[vol.16] 変化し続けるレニー・ゼルウィガーの顔。セレブが陥る美しき罠に終わりはない

誰が待っていたのか知らないが、ブリジット・ジョーンズが帰ってきた。シリーズ3作目とはずいぶんと引っぱるものだなぁと思ったが、妊婦騒動で笑いをとる今回のブリジットもやっぱり面白くて、「たまには観たい上等なラブコメ」の感を強くした。


ところで主演のレニー・ゼルウィガーは今までさんざん顔の激変が話題となって、本人はもうウンザリだと思うが、見る側としてはやっぱり気になる。本作でも、やれボトックス抜きをして元の顔に戻して出演したなどと聞かされてはなおのことジッと画面を見つめてしまうのだった。そして、レニーの顔面を気にしながらストーリーを追っていて、キスシーンで彼女の顔がアップになったときに、そこからシワがいきなり消滅したので「えっ、自動的にこうやるか!?」と軽めに驚いたのである。せっかく、自然に(近くなるように)戻した年相応の顔なのに、やっぱりアップではシワをとるのか。こんなCG技術はいまや至極簡単で、普通にこういうことをやるんだなと。

まあ作品自体がコメディだし、別にアップの顔でシワをとったからと目くじらを立てるつもりはないが、映画の世界でもこうも簡単に若返らせたり、逆に老けさせたり、細くしたり太くしたりを加工したら、役作りとかしなくても良くなるじゃん。もっといえば、映像の加工でどうにでもなるのなら、整形もしなくてもいいじゃん。なんて思えてくる。でもやっぱり生で登場しなくてはならないプレミアやプロモーションのためには若返り整形をしたいんだろうな。実際、レニーが撮影後またしてもシワをとったと話題になっている。セレブが陥る美しき罠は、はまったら抜け出せないのである。

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イラストレーター&エッセイスト 石川三千花

映画、ファッションを独自の視点からイラスト+エッセイで斬る!著書に『石川三千花の勝手にシネマ』、『勝手にオスカー』など。

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