ニューヨークのメトロポリタン美術館で盛大に行われたファッションの祭典「メットガラ2023」。今年の展覧会のテーマが『カール・ラガーフェルド: 美の系譜(Karl Lagerfeld: A Line of Beauty)』であることを記念して、そのオープニングを飾るメットガラのドレスコードは『in honor of Karl(カールに敬意を表して)』。
豪華セレブが一堂に会し、CHANEL(シャネル)やFENDI(フェンディ)など、名だたるブランドを率いた偉大なるデザイナー、カール・ラガーフェルド(享年85)の輝かしい功績を称えた。彼の象徴的なスタイルやアイコンを思い思いに取り入れ、“モードの帝王”にオマージュを捧げた、人気セレブの華麗なドレスルックをチェック!
リアーナ/30輪のカメリアに包まれたゴージャスな純白のドレスで
パートナーのエイサップ・ロッキー(34)とともに遅刻したことで話題をさらったリアーナ(35)。現在、第二子妊娠中の彼女は、今年も圧巻のドレスルックで登場し、「メットガラ」の女王の貫禄を見せつけた。
シャネルのアイコニックなカメリアのアップリケを贅沢にあしらった純白のブライダルドレスは、ヴァレンティノのクリエイティブディレクションを務めるピエールパオロ・ピッチョーリがリアーナのために特別にデザインしたもので、トレーンの長さはなんと5メートル! 首元でまばゆい輝きを放つ、パールとダイヤが連なったリュクスなチョーカーはブルガリのもの。
ドレス:ヴァレンティノ(Valentino)
チョーカー:ブルガリ(Bulgari)
リアーナ
キャミソールドレスに、フード付きのケープを重ねたゴージャスなルックは、なんと500の花びらと25の葉から成る30のカメリアモチーフで飾られているそう。30名の裁縫師によって作られ、リアーナが着用する直前までお直しが続いたのだとか。
フードからチラリと見えるピアスや、ロンググローブからのぞくネイルも白とカメリアで揃えられたフェミニンな着こなしで、ひときわ目を引いたのはサングラス。ヴァレンティノがAkoni Groupと共同企画したホワイトフレームのキャットアイサングラスに、超ロング付けまつ毛を添えたユニークな遊び心がリアーナらしいと絶賛された。
サングラス:ヴァレンティノ・アイウェア(Valentino Eyewear)
ジゼル・ブンチェン/ストライプ柄ドレスにフェザーの“翼”をまとって
2003年以来、「メットガラ」の常連として知られるジゼル・ブンチェン(42)。今年は元夫トム・ブレイディ(45)と離婚後初となり、15年ぶりに単独での出席となった。
そんなジゼルはストライプ状にスパンコールが施された煌びやかなペンシルドレスに、ふわふわのフェザーが揺れるケープを重ねたブライダルルックで登場。シャネルの2007年春夏オートクチュールのショーで発表されたもので、カール自身が手がけたという。
米誌『People』によると、同年、あるファッション誌の撮影でこのルックを着用したことがあったというジゼル。今年の衣装を選ぶ際にドレスを見た瞬間、カールと一緒に撮影したことを思い出し、「これだ!」と即決したそう。
フルルック:シャネル(CHANEL)
マーゴット・ロビー/モードなヴィンテージドレスでセンシュアルに肌見せ
2018年3月にシャネルのアンバサダーに選出され、カール・ラガーフェルド自らが選んだ最後のアンバサダーとなったマーゴット・ロビー(32)。この夏公開の主演作『バービー』とはガラリと違う、シックなブラックドレス姿を披露。
アシンメトリーなネックラインと、シースルーのコルセット部分の“チェーンストラップ”が印象的なドレスは、シャネルの1993年春夏のオートクチュールコレクションからの1着。
今回マーゴットのためにリサイズされたが、デザインはカール本人によるもので、当時ランウェイで着用したのは、元祖スーパーモデルのシンディ・クロフォード(57)。シンディは自身のInstagramアカウントに、マーゴットの名前のハッシュタグをつけて、「このルックが息を吹き返すのはうれしい」と投稿した。
ドレス:シャネル(CHANEL)
ピアス、リング:シャネル(CHANEL)
ペネロペ・クルス&デュア・リパ/ヴィンテージのブライダルドレスで叶う洗練ルック
今年のメットガラで、ミカエラ・コール(35)、ロジャー・フェデラー(41)とともに、共同ホストを務めたペネロペ・クルス(49)とデュア・リパ(27)。2人も、晴れの舞台にシャネルのヴィンテージのドレスを選んだ。
2018年からシャネルのアンバサダーを務めるペネロペは、ビジューが煌めくロマンティックなフード付きドレスで、おとぎ話のヒロインのようなルックを披露。ヴェール風のオーガンジーフードが付いた1着は、シャネルの1988年春夏ブライダルコレクションから。チュールのスカート部分はスパンコールやパール調ボタンでデコレートされ、パールバックルのベルトでウエストマーク。シャネルのハイジュエリーコレクション、「ル パリ リュス ドゥ シャネル」のブレスレットと「コメット クチュール」リング、「コメット ダイヤモンド」リング、「コレクション1932」の「リューン シルエット」イヤリングを組み合わせて、一層華やかに。
デュアが纏ったのは、シャネルの1992年秋冬コレクションのブライダルドレス。コルセット仕立てでウエストがキュッと絞られたプリンセスラインのツイードドレスは、裾がフリンジになっており、当時の人気スーパーモデル、クラウディア・シファー(52)がランウェイで着用したもの。大きく開いたデコルテに合わせた、なんと100カラットを超えるというティファニーの伝説級ダイヤのネックレスも大きな話題に!
