュ(41):即謝罪で事なきを得る
2015年のMTVビデオミュージックアワードのノミネートが発表されたとき、ニッキー・ミナージュ(41)とテイラーの間でプチバトルが勃発。
ニッキーは、『Anaconda』(2014年)が「ベスト女性アーティスト」にノミネートされたが、ビヨンセをフィーチャーした『Feeling Myself』(2014年)は候補にすら挙がらなかった。この結果が不満だったようで、「『Feeling Myself』は締め切りに間に合わなかった? それとも……?」とSNSに投稿。
さらに、「『Anaconda』も、私と違うタイプの女性だったら、最優秀振付賞とビデオ・オブ・ザ・イヤーにもノミネートされていたかしら?」「スリムなボディで女性たちを称賛するビデオならノミネートされるのよね」ともポストした。
同アワードで、『Bad Blood』(2014年)が「ビデオ・オブ・ザ・イヤー」にノミネートされていたテイラー。ニッキーの投稿を、自分のことだと勘違いしたようで、「私はあなたが大好きだし、応援している。女性同士が争うなんてあなたらしくない」とリプライ。
これに対して、ニッキーは「はぁ? ちゃんと読んでないでしょ。あなたのことは何も言っていない」と反論。立て続けに、「黒人女性はポップカルチャーに大きな影響を与えているのに、それが報われることはほとんどない」などの本音をポロリ。どうやらニッキーは、音楽アワードなどで黒人女性が受賞するケースが少ないことに苛立っていたようだ。
ニッキーからのリプライで、自らのミスに気づいたテイラーは、すぐさまニッキーに謝罪。ときに不器用でド直球過ぎる性格もテイラーの魅力の一つだが、ニッキーにとってみてはいい迷惑だった?
VSジョー・ジョナス(34):仲直りしたはずだったけれど!?
2008年、わずか3か月ほどの短期間だったにもかかわらず、テイラーとジョー・ジョナス(34)の交際は、現在も語り継がれる有名なエピソードに。
その理由は、ジョーと破局後に出演したトーク番組で、「27秒の通話でフラれた」とテイラーが告白したから。あまりに失礼な対応に、世間からジョーは批判を浴びることに。さらにテイラーは、失恋した悲しみを「落ち込んでいて、何も手に付かない」と『Forever&Always』(2008年)の歌詞に込めた。
しかし、その10年後にテイラーはテレビ番組で当時の自分の言動について、「あれはやり過ぎた」と反省。一方のジョーも、同年に出演したポッドキャスト番組で、「僕もテイラーも若かった」と振り返り、現在はテイラーとの関係は良好だと答えている。
その後、ジョーはソフィー・ターナー(27)と結婚するも、2023年に離婚を声明。すると、テイラーはソフィーにニューヨークのアパートを貸してあげたり、一緒にナイトクラブに出掛けたりと妙に協力的。ひょっとして仲直りしたと思っていたのはジョーだけだった?
VSジョン・メイヤー(46):失恋ソングに復讐ソングで対抗
テイラーが19歳のときに、約4カ月ほど交際していたのが、当時32歳のジョン・メイヤー(46)。失恋後、テイラーがリリースしたのは『Dear John』(2010年)というあまりにストレートなタイトルの楽曲だった。
しかもそこには「手を出すのに、19歳は若過ぎると思わなかった?」など、ジョンに対する不満がダダ漏れ。ジョンはのちに雑誌のインタビューで、「(曲を聞いて)不快でしかないよ。こんな仕打ちを受ける筋合いはない」と語っていたとか。
そんなジョンが2013年にリリースした『Paper Doll』は、テイラーへの復讐ソングとして知られている。歌詞には「お子ちゃまには難しかったかな?」など、年下のテイラーを揶揄うようなフレーズも。
しかし6年以上が経ち、ジョンは自身のコンサートの来場者に、テイラーの6枚目のアルバム『レピュテーション』(2017年)は素晴らしい作品だよねとトークしていたとか。ジョンの中でも、年下相手に復讐ソングはやり過ぎたと反省していたのかも?