映画、音楽、ファッション、あらゆる業界において<二世の時代>といわれて久しいが、やっぱり偉大な親を超えることはなかなか難しいのが現状。ところが、ファッションモデルの場合は体格がより現代的に進化して、いともたやすく親を超えたりする。90年代のスーパーモデル時代を代表するシンディ・クロフォードの娘カイア・ガーバー16歳の、イジョーに長い手脚を見て私はそう思った。
カイアがランウェイデビューを果たしたのは、2018年春夏のニューヨークコレクション。奇しくも母のシンディが活躍した時代を象徴するブランド、カルバン・クラインだった。同様にヴェルサーチのランウェイではナオミ・キャンベルらのスーパーモデルとともにそろい踏みを見せた母との親子共演で話題をさらい、現代のスーパーブランド、シャネルではなんとオープニングを飾っている。これほどラッキーなデビューを演出してもらえる新人モデルがいただろうか。いきなりトップモデルになった感のあるカイア・ガーバー。つい先日は、80年代ブームで勢いづくヴェルサーチのキャンペーンモデルにも決まり、当時のシンディにイメージを重ねるように爆発ロングヘアで“洗練されたバブリーさ”を表現していた。
冒頭でも書いたが、驚くのはカイアのそれはそれは細くて長〜い手脚。そして握りこぶし大の小っさな顔ね。彼女が公に出てきた当初は、目が寄り過ぎていて小猿顔だと思っていたが、そんな顔のパーツなんぞはプロのメイクでなんとでもなるものなのだ。やっぱりあの人間離れした体型がモデルの命。彼女がモデルではなくて普通の16歳の女の子として見たら、当然かなりスリムではあるけれど、モデルとしては特別な資質。カイアと並ぶと、シンディでさえも顔がデカく見えるという驚異のパッと見10頭身モデルなのだ。いや〜、これでファッション界にもスターが生まれ、ガーバー家ではカイアの兄でやはりモデルのプレスリーとともに、資産はますます潤うといういいことずくめなセレブ一家なのだった。