ペネロペ・クルス
ドレス:シャネル(CHANEL)
ジュエリー:シャネル(CHANEL)
デュア・リパ
ドレス:シャネル(CHANEL)
ネックレス:ティファニー(Tiffany & Co.)
クリステン・スチュワート/クールなスーツルックはシャネルのアーカイブから
今回はシャネルのアーカイブルックに身を包んだセレブが数多く登場。中でも2013年からシャネルのアンバサダーを務め、カールのミューズだったことで知られているクリステン・スチュワートは、彼女らしいフルルックをセレクト。
クラシックでいて、エフォートレスなスーツスタイルは、カール自身が手がけたシャネルの2016/17年のクルーズコレクションで、長年クリステンのスタイリストを務めるタラ・スウェンネンによると、小柄な彼女に合わせてリサイズしたものとのこと。
クロップド丈でモダンなひねりを加えたジャケットに、タキシード風の襟付きトップスをイン。シャネルの小さなロゴ入りタイとバイカラーのローファーを合わせたマスキュリンなモノトーンスタイルは、ゴールドに輝くロゴバックルのベルトがアクセント。
隣のソフィア・コッポラ(51)が着用しているのもシャネルで、2001年春夏のオートクチュールのルック。
フルルック:シャネル(CHANEL)
ピート・デヴィッドソン&ミシェル・ヨー/異色の豪華ツーショットが話題に
ハリウッドいちのモテ男こと、ピート・デヴィッドソン(29)と今年のアカデミー賞主演女優賞に輝いた最旬俳優ミシェル・ヨー(60)。
ミシェルはカール自身のブランド、カール・ラガーフェルド・クチュールのカスタムドレスをチョイス。ネックラインは彼のシグネチャースタイルだった白襟をアレンジしたもので、シルクオーガンジーのバルーン袖がエレガント。ブラックサテンのロングトレーンの中は、レザーパンツとチェーンをあしらったプラットフォームブーツでエッジを効かせたスタイルに。
一方のピートは、カールが長年デザイナーを務めたフェンディのフルルックを披露した。
SNSは「まさかのカップル誕生?」と盛り上がったが、米誌『Variety』によると、日本でも8月公開予定の映画『トランスフォーマー/ビースト覚醒』に2人が関わっていることで実現したツーショットのよう。
ミシェル・ヨー
ドレス:カール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)
ニーハイブーツ:ジャンビト・ロッシ(Gianvito Rossi)
ジュエリー:カルティエ(Cartier)
時計:リシャール・ミル(Richard Mille)
ピート・デヴィッドソン
フルルック:フェンディ(FENDI)
ジュエリー:デビアス(De Beers)
ジェニファー・ロペス/しなやかなホルターネックドレスで大胆に肌見せ
2021年は現夫のベン・アフレック(50)とマスク越しのキスを披露して沸かせたジェニファー・ロペス(53)は今年、単独で出席。
鍛え抜かれた彼女のボディラインをしなやかに引き立てる、彫刻のようなシルエットのドレスは、ラルフ・ローレンのカスタムメイド。イタリアにある同ブランドのアトリエで作られたもので、淡いピンクのスカート部分はシルクサテンを、ホルターネックとカマーバンドはブラックシルクベルベットを使用。流れるようなベルベットのリボン状のトレーンとイブニンググローブでレディライクな雰囲気に仕上げた。
さらに淑女のようなタッチを添えるハットは、英王室メンバーも御用達の帽子ブランド、フィリップ・トレーシーによる「RLコレクション」40周年記念アイテム。
ドレス、クラッチ:ラルフ・ローレン(Ralph Lauren)
ジュエリー:ロレイン・シュワルツ(Lorraine Schwartz)
プラットフォームサンダル:ピフェリ(PIFERI)
アン・ハサウェイ/「安全ピン」ドレスで90年代スーパーモデル風に
シャネルを思わせる優雅なツイード素材に、ゴールドの安全ピンを煌めかせて、華麗に登場したアン・ハサウェイ(40)。ヴェルサーチェによるカスタムメイドドレスで、15メートルのファブリックを使い、450時間かけて手作業で作られたもの。
カールがコレクションでよく使用していたパールとヴェルサーチェのシグネチャーであるメデューサのエンブレムを融合した特注の安全ピンを使用。胸元をカメリアの花でユニークに飾った、エレガントでセンシュアルな楽しいルックは、同素材のライダースジャケットとロンググローブで完成。ドレスのシルエットは、カールのミューズとして有名なスーパーモデルたちが活躍した1990年代を参考にしたものだそう。
