エル・ファニングは18歳になったばかりだが、最近ではヨーロッパのハイブランドのコレクションにも顔を出すようになった。まだ少女らしさが残る彼女が、大人の高級モード服を着たときの、背伸び感。だからこそ、老舗ブランドといえどもとびきりフレッシュな印象を与える効果がある。リリー・ローズ・デップやカイア・ガーバー(シンディ・クロフォードの娘)など10代の女の子が早くもモード界で引っ張りだこなのも納得がいく。なんだかんだいっても、ファッション的なものは、若返り作戦が命題なのだ。
なんてことを改めて感じ入ったのは、エル・ファニングがグッチのロンドン・コレクションでニューラインのファッションに身を包んだときだった。レースのパフスリーブのヴィクトリア調のブラウスとベルベットのミニドレス。そして首に結んだピンクのロングリボンがものすごくかわいい。このリボンをゴージャスなアクセサリーに変えれば、もっと上の世代でも着れるかもしれないが、このリボンは18歳のエルでないと似合わない。もっといえば、リボンでなければデザインコンセプトが違うものになってしまう。(しかし、グッチのドレスを買える層は少なくともティーンエイジャーではないと思うから、私のいい分は矛盾しているのだが)
とどめは、エルが自身の最新作『The Neon Demon』のフォトコールに現れたときのかっこうだ。それは白いシフォンのベビードールドレスで、小花のティアラとともに妖精のような純真なイメージを振りまいたのだ。真っ白でいくぶんぽっちゃりとした、だが太っているというほどではない若さからくる、締まりきっていないみずみずしい体つき。ほっぺは桃色。ひざ小僧も桃色。ふわふわの綿菓子のような女の子。
このかっこうこそ、期間限定。年齢制限あり、と私はふんだ。
ちょっと例に出して悪いけど、ヴィクトリア・ベッカムが髪を短くしたってんで、デイジーの花をティアラにしてインスタにアップしていたが、ほっぺが丸くなくて、縦にスジが入った時点で、お花のティアラはキッツイ。いや、そういうのを女性は永遠に好きな気持ちは分かるが、お花のティアラで睨まれてもな〜、と私は軽めにブルった。