[vol.6] 大物セレブといえども、謝罪ファッションは地味が基本。 ジョーニー・デップとアンバー・ハード、未だかつてない無個性服

昨年の5月にプライベートジェットでオーストラリアを訪問した際に、愛犬2匹を税関に申告しなかったことから、犬の密輸罪と虚偽文書作成の罪で起訴されていたジョニー・デップの妻アンバー・ハード。最大禁固1年の実刑か最高7万5000ドルの罰金が科せられる可能性もあったこの事件で、オーストラリアの裁判所はアンバーとジョニーに謝罪ビデオの撮影を命令した。人気者の2人を利用して、厳格な検疫制度のPRをもくろんだに違いないオーストラリア政府。アンバーが実刑を免れるのならば、役者の2人にとっては謝罪ビデオなどお手のもの……とはいかなかったのよね〜、これが。

デップ、神妙ではあるものの半ばぶ然として、言わされてる感ありありの居心地悪そうな表情。名優にしては演技力も及ばず、リッキー・ジャヴェイスはツイッターで「人質ビデオみたいだ」とつぶやく始末。私が何よりも驚いたのは、デップ夫婦のほとんど喪服なファッションね。近年、これほどアクセサリーをじゃらつかせていないデップは見たことがない。ヒゲなんかも剃って、ほんとにバツが悪そう。アンバーもメイクは極薄めで黒の何でもないワンピースを着ている。

人は詫びを入れ真摯に見せたいとき、地味な格好をする。それはもう、わざとらしいまでにマジメ一辺倒。チャラいかっこうで謝罪したところで、反省している風には見えない、ってことなんだろうが、普段の独自過ぎるデップファッションを見慣れているので狙いが丸わかり。それでも、アンバーが1ヶ月の保護観察処分で済んだのだから、地味な格好もやむなしのスーパーセレブ・カップルなのだった。

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イラストレーター&エッセイスト 石川三千花

映画、ファッションを独自の視点からイラスト+エッセイで斬る!著書に『石川三千花の勝手にシネマ』、『勝手にオスカー』など。

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