さらに80年代後半に流行したシャネルのコインネックレスをイメージしたというカスタムメイドのブルガリのジュエリーを合わせ、カールのヘリテージを称えた。
ドレス、パンプス:アトリエ・ヴェルサーチェ(Atelier Versace)
ネックレス、ブレスレット:ブルガリ(Bulgari)
ビリー・アイリッシュ/透けるブラックレースドレスが妖艶なムードを発揮
2021年に「メットガラ」史上最年少で共同ホストを務め、話題を呼んだビリー・アイリッシュ(21)。今回は兄フィニアス・オコネル(25)とともに出席。
ゴシックなムード漂うブラックレースドレスは、ビリーが「世界でもっとも好きなデザイナーのひとり」と言う、シモーヌ・ロシャによるカスタムデザイン。ブランドの公式アカウントによると、ビリーの才能とパワフルさ、儚さ、女性らしさなどを表現したものとのこと。
ブラックビーズなど、さまざまなビジューを手作業で縫いつけたドレスを、ブラックサテンのコルセットにレイヤードするスタイルで、お揃いのオペラグローブとタイツを合わせて、繊細ながら表情豊かなブラックコーディネートに仕上げている。
ドレス:シモーヌ・ロシャ(Simone Rocha)
プラットフォームサンダル:ピフェリ(PIFERI)
ジュエリー:カルティエ(Cartier)
オリヴィア・ロドリゴ/胸元のカメリアで魅せるモノトーンのフリンジドレス
前回2022年は蝶々のモチーフのヘアアクセを付けた、妖精のようなルックで注目を集めたオリヴィア・ロドリゴ(20)が、今年はぐんと大人なシックなスタイルで登場。
モノトーンのシルクとツイードのフリンジドレスはトム・ブラウンのカスタムメイドで、ストラップレスの胸元にはツイード、レザー、オーガンジーなど、さまざまな異素材を使った大小のカメリアのコサージュがぎっしり。オードリー・ヘップバーンを意識したというバングスもクラシカルな雰囲気に華を添えた。
セレブ御用達ジュエリー、ロレーヌ・シュワルツのモノトーンダイヤのカクテルリングに合わせたシンプルなブラックネイルは、東京出身のLA在住ネイルアーティストYoko Sakakuraによるもの。
ドレス:トム・ブラウン(Thom Browne)
ジュエリー:ロレーヌ・シュワルツ(Lorraine Schwartz)
ケンダル・ジェンナー、キム・カーダシアン、カイリー・ジェンナー/個性溢れるオマージュスタイルで
スーパーボディを生かすキラキラ眩いルックで登場したケンダル・ジェンナー(27)。カールが90年代に発表した水着のデザインにインスパイアされたというスパンコールのレオタードとお揃いのケープ、スワロフスキーをちりばめた厚底ブーツは、カールに捧げるカスタムメイドのマーク・ジェイコブス・コレクション。
「パール以上にカールらしいものはない」と語るキム・カーダシアン(42)は、スキャパレリのオートクチュールドレスをセレクト。1万6,000以上のクリスタルと、5万個のフレッシュウォーターパールを使用したという、驚くほど贅沢なドレスは1,000時間以上かけて、12人の職人によって作られたとのこと。
モノトーンが多い今回のメットガラでひときわ目立つ赤を選んだカイリー・ジェンナー(25)。アシンメトリーなカットアウトによる肌見せがグラマラスなドレスは、ジャンポール・ゴルチエのゲストデザイナーを務めるハイダー・アッカーマンによるもの。カールの「赤は悲しみを完全に癒してくれる」という言葉にインスパイアされたそう。
ケンダル・ジェンナー
ボディスーツ、ブーツ:マーク・ジェイコブス(Marc Jacobs)
ジュエリー:ロレーヌ・シュワルツ(Lorraine Schwartz)
キム・カーダシアン
ドレス:スキャパレリ(Schiaparelli)
ジュエリー:ロレーヌ・シュワルツ(Lorraine Schwartz)
カイリー・ジェンナー
ドレス:ジャンポール・ゴルチエ(Jean Paul Gaultier)
リング:ロレーヌ・シュワルツ(Lorraine Schwartz)
ジジ・ハディッド/話題のネイキッドドレスをダークロマンティックに
Netflixのファッション番組『ネクスト・イン・ファッション』シーズン2の共同司会者ぶりも好評で、ますますモード界での存在感を高めているジジ・ハディッド(28)。
繊細な透け感が美しいブラックレースをレイヤードしたカスタムドレスは、ジバンシィのクリエイティブ・ディレクター、マシュー・ウィリアムズ(37)によるもので、ジジの長年のスタイリスト、ミミ・カトレル(31)がスタイリング。
ランジェリーにインスパイアされたというアシンメトリーな袖やレースでできたビスチェをオーキッドモチーフのブローチで留めるようなデザインになっており、デザイナーによると、オーキッドはカールのお気に入りのモチーフだったそう。
首元で輝くのは、スマイリング・ロックスのオートクチュールのクリエーションで、54個のダイヤを連ねた「ドリームネックレス」。
ドレス:ジバンシィ(Givenchy)
シアーブラックタイツ:カルツェドニア(Calzedonia)
ダイヤネックレス&リング:スマイリング・ロックス(Smiling Rocks)
パールネックレス&ピアス:ラゴス(LAGOS)
エミリー・ラタコウスキー/柔らかなベージュトーンでシアードレスもフェミニンに
「メットガラ」は3度目の出席となったエミリー・ラタコウスキー(31)は、ベージュトーンのプリーツチュールがほんのり透ける、トリー・バーチのカスタムメイドドレスで登場。
ダイナミックに開いたネックラインは1920年代のフラッパードレスにインスパイアされたもので、ジオメトリック柄はシャネルのシグネチャーのひとつ、マトラッセをイメージしたものだそう。模様はブラックのベルベットリボンで表現されており、交差する部分には小さなブラックパールがキラリ。
カールへオマージュを捧げる黒いベルベットリボンでレトロな雰囲気に仕上げたハーフアップのウェービーヘアは、オードリー・ヘップバーン風の前髪がポイントに。
ドレス:トリー・バーチ(Tory Burch)
クラッチ:ジミー チュウ(Jimmy Choo)
プラットフォームパンプス:スチュアート・ワイツマン(Stuart Weitzman)
イヤリング:アナ・コーリ(Ana Khouri)
リング:フレッド・レイトン(Fred Leighton)
リル・ナズ・X/衝撃の“バースデースーツ”ルックに視線集中!
2021年の「メットガラ」にはゴールドの鎧のようなスタイルで姿を現し、話題を独占したリル・ナズ・X (24)が、今年はシルバーに染められた全身に、カールが愛したパールを輝かせて登場。
フルボディペイントしたバースデイスーツ、つまりは裸状態で、顔をほとんど覆うきらびやかなアイマスクを纏い、会場の度肝を抜いた。
米サイト『Page Six』によると、カールの愛猫「シュペット」を称えるべく、猫をモチーフとした美の限界に挑戦するルックで、デザインを手がけたのは大御所メイクアップアーティストのパット・マックグラス。なんと5,000個のストーンと21万8,784個のスワロフスキーを貼り付け、ディオール メンやYSLビューティ、その他ネイリストらとのコラボレーションにより、10時間以上かけて完成したそう。
ブルックリン・ベッカム&ニコラ・ペルツ/仲良くモノトーンのリンクスタイルで
夫婦としては2度目の出席となったブルックリン・ベッカム(24)とニコラ・ペルツ(28)。息のあったモノトーンでリンクした、ヴァレンティノのフルルックを披露。
ニコラは深いスリットをロングリボンで上品に引き立てた、アイヴォリーのシフォンプリーツドレスをチョイス。ストラップレスで広く開いたデコルテを豪華なジュエリーのレイヤードで飾った。燦然と輝く大粒ダイヤのチョーカーは、ニコラが結婚式の時にも着用したハリー・ウィンストンのもので、かつては彼女の母親が身につけたものなんだとか。今回のスタイリングはニコラのウェディングスタイルを手がけたスタイリスト、レスリー・フレマーが担当したという。
一方のブルックリンは、シアーシャツにテーラードジャケットを重ねた、ソフトな印象のオールブラックスタイルで、すべてヴァレンティノのカスタムメイド。首元はミキモトのパールを重ねづけして、ニコラとのリンク感をアップ。
ニコラ・ペルツ
ドレス:ヴァレンティノ(Valentino)
ダイヤのネックレス:ハリー・ウィンストン(Harry Winston)
ブルックリン・ベッカム
シャツ、スーツ:ヴァレンティノ(Valentino)
ネックレス:ミキモト(MIKIMOTO)
時計:カルティエ(Cartier)